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吸血鬼ドラキュラの舞台!イギリス・ウィットビー廃墟をめぐる

2021.08.22

イングランド北部ヨークシャー州にある港町ウィットビーに、カソリックの僧院が出来たのは7世紀。のちにヘンリー8世の修道院解散令により閉鎖され廃墟と化したものの今もゴシックな美しさを誇り、19世紀末の怪奇小説「ドラキュラ」誕生に大きな貢献をしました。その昔は黒玉(こくぎょく)の名産地、そしてニシンやクジラ漁でも栄えた町。また英国人で初めて世界一周をしたキャプテン・クックが出航した港としても有名です!

小説「ドラキュラ」作者をインスパイアした、中世の寺院跡!

写真:小野 雅子

ブラム・ストーカーの小説「ドラキュラ」が刊行されたのは1897年。当時は劇団のマネージャーとして欧米各地を巡業しながら執筆活動をしていた彼は、やがて中欧・東欧の吸血鬼伝説に興味を抱くようになります。
そして劇団での仕事の合間に、休暇のため北海をのぞむ港町ウィットビーに1週間ほど滞在。散策の途中、丘の上にそびえ立つ寺院跡に出会います。その独特な雰囲気を醸し出す廃墟にさらなるインスピレーションを得て、後世に残るゴシック・ホラー小説を書き上げました。

写真:小野 雅子

ウィットビーで実際に小説の舞台として使われたのは海岸と、丘の上に現存する聖メアリー教会の墓地から廃墟です。その部分を簡略に抽出すると・・・。
東欧カルパティア山脈の居城から、新たな獲物を求めてイギリスにやってきたドラキュラ伯爵。大きな犬のような姿に化けてウィットビー海岸に上陸し、丘の頂上めがけて199段の階段を一気に駆け上ります。そして教会墓地から姿を現す廃墟を背景に、ドラキュラ伯爵のイギリスでの暗躍が始まったのです!

写真:小野 雅子

崩れかけた僧院廃墟の向こうに広がるのは、寒々しい北海。まさしくゴシック・ホラーな物語にぴったりな光景でしょう?!

ウィットビー寺院跡へのアクセスと入場方法、敷地内の様子

写真:小野 雅子

ロンドンからウィットビーに行く場合、まずはキングスクロス駅から特急列車に約2時間乗ってヨーク駅へ。
そこからローカル線の電車に乗ってスカボロー経由で行く方法もありますが、乗継ぎがなく間違いないのはヨーク駅から840番のバスに2時間ほど乗る方法。やや時間がかかるものの、北ヨークシャーの美しい景色を眺めながらのバス旅は格別です。
ウィットビー駅を降りたったら、対岸に見えてくる丘を目指しましょう。徒歩ならば30分、駅前から97番のバスに乗れば6分〜7分で到着!

写真:小野 雅子

入口正面に見えてくる建物は、このウィットビー寺院跡を運営する史跡保護団体イングリッシュヘリテージがショップとミュージアムを兼ねたオフィス。
寺院跡地に入るには、外門に向かって左手にあるチケット売り場からの入場が必要です。なお入場料にはオーディオガイド(英語のみ)も含まれています。

写真:小野 雅子

創設された7世紀には聖人ヒルダも本拠地としていた、由緒あるウィットビー寺院。今も残る建物は13世紀のものですがヘンリー8世による修道院解散令後は長らく放置され、また第一次世界大戦ではドイツ軍艦からの砲撃を受け西正面の多くが失われました。
8世紀にわたり築き上げられ長いあいだ信仰の中心だった寺院は、その崩壊の過程にもイギリス史の様々な片鱗を残しているのです。

廃墟の後はビジターセンターとショップ、カフェに行こう!

写真:小野 雅子

寺院跡とその周辺を見学・散策した後は、出口に向かうとビジターセンターを兼ねた博物館を通過するようになっています。
そこにはウィットビー寺院に関するものだけでなく、郷土史の概略とともにここから出土した遺物などを展示。古くは青銅器時代の生活道具から、7世紀〜9世紀にアングロサクソンの女性たちが使った機織り機まであり、小規模ながら興味深い内容です。

写真:小野 雅子

出口の手前にはショップ。ウィットビー寺院の関連グッズはドラキュラものがダントツの品揃えで衣類、文具、書籍、生活雑貨、玩具などバラエティ豊か。せっかく吸血鬼伯爵ゆかりの地を訪ねて来たからには、やはり記念に何かひとつ欲しいですね!
また運営者である史跡保護団体イングリッシュヘリテージのロゴ入り商品や、地元ウィットビーで醸造されたジン、ヨークシャー産のビスケットに蜂蜜・ジャムなども並びます。

写真:小野 雅子

正面ゲート横に併設されたカフェはセルフサービス。小さな店内にテーブルはなく、店の前に屋外テーブルが10卓前後あります。もしそこも満席ならば、敷地内の広い芝生やベンチで飲食可能。
飲み物だけでもいいしケーキやアイスも売っていますが、お勧めは「クリームティー」。スコーン1個、クロテッドクリーム、苺ジャム、紅茶やコーヒーなどドリンクのセットで4.95ポンド。小腹が空いたときの軽食にぴったりです!
<ウィットビー寺院跡の基本情報>
住所:Whitby Abbey, Abbey Lane, Whitby YO22 4JT
電話番号:+44-370-333-1181

歴史を語る港町 キャプテンクックの関連アトラクションも!

