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飛騨の奥座敷!乗鞍山麓・五色ヶ原の原生林とゴスワラの森を歩く

2021.09.28

標高3,000m級の山でありながら、初級者から気軽に楽しめる日本百名山の乗鞍岳。
その乗鞍山麓に広がる「五色ヶ原の森」は、平成16(2004)年に一般開放され、認定ガイド(森の案内人)同伴での入山が義務化された、日本で数少ない原始の森が息づく秘境です。
今回は五色ヶ原の森の中でも“飛騨の奥座敷”と称される原生林と苔むす森で森林浴を楽しめるゴスワラコースをご紹介します。

乗鞍山麓に広がる「五色ヶ原の森」とは

写真:(一社)飛騨・高山観光コンベンション協会

白馬岳や剱岳、立山、槍ヶ岳、奥穂高など登山家が愛してやまない日本百名山が勢揃いする北アルプス。その最南部にそびえるのが乗鞍岳です。
最高峰(剣ヶ峰)は標高3,026mでありながら、その約2,700m地点までバスやタクシーでアプローチでき、初級者でもチャレンジしやすい山として人気の高い山です。
そんな乗鞍岳の北西山麓に広がるのが、手つかずの自然が残された、飛騨高山の秘境「五色ヶ原の森」です。

写真:Mayumi Kawai

およそ20万年前、乗鞍火山による大規模な火山活動をきっかけに誕生した五色ヶ原の溶岩台地。その標高約1,300mから1,900m付近に形成された森林帯は約3,000ヘクタール、東京ドーム約600個分に相当します。
森の多くは、かつて林業などで伐採された後の二次林が中心ですが、その最奥部には、何百年、何千年の時を刻んで育まれた原始の森、ゴスワラの原生林が残されています。

写真:Mayumi Kawai

五色ヶ原の森は時代に先駆け、持続可能な自然共生社会を重視、高山市の条例に基づいて、「森の案内人」という認定ガイド付きでの入山を義務化。厳格な入山規制のもと、平成16(2004)年の開山当初以来、認定ガイド付きエコツアー(有料)が実施されています。
ツアーコースは全部で6つ。1日がかり(約9時間)の「カモシカコース」「シラビソコース」「ゴスワラコース」、約6時間の「シラビソショートコース」、半日程度(約4時間)の「久手御越(くてみこし)滝コース」「雌池布引滝コース」となっています。
今回は、中でも令和元(2018)年に新設されたばかりの、乗鞍の原生林と苔むす森が堪能できるゴスワラコースをご紹介します。

飛騨の奥座敷!五色ヶ原・ゴスワラコースの原生林とは

写真:Mayumi Kawai

今回ご紹介するゴスワラコースは、標高1,620m〜1,920mの亜高山帯に位置し、その最奥部に当たる標高1,900m付近に原生林が広がります。
原生林とは「人の手が一度も加えられていない、自然の力で生長していく森林」であり、太古の昔から引き継がれた天然林を意味します。こうした人間の影響をほぼ受けていない原生林は、日本では屋久島や白神山地、知床など数限られた地域のみ。五色ヶ原の原生林は「飛騨の奥座敷」として、森本来の姿が見られる貴重なスポットなのです。

写真:Mayumi Kawai

溶岩台地の上に育まれた五色ヶ原の森は、貧弱な土壌で地盤が浅く、植物にとっては根を張りにくい過酷な環境です。しかしながら、台風や大雪などでなぎ倒された木々を養分に、新たな世代が芽生え(倒木更新)、そして世代交代が繰り返されています。
ゴスワラコースの原生林では、そうした森の生命の循環を垣間見ることができます。

写真:Mayumi Kawai

またゴスワラコースだけに見られる特異な現象として、本来、標高1,600m以下の山地でしか生息しないクロベ(現地の呼称は「ネズコ」)の木が、それより標高の高い山地に生息するシラビソやオオシラビソなどとともに共存しているところ。
このゴスワラのミステリーは謎が解明されていませんが、自然の神秘に触れられます。

ゴスワラコースのさらなる見どころ

写真:Mayumi Kawai

ゴスワラコースのさらなる見どころはこの苔むす森、「ゴスワラの丘」です。
ちなみに「ゴスワラ」とは、地元丹生川町(にゅうかわちょう)の方言で、ゴロゴロとした溶岩塊で形成された溶岩台地を意味する言葉。
ゴスワラの溶岩塊を包み込むように根を張るコメツガやシラビソなどの木々、それらを覆う深い苔の絨毯。その神秘の光景は、ジブリの世界に象徴される“もののけの森”そのものですね。

