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大花火の打ち上げも!奈良に早春の訪れを告げる「若草山焼き」

2023-01-11

毎年1月第4土曜日に行われる「若草山焼き行事」は、春日大社、興福寺、東大寺の神仏が習合し、先人の鎮魂と慰霊および奈良全体の防火と世界の人々の平安を祈る神事です。点火直前には、冬には珍しい数百発の花火の打ち上げがありイベントを盛り上げます。冬の夜空を赤々と染め、古都に早春の訪れを告げる「若草山焼き」を訪れてみませんか?

幽霊の迷信から始まった若草山焼き

写真:モノホシ ダン

標高342mの若草山は、全面が芝生で覆われたなだらかな山です。丘が3つ重なっている様子から三笠山とも呼ばれます。頂上からは東大寺大仏殿や興福寺など奈良公園の見晴らしがよく、晴れた日には、遠く大和三山や生駒山などを望むこともできます。
<若草山の基本情報>
住所:奈良県奈良市雑司町469
電話番号:0742-22-0375(奈良公園事務所)
開山期間:3月第3土曜日〜12月第2日曜日の9:00〜17:00
入山料:大人150円(中学生以上)小学生80円

写真:モノホシ ダン

若草山焼きの起源は諸説ありますが、最も有力なのが頂上にある史跡「鶯塚古墳」に関するものです。それはこの古墳から幽霊が出没するため、毎年1月までに山を焼かなければ災いが起こるという迷信があり、信仰する人々による放火事件が多発していました。
1738年(元文3年)12月、奈良奉行所は近隣社寺への延焼を防ぐため、若草山に放火禁止の立て札を立てましたが放火は絶えることはありませんでした。
そこで江戸時代末期頃に、鶯塚古墳の霊魂を鎮めるため、若草山に隣接する興福寺、東大寺と奈良奉行所が立ち会って山を焼くようになったのです。

写真:モノホシ ダン

若草山焼き行事は、春日大社境内の飛火野の「春日の大とんど」から御神火をもらいうけることから始まります。春日の大とんどは、無病息災や招福を祈る御神事で、飛火野に設置された巨大な火炉で、正月に神社に納められた古いお札やお守り、しめ縄飾りなどをお焚き上げします。
<春日大とんどの基本情報>
会場:奈良県奈良市春日大社境内 飛火野「春日の大とんど会場」
日時:2024年1月27日(土)13:00〜19:00頃(受付は18:00まで)

春日の大とんど会場から聖火行列が出発

写真:モノホシ ダン

16時45分、春日の大とんど会場では厳粛な雰囲気のもとで「御神火奉戴祭(ごしんかほうたいさい)」が行われます。
17時5分、春日大社の御神火は、吉野山の金峯山寺の法螺衆に先導され、山焼きに関わりの深い3社寺と奈良奉行所の役人など総勢約40名の時代行列により、若草山麓にある野上神社まで運ばれます。

写真:モノホシ ダン

17時25分、聖火行列は途中の水谷橋付近で、春日大社の御神火を松明に点火します。

写真:モノホシ ダン

17時40分、御神火は山麓の春日大社末社の野上神社でかがり火に点火され、山焼き行事の無事を祈願する祭礼が行われます。夕闇迫る中で行われる神秘的な行事です。

若草山焼きのイチ押しの鑑賞スポット「若草山麓」

写真:モノホシ ダン

山焼き行事が行われる若草山は、当日、大勢の観光客で賑わいます。とくに出入口ゲート付近は大変混雑します。なお、混雑時には入退場の制限がありますので、若草山で鑑賞希望の方は、遅くとも17時頃までには入山するようにしましょう。

写真:モノホシ ダン

18時、法楽として興福寺、東大寺、金峯山寺の僧侶による読経の中、御神火は山麓中央に設けられた大かがり火に点火されます。近くで見ているとかなりの熱量を感じるでしょう。

写真:モノホシ ダン

18時15分、迫力のオープニング、大花火が打ち上げられます。点火直前の15分間に打ち上げられる豪快な花火は、約600発に及びます。

奈良県最大級の花火の打ち上げを楽しもう

写真:モノホシ ダン

大花火では、奈良県でも珍しい「尺玉」が打ち上げられます。「菊」や「牡丹」の大輪の打ち上げ花火は大迫力です。

写真:モノホシ ダン

大花火では、奈良のシンボル「鹿」をデザインしたものや、椰子の葉のように太い花弁が伸びる「椰子」などバラエティーに富んだ花火を見ることができます。

写真:モノホシ ダン

大花火のフィナーレは、速射連発の「スターマイン」です。大かがり火の向こうの空一面に広がる光の花は感動のひとこと。なお、若草山麓内は三脚の持ち込みが禁止されていますので、花火の撮影には手振れ防止のため、連写撮影されることをお勧めします。

冬の夜空を赤々と焦がす若草山焼き

写真:モノホシ ダン

18時30分、大花火の終了とともに一斉点火が始まります。奈良市消防団員約300名が、大かがり火から松明に火を移し、法螺貝とラッパの合図で、約33ha(東京ドーム7個分)の草地に次々に点火を始めます。

写真:モノホシ ダン

点火された火は、瞬く間に燃え広がり、冬の夜空を赤々と焦がします。全山の火が燃え尽きるまで約2時間、壮大な若草山焼きを心ゆくまで満喫することができます。

写真:モノホシ ダン

ほかに、若草山の特設ステージでは、和太鼓を中心に和楽器の奉納演奏があります。迫力満点の山焼きとともに祭りの余韻を楽しんでみてはいかがでしょうか。

ほかにもある若草山焼きのビュースポット

いかがでしたか。若草山焼きの鑑賞スポットでは、ご紹介した若草山麓がイチ押しですが、ほかにも有名なビュースポットがあります。
一つ目は、若草山を一望する奈良公園内の「浮雲園地」「春日野園地」です。ここからは、山焼きの全体像を見ることができます。また、若草山麓より空いているので人混みを避けてのんびりと鑑賞したいという方におすすめです。
二つ目は、国営平城宮跡歴史公園。ここからは、復元された朱雀門と山焼きのコラボが人気です。
三つ目は、西ノ京の大池(勝間田池)越しに眺める薬師寺の東塔と西塔の風景とのショットです。
以上、お気に入りのビュースポットから若草山焼きを楽しんでください。
2023年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
若草山焼き(外部リンク)
https://www3.pref.nara.jp/yamayaki/

【トラベルjp・ナビゲーター】
モノホシ ダン

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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