写真:小野 雅子

ウィットビー寺院や隣接する聖メアリー教会があるのは、小高い丘の上。教会の敷地からは、かつてヴァイキング達が渡って来た北海を見渡すことが出来ます。
ところで架空の人物ドラキュラ以外にも、ウィットビーを有名にした人がいます。それはキャプテン・クックの愛称で慕われるジェームズ・クック。1728年に北ヨークシャーの小村マートンでつましい農場労働者の息子として生まれた彼は、16歳で丁稚として働き始め、やがて18歳になるとウィットビーで交易船の見習い船員に。
この分野でめきめき才覚を発揮して、英国海軍将校にまで上り詰めた立身出世のひとクック。のちに世界一周の航海をするに際しウィットビーで造られた船に乗り、この港から出航したのも、そんな背景があるからですね。

写真:小野 雅子

前述した小説「ドラキュラ」の中で、大きな犬のような姿に化けたドラキュラ伯爵がウィットビー海岸から上陸したあと一気に駆け上った、199段の階段も実在しています。
199ステップスと呼ばれるその階段は、今ではコンクリートで舗装され両側に丈夫な手すりも設置された安全な造り。寺院跡の廃墟を訪ねるとき路線バスを使わず徒歩で行く場合には、必ず昇降する階段です。
ウィットビーの街並みや海を見晴らしつつ、足元に十分ご注意しながらどうぞ!

写真:小野 雅子

埠頭やビーチに続くプロムナードは、先ほどまでいた丘の上とは打って変わった賑やかさ。いかにもイギリスの海辺にある観光地らしくパブ、フィッシュ&チップスやアイスクリームを売る店、ゲームセンターが連なります。
また地元のヒーロー、キャプテン・クックの銅像と彼に関する博物館や娯楽施設も。彼は出世する前に海賊行為のような事もしていたと言われ、海賊テーマのアトラクションも多いのはご愛敬でしょうか?!

名産品はヴィクトリア女王が愛用したジュエリー「ジェット」

写真:小野 雅子

ウィットビーの街でもう1つ特徴的なのは、「Jetworks」や「Jet Manufacturer」と看板を掲げたジュエリーショップを街のあちこちで見かけること。
ジェットの和名は黒玉(こくぎょく)。特殊な木の化石で、イギリスでは昔からお悔やみ用ジュエリーとして使われてきました。ウィットビーはその名産地として知られ、当地のジュラ紀地層から採掘した記録は紀元前1400年まで遡れます。

写真:小野 雅子

近代でジェットの着用を流行らせたのはヴィクトリア女王。夫アルバート公の亡きあと40年間も喪服を着ていたことは広く知られていますが、またジュエリーも漆黒のジェットを愛用。
そして自分と謁見する女性にもジェットを身につけるよう奨励したため、イギリス貴族女性の間で大流行したそうです。
現在ではとくに喪服とは関係なく、シックなおとなのジュエリーとして人気。デザインも色々あるので、ぜひウィンドウを覗いてみて下さい。
<エボール・ジェットワークスの基本情報>
住所:The Ebor Jetworks, 138 Church St, Whitby YO22 4DE
電話番号:+44-1947-603113

写真:小野 雅子

パブやカフェなど、お休憩処のチョイスも沢山。イギリスB級グルメの定番フィッシュ&チップスの人気店「パパス」や「マグパイ・カフェ」などは、ランチタイムには行列ができる盛況ぶりです。
海に面したテラスや砂浜で、潮風を感じながら食べるフィッシュ&チップスは最高。でも悪戯なカモメたちに食べ物をさらわれないよう、気をつけて下さいね!

吸血鬼ドラキュラゆかりの地 ウィットビーへ行ってみよう!

たとえブラム・ストーカーの原作小説「ドラキュラ」を読んでいなくても映画、ドラマ、漫画、はたまたハロウィンの仮装キャラクターにまでなっていて、知らない人はいない吸血鬼ドラキュラ伯爵。彼がここからイギリスに上陸したという設定のウィットビーは、ユニークで興味深い歴史をもつ港町です。ゴシックホラーな物語の舞台を、貴方もいつか訪ねてみませんか?!
2021年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
Whitby Abbey(外部リンク)
https://www.english-heritage.org.uk/visit/places/whitby-abbey/
英国「スカボロー」“あの名曲”に唄われた、海辺の街へ!
https://www.travel.co.jp/guide/article/44791/
英・中世の城塞都市ヨーク ローマ人やバイキングもいた街へ!
https://www.travel.co.jp/guide/article/44391/
小説「嵐が丘」の舞台!ブロンテ姉妹の町・イギリス「ハワース」
https://www.travel.co.jp/guide/article/43921/
英国ブロンテ姉妹ゆかりの「ヨークシャー」おすすめ観光スポット
https://www.travel.co.jp/guide/article/44045/

【トラベルjp・ナビゲーター】
小野 雅子

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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