写真:Mayumi Kawai

見上げるほどの巨大な溶岩塊の上に木々が根を張るダイナミックな光景もまたゴスワラコースならでは。
画像はコース前半にあるシラビソ林の広場、通称「森の音楽堂」前にそびえ立つ、高さ約11.8mもの巨大な溶岩塊、通称「仁王岩」。この迫力、ただならぬ生命力を感じますね。

写真:Mayumi Kawai

溶岩台地の下を流れる、乗鞍の伏流水がもたらす川や滝も見どころの一つ。
コースのクライマックスに存在する「耳洗(みみあらい)の滝」と「魚止(うおどめ)の滝」(画像)は、その優美なフォルム、荘厳なたたずまい、滝が放つマイナスイオンと涼感で息を呑みます。

ゴスワラコースの森林浴で気分もリフレッシュ

写真:Mayumi Kawai

森にただよう独特の香り。それは森の植物が発散するフィトンチッドの香りともいわれています。
フィトンチッドとは、植物(=フィトン)が自らの身を守るために発する「外敵を寄せ付けない殺菌成分」(=チッド)のこと。植物の生命力の源と考えられているフィトンチッドは、わたしたちにとっても、消臭や除菌・抗菌効果だけでなく、リラックス効果や抗酸化作用が期待されています。
ぜひ深呼吸して、森の匂いを感じてみてくださいね。

写真:Mayumi Kawai

ゴスワラコースは、五色ヶ原の森を流れる白川と黒川沿いに作られたコース。山を歩く傍らには常に川のせせらぎや大小の滝の音、地下を流れる伏流水の音を感じ、それらのマイナスイオンを浴びて、疲れも癒やされていくようです。

写真:Mayumi Kawai

見上げれば空はまばゆい緑に包まれ、実にすがすがしい気分。ぜひ、五色ヶ原の森林浴で心もからだもリフレッシュしてくださいね。

ゴスワラコース登山で注意すべきこと

写真:Mayumi Kawai

ゴスワラコースは、距離にして約6.4km、標高差は約300m。数字だけ見るとそれほど難易度は高くありませんが、新しいコースであるため整備が追いついていない箇所もあり、大雨などの影響で道が崩れたり荒れて歩きづらかったり、またコース終盤は急勾配の下り坂が続きます。
トレッキングシューズなど、きちんとした登山装備で参加しましょう。

写真:Mayumi Kawai

生物多様な生態系をもつ五色ヶ原の森。コースには美味しそうなきのこが生えていたり、美しい山野草や、川には天然のイワナが泳いでいますが、もちろん採取は厳禁。とって良いのは写真と想い出だけ。森の案内人の指示にしたがって、ルールを守って森を楽しみましょう。

写真:Mayumi Kawai

ゴスワラコースの場合、出発地点の岩魚見(いわなみ)小屋と中間地点の仙人小屋の2ヶ所のみにお手洗いが設置されています。気になる方は早めに済ませていきましょう。
余談ですが、この休憩所兼避難小屋に設置されたトイレは、バイオマス浄化システムを採用したウォシュレット付き最新式トイレ。乗鞍の深奥部にあるとは思えないほどの快適性で、これはちょっとありがたいですね。
五色ヶ原の森で気持ち良い汗を掻き、森林浴を楽しんだ後は、ぜひ車で10分程の奥飛騨にある平湯温泉郷などへ足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。源泉かけ流しの野趣あふれる露天風呂や無料足湯に浸かり、美味しいご当地グルメに舌鼓を打って、心もからだもリフレッシュしてみませんか?

乗鞍山麓 五色ヶ原の森の基本情報

住所:岐阜県高山市丹生川町久手471-3(乗鞍山麓 五色ヶ原の森案内センター)
電話番号:0577-79-2280
ツアー実施期間:5月20日〜10月31日 ※ゴスワラコースは他コースに比べ標高が高く雪解けが遅いため、6月上旬頃から受付開始
ガイド料:大人1人9,000円/高校生以下5,400円(保険料、消費税込)
アクセス:
・車の場合、中部縦貫自動車道高山ICより国道158号経由、約40分。長野自動車道松本ICより国道158号経由、約1時間15分。
・電車・バスの場合、JR高山駅・高山濃尾バスセンターより濃尾バス・平湯・新穂高線で「五色ヶ原入山口」下車、約44分。
・高速バスの場合、バスタ新宿から「古川・高山・平湯温泉〜新宿線」で「平湯温泉」下車、濃尾バスに乗換え「五色ヶ原入山口」下車で約5時間。
2021年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
日本最後の秘境!飛騨・乗鞍山麓五色ヶ原はもののけの森
https://www.travel.co.jp/guide/article/44845/
乗鞍山麓 五色ヶ原の森案内センター(外部リンク)
https://goshikinomori.com/
高山市公式観光サイト(外部リンク)
http://kankou.city.takayama.lg.jp/goshiki/

【トラベルjp・ナビゲーター】
Mayumi Kawai

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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