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古代のウソ発見器も!奈良・明日香村ミステリーストーンめぐり

2023-02-02

いつ、誰が、何のために造ったのか。奈良県高市郡明日香村には、猿石、亀石、鬼の雪隠、酒船石など、謎の石造物がたくさんあります。不思議なミステリーストーンを訪ね歩くのも、明日香村観光の見どころの一つです。訪れる人のイマジネーションがふくらむ明日香に点在する石造物めぐりを楽しんでみませんか?

明日香を代表する謎の石造物の一つ「亀石」

写真:モノホシ ダン

明日香村に点在する不思議な形の石造物のなかで、一番の人気者と言えるのが「亀石」です。長さ約3.6m、重さ約40tの巨大な花崗岩の自然石に、動物の亀に似たような顔が彫られています。
誰が何の目的で造ったのかは不明ですが、この亀石が西を向けば奈良盆地が大洪水になるといわれています。
<亀石の基本情報>
住所:奈良県高市郡明日香村川原
アクセス:近鉄飛鳥駅から徒歩約20分

写真:モノホシ ダン

一見ゆるキャラのような「猿石」は、欽明天皇陵近くの吉備姫王墓域内にひっそりとたたずむ4体の石像です。
近くの田んぼから掘り出されてここに移されたもので、4体の猿は、左側から順に女、山王権現、僧(法師)、男と名付けられ並んでいます。

写真:モノホシ ダン

猿石は、じつは猿ではなく渡来人がモデルであるともいわれています。いずれの像も微かに微笑んでいて、通天閣のシンボル「ビリケンさん」を思い出す方もいるかも知れません。
ほかに僧(法師)以外の3体は、二面石となっていて、背面にも像が彫られています。墓域内は、柵によって立入禁止なので興味のある方は「飛鳥資料館」の前庭にあるレプリカで、背中側の様子を観察してください。
<猿石の基本情報>
住所:奈良県高市郡明日香村平田
アクセス:近鉄飛鳥駅から徒歩約7分

古墳の石室だった「鬼の俎・鬼の雪隠」

写真:モノホシ ダン

猿石から亀石へ続く道の脇にあるのが「鬼の俎・鬼の雪隠」です。写真は、鬼の雪隠(せっちん)。遊歩道を挟んだ反対側の鬼の俎(まないた)とセットになっていて、鬼が近くを通る旅人を俎の上で料理し、雪隠(トイレ)で用を足したという伝説の巨石です。
実際は、7世紀後半に作られた古墳の石室だったものが、上部だけ何かの理由で滑り落ちてきて、今の位置にとどまったものです。

写真:モノホシ ダン

鬼の雪隠から、石段を少しだけ上がったところにあるのが鬼の俎。石室の底石の部分にあたり、鬼の雪隠とは天井石と床石の関係でした。俎の中央部には、何かをはめ込んだ跡である「ほぞ穴」も見られ、意外と複雑な形をしていることが分かります。
鬼の俎のある丘からは、鬼の雪隠や「天武・持統天皇陵」を見渡すことができます。鬼伝説などを微塵も感じさせないのどかな風景を楽しんでください。
<鬼の俎・鬼の雪隠の基本情報>
住所:奈良県高市郡明日香村野口
アクセス:近鉄飛鳥駅から徒歩約10分

不思議な幾何学的な模様が刻まれた「酒船石」

写真:モノホシ ダン

幾何学的な模様が彫られている「酒船石(さかふねいし)」は、長さ約5.5m、幅約2.3m、厚さ約1mの花崗岩の石造物です。
丘の上の竹やぶの中に横たわる巨石で、かつて酒の醸造に使用されたという言い伝えから酒船石と言われていますが、ほかにも諸説紛紛あり謎に包まれたミステリーストーンとして知られています。

写真:モノホシ ダン

酒船石の丘の下には、2000年(平成12年)に発掘された「亀形石造物」と「小判型石造物」があります。こちらは有料施設です。比較的新しいミステリーストーンで、飛鳥時代の斉明天皇の両槻宮(ふたつきのみや)ではないかと考えられています。
遺跡には水の出口があって、小判型石造物から亀形石造物へと流れる仕組みになっています。水流を楽しむような構造でもないため、天皇祭祀の場所だったと推定されています。
<酒船石遺跡の基本情報>
住所:奈良県高市郡明日香村岡
見学時間:8:30〜17:00(12月1日〜2月末は9:00〜16:00)
見学料:300円(酒船石は無料)
アクセス:近鉄飛鳥駅から明日香周遊バス「万葉文化館西口」バス停下車すぐ
車利用の場合は、万葉文化館駐車場(無料)利用

