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発見が遅れると重症化やクセになるから要注意!冬になりやすい「中耳炎」のサインと対処法とは?

2023-02-16

助産師・国際ラクテーションコンサルタントの榎本さんが、乳幼児が発症しやすい耳の病気や、耳掃除について教えてくれました。まだ言葉でうまく伝えられない乳幼児にとって耳の異変を伝えるのは難しく、気づいた時には重症化していた…なんてことも!ぜひ、参考にしてくださいね。

耳掃除イメージ

乳幼児に起こりやすい耳の病気といえば、中耳炎。しかし、痛みや苦痛を訴えることが難しい乳幼児の場合、親が症状に気づきにくく、知らないうちに悪化してしまうことがあります。

そこで今回は、乳幼児に起こりやすい中耳炎や耳垢のケアについてのお話です。

乳幼児がかかりやすい耳の病気とは?

乳幼児がかかりやすい耳の病気は中耳炎です。

中耳炎は、鼓膜(こまく)の奥にある「中耳」が炎症を起こす病気です。日本では、0〜3歳までに約7割が発症するといわれ、免疫機能が未熟の時期であるために起こりやすくなります。

適切な時期に治療を行わないと、重症化したり、再発を繰り返して鼓膜を切る手術をすることもあります。

中耳炎の種類

乳幼児がかかりやすい中耳炎には実はいくつか種類があり、それぞれ症状が異なります。特に乳幼児がかかりやすい中耳炎の症状については下記をご確認ください。

「急性中耳炎」急性中耳炎は、耳に激しい痛みや、発熱、耳だれなどの症状があります。乳幼児は、言葉で症状を上手に説明できないので、原因の分からない発熱や、耳を触る、ひっぱる、眠れないなどの様子があったら、中耳炎を疑いましょう。耳だれが出ると痛みや発熱が良くなることがありますが、その後は必ず受診するようにしましょう。

「滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)」滲出性中耳炎は、中耳に滲出液(水のようなもの)がたまる病気で難聴などの症状がありますが、痛みや発熱はありません。幼児の場合は、聞き返しや返事をしないことでわかることがあり、「急性中耳炎」が長引いて移行する場合も多いようです。

その他上記以外にも、急性中耳炎を1年に5回以上繰り返す「反復性中耳炎」、鼓膜に穴が空いたままになってしまう「慢性中耳炎」などがあります。

異変を感じたら、迷わず耳鼻科を受診するようにしましょう。

早期発見のために!注意しておきたいサインとは?

乳幼児の場合、自分で耳の異変をママやパパに伝えるのは困難ですよね。子どもが風邪をひいたり、鼻水や咳を出している時には、下記のような症状が出ていたら中耳炎にかかっている可能性もあるので注意しておきましょう。

症状が見られる場合には、早めに受診することをおすすめします。

・耳を痛がっていないか?

・片側の耳をよく触っていないか?

・耳から悪臭がしていないか?

・耳だれが出ていない?

耳だけじゃない!中耳炎予防は鼻のケアも大事

中耳炎の原因のほとんどは、鼻水です。鼻水の中には、細菌やウィルスがいっぱいです。これが耳の中に入ってしまうことにより中耳炎になることがあります。

鼻と耳は「耳管」という管でつながっていますが、子どもの耳管は大人の耳管に比べ、短くて水平になっているので、鼻水が入りやすくなります。

また、風邪をひいて鼻水が出るようになり、中耳炎になってしまうケースもとても多くなります。赤ちゃんだけではなく、子どもは上手に鼻がかめないので鼻水がたまりやすく、中耳炎を起こしやすくなります。

対処法としては、原因となる鼻水をこまめに出せるように吸引することが大切です。

乳幼児の耳掃除の注意点

赤ちゃんの耳掃除は、基本的には必要がないと言われています。耳垢は、耳の中の古くなった皮膚や分泌物の塊です。これは、鼓膜までの耳の通り道を保護する役割もあります。口を動かしたり、姿勢や体の動きによって、動いて自然と出てくることがあります。

しかし、耳の穴が耳垢でふさがって耳の聞こえが悪くなっているような場合は耳鼻科で耳垢をとってもらうようにしましょう。

家でできる耳のケアとしては、耳介(穴ではなく外側)の溝や裏などは、汗などで汚れている場合があるので、ガーゼや綿棒などでやさしく取り除く程度にしておきましょう。

また、耳垢が溜まりすぎることが原因で中耳炎になることはないといわれています。実際には、頻回の耳掃除により鼓膜の外側の外耳という部分が傷ついて起こる外耳炎になる方が多いので注意しましょう。

まとめ

乳幼児の中耳炎は、早期発見して適切な時期に治療を受けないと、繰り返したり、悪化したり、治るまで時間を要することがあります。

症状が良くなっても、医師の指示に従って、抗菌薬などの薬の服用や通院を途中でやめないことも大切です。

引用参考文献:小児急性中耳炎診療ガイドライン 2018年版

日本耳鼻科学会 他

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提供元:ベビーカレンダー

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