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アルコール消毒は実はNG!?感染拡大の原因にも…秋冬に流行する「ノロウイルス」の正しい対処法とは

2022-10-13

助産師・国際ラクテーションコンサルタントの榎本さんが秋冬に流行しやすいノロウイルスについて教えてくれました。ノロウイルスは感染してからの対処法が重要です。間違った対処法をしてしまうと、家庭内感染など感染が広がってしまうことも……。ぜひ確認しておきましょう!

秋や冬になると流行するものとして、ノロウイルスなどの胃腸炎があります。お子さんがかかったときに慌ててしまって、実はNG な対応をしている場合があるかもしれません。

そこで今回は、ノロウイルスにかかったときの対処法についてお話ししていきます。

ノロウイルスとは?

ノロウイルス感染症は、赤ちゃんだけではなく高齢者までの幅広い年齢層に急性胃腸炎を引き起こす、ウイルス性の感染症です。1度かかっても免疫がつきにくいので、何度もかかることがあります。

冬に多く発生して、11月ごろから流行がはじまり12〜2月にピークを迎えますが、年間を通して発生することもあります。 原因ウイルスであるノロウイルスは、人の腸管内のみで増えますが、乾燥や熱にも強く長期に生存ができ、感染力が非常に強く、少量のウイルス(10〜100個)でも感染・発症します。

どんな症状?

ノロウイルスは体内に入った後、主に「腹痛・下痢・吐き気・嘔吐」の症状を引き起こします。潜伏期間は12〜48時間です。

赤ちゃんの場合は食品からというより、家族から感染したり、支援センターなどの公共施設の物品に触れたり空気感染することが考えられます。

ノロウイルスは吐き気が突然、強烈に起きるのが特徴で、勢いよく吐くことが多いです。 発症後、通常であれば1〜2日程度で症状は治まります。

下痢は水様性で、重症例では1日に十数回も見られますが、通常は2〜3回で治まります。

その他の症状としては、発熱のほか、筋肉痛、頭痛などが見られますが、後遺症が残ることもなく、いずれも軽症です。

赤ちゃんの場合、吐き気や腹痛を言葉で表現できないため不機嫌になったり泣き続けることがあります。

嘔吐したときは、感染予防対策に気をつけて

赤ちゃんが勢いよく吐いて機嫌が悪い場合、他のウイルスの可能性もありますが、ノロウイルスの感染を疑って、念のため感染対策をするようにしましょう。下痢は嘔吐してから遅れて見られることが多く、対策が不十分だとお世話をするママや家族に家庭内感染してしまいます。早めに対応するようにしましょう。

ノロウイルスは、アルコール消毒剤や熱に強いのが特徴です。嘔吐物の処理をするときに感染予防としてアルコールで除菌される方もいると思います。しかしノロウイルスの場合、熱やアルコールに強いのが特徴のため、それだけではウイルスは除去できないので注意しましょう。

嘔吐物の処理を適切に行うことで、家庭内感染も防ぐことができます。嘔吐物の基本的な処理方法は下記の通りです。参考にしてみてください。

1. 処理は最小限の人数で、直接触らないように行う嘔吐するとウイルスを含んだ水滴が1〜2m程度の範囲に飛散するので、処理をする人以外は近づかないようにしましょう。そして処理をする人は、使い捨ての手袋やマスク、エプロンなどを着用し、ペーパータオルを使ってできる限り嘔吐物に直接触れないようにします。

使用したものは、袋にまとめて口をしっかり縛って破棄しましょう。処理後は、手袋をしていたとしても流水で石鹸を使ってしっかり手洗いをしましょう。

2. 嘔吐物をすばやく取り除くしっかり洗浄・消毒できずに取り残された嘔吐物は、乾燥すると空気中を漂ってしまいます。それを吸い込むことで感染が広がる恐れがあるため、嘔吐物周辺の壁や床などの広範囲をすばやく洗浄・消毒しましょう。

3. 感染している人と嘔吐物を処理した人の衣類を適切に洗う嘔吐物が飛び散った衣類は下洗いをした後、塩素系漂白剤を水で薄めた液で消毒し、十分にすすぎます。高温の乾燥機を使用するか、85℃以上のお湯に1分間以上浸すと殺菌効果が高まります。すぐに洗えないときは衣類をビニール袋に入れて密封し、周囲にウイルスが付着しないように気をつけましょう。

水分補給や食べ物はどうする?

嘔吐や下痢で水分が失われるので、水分補給が必要です。しかし、水分をとりすぎてしまうことで、余計に嘔吐を誘発してしまい悪化してしまうことがあります。

胃腸炎のときの水分は、赤ちゃんにとっては母乳が適しています。混合栄養の場合も、分泌量に関わらず母乳をメインにあげるようにしましょう。育児用ミルクやそれ以外の水分補給は、様子をみながら少量ずつこまめにあげるようにします。飲めなかったり、飲んでもそれ以上に吐いてしまう場合は、点滴治療が必要になる場合もあるので受診するようにしましょう。

ノロウイルスには、治療薬がなく対処療法となります。ウイルスを体外に出すことが大切なので、下痢止めなどは使えません。症状が落ち着くまで、お世話をするママにとってはつらいかと思います。

症状が安定してきて、本人が水分や食事を欲しがる場合でも、小さなお子さんは一気にとりすぎてしまうこともあるので、少量ずつからにするよう大人が調整してあげましょう。

まとめ

赤ちゃんはいろいろなものを触ったり、口に入れてしまいます。感染を予防するのは難しいかもしれません。周りの大人からの感染を予防するためにも、家族みんなで手洗いをしっかりしていきましょう。

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提供元:ベビーカレンダー

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