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フィレンツェ近郊「スカルぺリア」歴史とナイフで有名な美しい村

2021-06-12

フィレンツェ県北部・ムジェッロ地方に、フィレンツェ共和国の北の砦として建設されたスカルぺリアという村があります。歴史的建造物が今も残り、伝統産業であるナイフは今も世界的に有名。最近は日本で写真集も出版されている「イタリアの最も美しい村」の協会にも設立当初から参加し、また歴史的行事を含め多くのイベントで盛り上がる、小さいながらも住民の活気にあふれるおススメの村です。

ヴィカーリ宮殿は今も昔もスカルぺリアの中心

写真:中山 久美子

スカルぺリアは、フィレンツェ共和国の北側の防衛目的として1306年に建設されました。1415年からはフィレンツェより代理人=ヴィカーリオが任命され、そのヴィカーリオの執務場所と住居となったのが、このヴィカーリ宮殿。ファサードに掲げられているのは、ヴィカーリオを輩出した家の紋章です。

写真:中山 久美子

ヴィカーリオは6カ月から1年という短い任期だったため、数多くのヴィカーリオが存在し、入口から奥に続く2つのロビーも紋章で埋め尽くされています。宮殿は2階より上はミュージアムになっていますが、1階ロビーは出入り自由。時間がない方も、この圧巻の空間だけはぜひ見てみて下さい。

ヴィカーリ宮殿内の2つのミュージアム

写真:中山 久美子

宮殿の2つ目のロビー左には、観光案内所を兼ねたチケット売り場があります。ここで、チケット購入と観光情報を仕入れましょう。2つのミュージアムはつながっており、1枚のチケットで両方入ることができます。
1つ目はヴィカーリ宮殿博物館で、かつてのヴィカーリオの執務室、個人の礼拝堂、裁判の間などが見学できます。宮殿はヴィカーリオが去った後も、1990年代までスカルぺリア市の市役所として使用されていたんですよ。

写真:中山 久美子

時計の間には、1445年にブルネッレスキが製作した時計メカニズムが展示されています。現在は新しいものに交換されましたが、近年までヴィカーリ宮殿の外側の時計に使用されていました。
この時計の間からは、2019年にリフォームされた新しい階段で、塔に上ってパノラマを見ることもできます。

写真:中山 久美子

ヴィカーリ宮殿のカーテンの間から、今度は刃物ミュージアムへ。刃物全体の歴史、スカルぺリアの刃物の歴史、コレクションなど、5つのセクションが見学できます。
またヴィカーリ宮殿から近い別の場所に、かつての刃物工房が残っています。予約制になりますが、刃物職人のガイド付き見学も可能です。
<ヴィカーリ宮殿の基本情報>
住所:Piazza Dei Vicari
電話番号:+39-055-8468165
アクセス:スカルぺリア墓地バス停より徒歩5分

ヴィカーリオ交代の儀式を再現する「ディオット」

写真:Proloco Scarperia

村一番のお祭り「ディオット」では、1307年9月7日の建国翌日に行われた祝宴にちなみ、毎年9月8日にヴィカーリオの交代式が再現されます。貴族やブラスバンドのパレード、旗のショーなどは見ごたえたっぷりですよ。

写真:Proloco Scarperia

クライマックスは、ヴィカーリ広場で行われる地区対抗の中世の5種競技会。わが地区を応援しようと、住民たちの熱い声援が飛び交います。

写真:Proloco Scarperia

5種の競技はナイフ投げ、レンガ徒歩競争、綱引き、ポール上り、ぶどう樽リレー。住民以外でも見学できますが、チケット販売は当日18時からのみ。当日の夕方までには到着して並び、その日はスカルぺリア宿泊がベターでしょう。

旧市街の内外にある祈祷所

写真:中山 久美子

広場の聖母の祈祷所は、その名の通りヴィカーリ広場の一角にあります。1320年頃の建設ですが、1415年からは、新しいヴィカーリオがフィレンツェ執政長官への忠誠を誓う場所にもなりました。
<広場の聖母の祈祷所の基本情報>
住所:Via S. Martino, 57
アクセス:スカルぺリア墓地バス停より徒歩5分

写真:中山 久美子

旧市街を出て南側すぐの祈祷所には、1542年の地震の際、地震を止めるために聖母が祈り続けたという伝説が残っています。この聖母子像は、フィリッポ・リッピの1448年の作品とされています。
ヴィカーリ宮殿裏から旧市街を出てすぐにも、メディチ家最後のトスカーナ大公・ジャンガストーネの命により1741年に建設されまた祈祷所があります。しかし現在は修復待ちで、残念ながら外から眺めるだけになります。
<地震の聖母の祈祷書基本情報>
住所:Via Filippo Lippi, 1
アクセス:スカルぺリア墓地バス停より徒歩3分

職人が作るナイフをスカルぺリアの思い出に

写真:I Coltelli Dell’Artigiano Snc

最後は、伝統産業の刃物店にも立ち寄ってみましょう。職人が全て手仕事で作る産地はイタリアでも5つしかなく、ここスカルぺリアでは現在5社が残っています。写真の「L’artigiano Scarperia」は、ヴィカーリ宮殿すぐそばに店舗を構え、伝統の携帯用ナイフから、カトラリー、ソムリエナイフなど、様々なタイプの刃物を揃えています。
<L’artigiano Scarperiaの基本情報>
住所:Via Roma 77
電話番号:+39-055-8430519
アクセス:スカルぺリア墓地バス停より徒歩5分

フィレンツェからワンデイトリップにぴったり

観光都市以外でも、個性的な小さな村はあちこちに点在しています。このスカルぺリアはフィレンツェからバス1本で行くこともでき、アクセスも比較的簡単ですので、ぜひ訪問してみてください。他にもアクセスしやすいトスカーナの小さな村を2つ紹介していますので、下記リンクもぜひ参考にしてみてくださいね。
2021年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
スカルぺリア地域プロモーション協会(外部リンク)
https://www.prolocoscarperia.it/
ヴィカーリ宮殿・刃物博物館(外部リンク)
https://museoferritaglientiscarperia.it/
トスカーナ中部ルチニャーノ、城壁が完璧に残る「キアーナ渓谷の真珠」
https://www.travel.co.jp/guide/article/44861/
アクセス簡単!フィレンツェ近郊の「小さな村」チェルタルド
https://www.travel.co.jp/guide/article/28376/

【トラベルjp・ナビゲーター】
中山 久美子

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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