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大阪・西成「ココルーム」釜ヶ崎のゲストハウスで街から学ぶ旅

2021.06.20

大阪市西成区にある「釜ヶ崎」と呼ばれる街。日本最大の日雇い労働者の街として知られています。
一方で、昭和レトロなまち並みの中でここでしかできない体験やB級グルメに惹かれて、観光に訪れる人が少なくありません。
変わりつつある大阪のディープゾーンにあるゲストハウスはどんな場所なのか?ここにしかないアートがあふれる旅の宿を紹介します。

釜ヶ崎という街で生まれるアート

写真:潮 佳澄

大阪市西成区にある「釜ヶ崎」。JR新今宮駅の北側、通天閣がそびえる新世界からもほど近い場所に位置する「釜ヶ崎」は地図にはない地名です。
釜ヶ崎とは、日本最大の日雇い労働者の街として知られるエリアの呼び名。過去の暴動や貧困のイメージが根強く、今でも「危ないから行ってはいけない」と言われることがあります。
一方で、高度経済成長期を支えた労働者の街の雰囲気がそのまま保存されているような昭和レトロなまち並みやグルメに惹かれて、観光で訪れる人が多くなっています。
姿を変えつつある街で、表現と学びの場として息づきながら、ゲストハウスも営んでいる「ココルーム」があります。

ゲストハウスの「ふり」をした表現と学びの場

写真:成田舞

ココルームは、アートNPOが主宰する表現と学びあいの場です。場づくりをコーディネートしているのは詩人・詩業家であり、アートNPO法人こえとことばとこころの部屋(ココルーム)代表理事でもある上田假奈代さん。2003年に大阪・新世界でアートNPOを立ち上げ、’08年から釜ヶ崎で活動を行い’16年にゲストハウスを開設されました。
ゲストハウスや喫茶店の"ふり"をしているおかげでアートに興味がある人だけでなく、さまざまな人たちが集まり、場が広がっていくのがココルームの魅力。「一人一人が出会える機会をつくれたら」と言う上田さんの言葉どおり、泊まってみると旅人とココルームにやってくる人が出会うきっかけが多くあります。

学びあいと出会いがあふれるカフェと庭

写真:潮 佳澄

建物に一歩足を踏み入れると、天井に貼られたたくさんの半紙、色とりどりに塗られた物にびっくりさせられます。力強さや温かみが感じられるモノに迎え入れられる空間です。
1階はカフェスペースなので誰でも出入りができます。広く開かれているからこそ、さまざまな出会いがあるもの。対話の練習の場だと思って、自分の意思で人との距離感をはかって過ごすのが大事です。

写真:潮 佳澄

カフェを抜けた先には、ワイルドな庭が広がります。庭の中でも目をひくのは井戸!大阪の商店街にナゼ?と驚かされますが、実は昔からあったものではなく、2019年におよそ700人の手で掘られた井戸です。
アフガニスタンで井戸を掘った経験のある蓮岡修さんを講師に、日本の井戸を掘ってきた釜ヶ崎のおっちゃんたちの知恵と経験が加わって、約7カ月かかってできあがりました。参加したのは3歳から74歳まで、たくさんの人が関わってできた井戸は、街の人が先生になったからこそメンテナンスをしながら維持できるようになっています。
井戸掘りは上田さんの「釜ヶ崎のおじさんたちに先生になってもらいたかった」という想いが形になったものでもあります。街の力が感じられる井戸は、学びあいから生まれた人力のパワースポットと言えます。

写真:潮 佳澄

井戸だけでなく、庭にあるテラス席も交流が生まれる特別な場所です。朝夕の食事は宿泊者だけでなく、スタッフの方を含めてゲストハウスに集まった人たち全員でテーブルにつくので、準備・片づけを手伝っていると自然に会話が生まれます。
朝食では茶粥にエネルギーをもらって、10時から庭でラジオ体操!ご近所さんも参加しにくるときがあり、身体を動かすと不思議と気持ちの距離も近くなります。ラジオ体操の後には宿泊者を含め、スタッフさん、ご近所さんが参加するミーティングがあることも。
食事どきは宿泊者・街の人と話しながらお互いを知りあえる時間でもあります。

唯一無二の部屋に泊まる

写真:潮 佳澄

1階から鍵のかかる扉でつながるゲストハウス部分は、ドミトリー(女性専用あり)と特色ある6部屋からなる35ベッド。個室には鍵がかけられるので外出の時も安心です。各階には共有の洗面所・トイレがあり、清潔に保たれています。
共有エリアはアートスペースでもあります。ゲストハウスができた時に釜ヶ崎で生きる人、ボランティアやアーティストたちの手で色とりどりに描かれた空間です。

写真:潮 佳澄

6つある個室の内の1人部屋「詩人の部屋」は、詩人・谷川俊太郎さんが実際にこの部屋に滞在して作った詩「ココヤドヤにて」が展示されています。
書籍『釜ヶ崎で表現の場をつくる喫茶店、ココルーム』には、谷川俊太郎さんと上田暇奈代さんの対談「釜ヶ崎と詩」も載っているのでぜひ部屋の詩とあわせて読んでみて。

写真:潮 佳澄

「子豚とひょうたんの部屋」には、釜ヶ崎に在住していた岡山秀孝さんの絵が展示されています。癒されるようなあじわいがある絵はリウマチの手で描かれたもの。2段ベッドがある2人部屋は居心地の良い広さです。

誰かの居場所になるゲストハウスとカフェと庭

写真:潮 佳澄

街に開かれ、誰もを広く受け入れるココルーム。ステイホームが呼びかけられる中、家にはいられない事情を抱えた人たちの居場所にもなっていました。
ゲストハウスに併設された「本間にブックカフェ」も居場所の一つ。誰でも店長になれる少し変わったカフェバーです。ドリンクを注文して店長さんと話をすることで、おすすめの本をもらえるようになっています。店と客の枠を超えたやりとりが生まれる場は、店長をする人にとっても居場所のひとつ。フラットな関係で話ができる場はかけがえのない場です。一期一会の出会いで思わぬ学びや気づきが得られます。

写真:ココルーム

ココルームでの学びは「釜ヶ崎芸術大学」の公式HPでも確認できます。まち歩き、詩、ダンス、哲学、書道、ガムラン、などの多彩な講座が開かれていて誰でも参加できます。(オンライン開催もあり)

写真:潮 佳澄

ここでしか出会えない人、学び、アートにあふれた宿で、街とつながるディープな旅を体験してみてはいかが?

ココルーム(ゲストハウス)の基本情報

住所:大阪府大阪市西成区太子2-3-3
電話番号:06-6636-1612
アクセス:
地下鉄御堂筋線「動物園前駅」2番出口から動物園前一番街を南へ徒歩約5分
JR新今宮駅から徒歩約8分
2021年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
ココルーム ゲストハウスとカフェと庭(外部リンク)
https://cocoroom.org/cocoroom/jp/
釜ヶ崎芸術大学・大学院(外部リンク)
http://cocoroom.org/%E9%87%9C%E3%83%B6%E5%B4%8E%E8%8A%B8%E8%A1%93%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E3%83%BB%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E9%99%A22020/

【LINEトラベルjp・ナビゲーター】
潮 佳澄

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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