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砂が鳴く!?京都府京丹後市「琴引浜」で“鳴き砂”体験

2021.07.20

海にかこまれた日本には各所に浜辺がありますが、そのなかに「鳴き砂」と呼ばれる特徴的な海砂を持つところがあること、ご存知ですか?「鳴き砂」のある浜辺は全国に幾つか存在しますが、京都府京丹後市の「琴引浜」はそのなかでも全国屈指の「鳴き砂」の浜辺として知られています。「鳴き砂」とはいったい何?今回は京都府京丹後市の琴引浜で「鳴き砂」の仕組みと海砂の「鳴かせ方」をご説明致しましょう。

いにしえより名所として名高い「琴引浜」

写真:乾口 達司

「琴引浜(ことひきはま)」は、京都府京丹後市網野町に位置する砂丘状の浜辺。その全長は1キロメートルあまり。掛津地区から遊地区にかけて白砂の浜辺がのびており、「鳴き砂」の地として、1987年(昭和62)に網野町の指定文化財、2007年(平成19)には国の天然記念物および名勝に指定されています。

写真:乾口 達司

琴引浜の名は当地を代表する名所としていにしえより知られており、複数の古文書のなかで「琴曳濱」「琴弾浜」などの表記でも紹介されています。
たとえば、浜辺近くの松林に立つこちらの石碑。表面に「根上りの/松に五色の/糸かけ津/琴引き遊ぶ/三洋の浦々」と刻まれた歌の作者は、細川幽斎(藤孝)。織豊政権期に丹後国を領有した大名ですが、その幽斎も琴引浜を訪れているのです。
近年も1992年公開の『釣りバカ日誌5』(監督・山田洋次)をはじめ、さまざまな映画やドラマのロケ地として、琴引浜は登場しています。

「鳴き砂」の秘密に迫ろう!サラサラの白砂

写真:乾口 達司

「鳴き砂」は、その名のとおり、砂が「鳴く」現象。琴引浜の「鳴き砂」は各地に点在する「鳴き砂」のなかでももっともよく知られています。
とりわけ、「太鼓浜」と記された標識が立つ中央付近は、砂がよく「鳴る」とされています。「琴」や「太鼓」と楽器の名称で呼ばれているあたり、琴引浜が「鳴き砂」の名所であることを示していますね。
「鳴き砂」を確かめたいなら、「太鼓浜」の標識を目指しましょう。

写真:乾口 達司

まずは両手で砂をすくってみてください。水分をあまりふくんでいない砂はサラサラと両手からこぼれ落ちますが、このサラサラ感にこそ「鳴き砂」の秘密の一端が表されています。

写真:乾口 達司

砂には、透明な鉱物がたくさんふくまれています。これは「石英(せきえい)」と呼ばれる鉱物で、二酸化ケイ素が結晶してできたもの。石英は摩擦係数が大きく、石英を多くふくんだ乾いた砂では、摩擦によって独特の音が生じます。これが「鳴き砂」の原理です。
さらに、よくご覧になると、砂にたくさんの微小貝も混じっています。微小貝の大きさは2ミリメートル以下で、一見、砂と見分けがつきにくいかも知れませんが、琴引浜で見られる微小貝の種類は900種類にもおよび、その棲息数は全国屈指。微小貝は環境の影響を受けやすいとされているため、琴引浜がいかに良好な自然環境を維持し続いているか、微小貝の種類の多さからもおわかりいただけるでしょう。

実際に鳴らしてみよう!砂が「鳴く」様子

写真:乾口 達司

それでは、実際に「鳴き砂」を鳴かせてみましょう。
まずは靴を脱ぎ、裸足になってください。そして、足の甲のあたりまで砂に埋まった状態で摺り足気味に前進します。摺り足は、上でご説明したように、砂同士をこすり合わせ、摩擦を生じさせるため。摺り足で全身すると、あらあら不思議!ギュッギュッ、ブッブッといった鈍い音が聞こえます。
摺り足で前進しなくとも、要は砂同士を摺り合わせ、摩擦音を生じさせればよいので、砂を両手でつかみ、こすりあわせても、似たような音が鳴りますよ。
ちなみに、空気の乾燥しやすい春や秋のお天気のよい日にはよく「鳴く」とされています。ぜひともご自身で「鳴き砂」を体験してください。

海の生き物を観察しよう!「網野累層」の上に広がる潮だまり

写真:乾口 達司

「鳴き砂」を堪能した後は、浜辺を散策しましょう。すると、白い砂地のほかに、写真のような黒い岩層が露出しているところが目につくはず。これは凝灰岩などから成る「網野累層(あみのるいそう)」の露出した部分。これにより、琴引浜が網野累層の上に砂丘が形成されてできた浜辺であることがわかります。

写真:乾口 達司

網野累層の岩盤は硬く、干潮時には各所に潮だまりができます。潮だまりは磯遊びの格好のスポット。皆さん、足をつけたりして楽しんでいます。

写真:乾口 達司

もちろん、潮だまりに取り残された生き物もご覧いただけます。こちらはアメフラシの一種。ほかにも魚やカニ、ウニ、イソギンチャクなども見られるため、潮だまりも覗いてみましょう。

環境保全のために!白砂持ち帰り禁止の看板

写真:乾口 達司

なお、琴引浜では、「鳴き砂」を守るため、白砂の持ち帰りを禁止しています。興味本位で持ち帰ったりしないようにしましょう。
砂の持ち帰り禁止のほか、琴引浜では地域の方々が定期的に浜辺のゴミ拾いをおこなったりして、琴引浜の自然環境を守る活動を続けています。こういった取り組みによって「鳴き砂」が現在も守り続けられていることを念頭に置いて、琴引浜を訪れましょう。
琴引浜の「鳴き砂」がいかに魅力的であるか、おわかりいただけたでしょうか。実際に琴引浜を訪れ、「鳴き砂」の仕組みを知ることで、自然環境の保全がいかに大切であるかということにも思いを馳せてみてください。

琴引浜の基本情報

住所:京都府京丹後市網野町掛津地区および遊地区
アクセス:京都丹後鉄道「網野駅」より車で約15分
2021年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
デジタルミュージアムK17琴引浜と鳴き砂-京丹後市(外部リンク)
https://www.city.kyotango.lg.jp/top/soshiki/kyoikuiinkai/bunkazaihogo/3/1/2/3308.html

【トラベルjp・ナビゲーター】
乾口 達司

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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