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スイセングラスが美しい!奈良「般若寺」の水仙は冬の風物詩

2023-01-18

奈良県奈良市にある般若寺は、飛鳥時代に高句麗の僧慧灌(えかん)によって創建されたと伝わる古刹です。とくに秋のコスモス寺として有名ですが、春のヤマブキ、夏のアジサイ、そして冬のスイセンなど四季折々の花が美しい、関西花の寺二十五番霊場の17番札所としても知られています。訪れる人も少なくのんびりとした空気に包まれた冬の般若寺で、可憐な水仙などをグラスに飾った「スイセングラス」を鑑賞してみませんか?

“花のお寺”般若寺とは

写真:モノホシ ダン

般若寺の名は、735年(天平7年)、聖武天皇が平城京の鬼門を守るため「大般若経」を基壇に納め、卒塔婆を建てられたのが寺名の起こりとされています。
般若寺はその後、源平合戦の平家のよる南都焼き討ち、戦国時代の松永久秀の兵火、江戸の復興、明治の廃仏毀釈と栄枯盛衰を経ながらも、真言律宗の法灯をかかげ現在にいたっています。
写真は、戦国時代に旧金堂が焼けたあと、江戸時代の1667年(寛文7年)に再建された本堂(県指定文化財)。中には御本尊の文殊菩薩騎獅像(重文)が安置されています。

写真:モノホシ ダン

鎌倉時代に建立された楼門(国宝)は、和洋に大仏様の意匠が取り入れられ、屋根のそりは美しく軽快です。楼門遺構としては、日本最古のものです。境内の中からだけでなく、道路側に出て外からも均整のとれた容姿を眺めてください。

写真:モノホシ ダン

般若寺のシンボルと言えるのが十三重石宝塔(重文)。高さ14.2mで、鎌倉時代のものです。般若寺といえば、この塔とコスモスの構図があまりにも有名です。

冬の般若寺の「スイセングラス」で癒されよう

写真:モノホシ ダン

冬の般若寺では、日本水仙と八重咲きのチャフルネスの2種類の水仙、約3万本が咲き乱れます。折れたり倒れたりしたロスフラワーの水仙を用いた「スイセングラス」は、1月から水仙の咲き具合の終わりまで、本堂前で鑑賞することができます。
日光を受けてキラキラと光り輝く様子は、とても芸術的で、誰もが感嘆の声を上げることでしょう。

写真:モノホシ ダン

スイセングラスに浮かぶ水仙は、日本水仙とチャフルネスです。日本水仙は、一般的に広く知られる水仙で、花弁は一重で白く芳香のある小さな盃状の花を咲かせます。
いっぽう、チャフルネスは花弁が八重になっていて、水仙の中でもとくに芳香が強く、周りに心地よい香りを漂わせます。

写真:モノホシ ダン

とくにおすすめの構図はやはり、般若寺のシンボル、十三重石宝塔とスイセングラスのコラボです。
ちなみに、十三重石宝塔の手前に見える石燈籠は鎌倉時代のもので、般若寺型あるいは文殊型と呼ばれる著名な石燈籠です。火袋部には鳳凰、獅子、牡丹唐草が浮き彫りされています。

スイセンの幻想的な撮影も楽しい

写真:モノホシ ダン

スイセングラスのほかに、水盤に浮かべられた水仙もあります。こちらでは、リフレクション撮影も楽しめます。

写真:モノホシ ダン

水盤には、カラフルなビー玉の演出もあり、青い海に映えるような日本水仙とチャフルネスは、まるで絵画のような美しさです。

写真:モノホシ ダン

般若寺にはたくさんの石仏があります。優しい表情を浮かべた石仏と水仙のコラボは、日本的な和の美しさが感じられます。

境内のその他のみどころは

写真:モノホシ ダン

ほかに境内のみどころとしては、パワーストーンのカンマン石と呼ばれる巨石があります。カンマンとは、不動明王を象徴する梵字です。この石の突起部に、お腹や背中を押しあてると健康増進の効果が期待できるとされています。

写真:モノホシ ダン

本堂を囲む石仏は、西国三十三所観音石仏といい、西国三十三所 巡礼の御本尊を石仏にしたものです。江戸時代の1703年(元禄16年)、山城国相楽郡北稲八間村(現在の京都府精華町)に住んでいた寺島氏が病気平癒のお礼に奉納しました。
四季の花では、水仙のほかにコスモスとの組み合わせも人気のスポットです。

写真:モノホシ ダン

笠塔婆(重文)は、鎌倉時代のもので宋人石工の伊行吉(いのゆきよし)が、1261年(弘長元年)に、父母の供養のため建立しました。元々、寺の南方の般若野(はんにゃの)と呼ぶ墓地の入口にありましたが、廃仏毀釈で破壊され、1893年(明治26年)、境内に移転されました。
刻まれた梵字漢字は、鎌倉時代の雄渾な「薬研(やげん)彫り」の代表例とされます。笠塔婆形式の石塔では、日本最古の作例です。
ほかに近辺のみどころとしては、樟の巨樹で知られる奈良豆比古神社や、天平時代の東大寺の伽藍建築を想像できる唯一の遺構、東大寺転害門などがあります。いずれも徒歩圏内ですので、あわせて訪れてみてはいかがでしょうか。

般若寺の基本情報

住所:奈良県奈良市般若寺町221
電話番号:0742-22-6287
通常期拝観料:大人500円 中・高生200円 小学生100円
花期(アジサイ、コスモス)特別拝観料(6月1日〜6月30日、10月1日〜11月10日):大人700円 中・高生300円 小学生200円
拝観時間:9:00〜17:00(最終受付16:30)
短縮拝観時間(1月・2月・7月・8月・12月):9:00〜16:00
アクセス:JR・近鉄「奈良駅」から青山住宅行きバス「般若寺」バス停下車、徒歩約3分
車利用の場合は、般若寺有料駐車場(1時間500円)利用
2023年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
般若寺(外部リンク)
http://www.hannyaji.com/

【トラベルjp・ナビゲーター】
モノホシ ダン

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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