写真:モノホシ ダン

なお明日香村では、2022年(令和4年)から明日香村内の史跡4か所(石舞台古墳・高松塚古墳・キトラ古墳・酒船石遺跡)がモチーフになったオリジナル御朱印「飛鳥乃余韻(あすかのよいん)」を販売中です(300円)。
妖怪書家・逢香(おうか)さんの書が、美しい印章とともにデザインされ、旅の余韻を感じられるお土産になっています。
飛鳥乃余韻「酒船石遺跡」は、受付となる「亀形石造物料金所」で販売しています。酒船石遺跡の御朱印は、上に「亀形石造物」が、下に「酒船石」をデザインした印章が配置されています。

古代の“ウソ発見器”甘樫坐神社の「盟神探湯」神事

写真:モノホシ ダン

日本史上最初の女帝とされる推古天皇を主祭神とする「甘樫坐神社(あまかしにいますじんじゃ)」は、その名の通り、甘樫丘の麓にある神社です。

写真:モノホシ ダン

この甘樫坐神社に伝わる神事が、古代の神明裁判の一つ「盟神探湯(くがたち)」です。盟神探湯は、拝殿の右側に鎮座する「立石」の前で行われます。
具体的には、煮え湯の入った釜に手を入れ「正しき者には火傷なし、偽りし者には火傷あり」という、極めて乱暴な裁判の方法です。
『日本書紀』によると、允恭天皇の御代に、氏姓を偽称する者が多かったので、現代風にいう“ウソ発見器”の盟神探湯を行うことでこれを正したと記されています。現在では、毎年4月の第一日曜日に熊笹を代用し、葉の色の変化で裁定を下す神事が行われています。
<甘樫坐神社の基本情報>
住所:奈良県高市郡明日香村豊浦626
アクセス:近鉄橿原神宮前駅東口から、飛鳥周遊バス(赤かめ)「飛鳥」バス停下車、徒歩約10分
車利用の場合は、明日香村埋蔵文化財展示室、無料駐車場利用

写真:モノホシ ダン

聖徳太子の生誕地といわれ、のちに太子が自らの生誕地に建立したと伝わる橘寺にも、明日香村の寺院らしく、様々な石造物が残されています。
写真の「二面石」は、飛鳥時代の石造物で、「善人の相」と「悪人の相」があり、人の心の2面性が表裏一体に刻まれています。
<橘寺の基本情報>
住所:奈良県高市郡明日香村橘532
電話番号:0744-54-2026
拝観時間:9:00〜17:00(受付は16:30まで)
拝観料:大人400円、高校生・中学生300円、小学生200円
アクセス:近鉄飛鳥駅から明日香周遊バス「川原」または「岡橋本」バス停下車、徒歩約3分
車利用の場合は、堂の前有料駐車場利用

阪田の棚田を一望!“神の宿る石”「くつな石」

写真:モノホシ ダン

自然石で“神の宿る石”として知られるのが「くつな石」です。場所は、美しい棚田が広がる明日香村阪田の丘陵地です。
巨石の前には、小さな木製の鳥居と石燈籠が立っています。伝説によると、昔この巨石に目を付けた石屋が石をノミで打ったところ、石から血が噴き出し、傷ついた蛇も現れた。
驚いて逃げ帰った石屋は、高熱と腹痛に襲われそのまま亡くなりました。村人たちはこれを祟りと恐れ、この石を神の宿る石として敬いました。これがくつな石の由来です。

写真:モノホシ ダン

ご神体に近づいて見ると、ノミなどで掻いたような跡があり、おどろおどろしい雰囲気が感じられます。古くは、ここで雨乞いの祈祷がおこなわれ、霊験あらたかでした。

写真:モノホシ ダン

くつな石を拝んだら、入口の有害獣よけのフェンス前の反対側の道を進んでみましょう。阪田の棚田の向こうに、畝傍山、二上山を見晴らせる絶景スポットがあります。日本の原風景といわれる明日香村の景観を満喫してください。
<くつな石の基本情報>
住所:奈良県高市郡明日香村阪田
アクセス:近鉄飛鳥駅から明日香周遊バス「石舞台」バス停下車、徒歩約30分
車利用の場合は、石舞台古墳有料駐車場利用

明日香村でミステリーストーンめぐりを楽しもう

いかがでしたか。本文ではご紹介できませんでしたが、明日香村ではほかにも飛鳥坐神社の「むすびの神石」、飛鳥資料館の「石人像」や「須弥山石」、祝戸の「マラ石」、岡の「弥勒石」などの謎の石造物があります。この機会に、あわせて訪れてみてはいかがでしょうか。
2023年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
飛鳥観光協会(外部リンク)
https://www.asukakyo.jp/
旅する明日香ネット(外部リンク)
https://asukamura.com/
奈良県・春の明日香村で桜のお花見スポットめぐりを楽しもう!
https://www.travel.co.jp/guide/article/42705/

【トラベルjp・ナビゲーター】
モノホシ ダン

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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