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藤の雲海やサツキの絨毯も!大阪・熊野街道「信達宿」を歩く

2023-04-12

大阪府泉南市にある熊野街道・信達宿(しんだちじゅく)は、中世には皇族や貴族の熊野三山への巡礼の止宿として、江戸時代には参勤交代の宿場町として発展してきました。その信達宿で、代表的な春の風物詩として知られるのが「信達宿の野田藤」と「林昌寺のツツジやサツキ」です。信達宿の散策とともに、美しい春の花々を楽しんでみませんか?

熊野街道・信達宿の春を彩る「信達宿の野田藤」とは

写真:モノホシ ダン

熊野街道・信達宿の春を彩る「信達宿の野田藤」は、梶本家十代目当主の梶本昌弘さん(故人)が、丹精込めて育てた一本の野田藤です。毎年4月20日頃に開催される「藤棚一般公開」および「ふじまつり」では多くの見物客で賑わいます。写真は、熊野街道に面した梶本家の藤波です。

写真:モノホシ ダン

梶本家は屋号を「油新(ゆしん)」といい、宿場町で油類を商いながらの旅籠でした。そして現在、梶本家の庭では春になると野田藤が四方に枝を張り、藤棚からは美しく垂れる薄紫の花のカーテンが観る人の目を楽しませます。

写真:モノホシ ダン

花房4万を超す花房をつけるのは、たった一本の野田藤です。樹齢は43年で、幅30m、奥行き27mの藤棚に所狭しと咲いています。藤の幹には、神域を示す紙垂が付けられた注連縄が巻かれていますが、誰でも抱擁して御神木からの元気をもらうことができます。
また、野田藤の周りには「平成の花咲かじいさん!」と呼ばれた梶本さんが詠んだ歌が木札に書かれています。その中でも最も有名な歌が「この藤を訪ねる人にやすらぎを 去りゆく人に幸せを」です。

ふじまつり最大の見どころ「観賞台」からの絶景

写真:モノホシ ダン

ふじまつり最大の見どころが「観賞台」からの光景です。藤棚のトンネルを抜けたところに足場の組まれた観賞台が設けられていて、ここからの風景は、パープル一色のまさに“藤雲海”。
ただし観賞台は10名定員のため、混雑時には待ち時間が発生することがあります。空いているタイミングを見計らって、藤雲海の絶景をお楽しみください。

写真:モノホシ ダン

ふじまつり期間中は、梶本家の中庭にも入ることができます。中庭にはベンチも置かれていますので、ゆっくりと腰を下ろして咲き誇る藤の花を愛でることができます。

写真:モノホシ ダン

なお会場内では、“藤”をイメージした手作りのアクセサリーや地元野菜、切り花なども販売されています。「ふじまつり」で、薄紫色の花房の優雅な空間にゆったりと浸って、癒されパワーを貰ってください。
<ふじまつりの基本情報>
住所:大阪府泉南市信達牧野1338(梶本邸)
電話番号:090-4281-8741(3月1日〜4月30日のみ通話可)
開催期間:2024年4月14日(土)〜4月21日(日)
見学時間:10:00〜19:00(中庭は17:00で閉鎖)
見学料:無料(藤の保存協力金100円)
アクセス:JR阪和線「和泉砂川駅」から徒歩約8分
車利用の場合は、長慶寺駐車場から徒歩約10分

重森三玲作の「法林の庭」に咲き誇るツツジやサツキ

写真:モノホシ ダン

熊野街道・信達宿のもう一つの春の花の名所が「林昌寺(りんしょうじ)」です。聖武天皇の勅願寺として行基が開いたと伝わる真言宗の古刹で、ツツジやサツキが見事なことから山号を躑躅山(つつじざん)といいます。

写真:モノホシ ダン

林昌寺では、作庭家・重森三玲作の「法林の庭」が有名です。中央には本尊石を置き、全体で極楽浄土を具現しています。また石組の間には山号にちなんでツツジやサツキが配されています。
ツツジは、毎年4月下旬から、庭の上部と向かって左側の刈り込みに咲き乱れ、5月中旬から下旬にかけては、中央の波のような大刈り込みのサツキが見頃を迎えます。

写真:モノホシ ダン

林昌寺の御朱印には別名の“岡大師”の文字が。これは林昌寺が、泉州地方の弘法大師信仰の中心とされているためです。
ほかに信達宿では、長慶寺と並んでアジサイの名所でもあります。梅雨の時期に再訪してみてはいかがでしょうか。
<林昌寺の基本情報>
住所 大阪府泉南市信達岡中395
電話番号:072-483-2705
アクセス:JR阪和線「和泉砂川駅」から徒歩約8分
車利用の場合は、専用駐車場利用

ふじまつりで特別公開される「信達宿本陣跡」と「真如寺」

写真:モノホシ ダン

信達宿では、信達宿本陣跡「角谷家」があり、ふじまつりの当日の2日間、特別公開されています。江戸時代中期以降、参勤交代の際に江戸に向かう紀州徳川家一行が宿所として利用しました。
今も当時のままの長屋門や、紀州徳川家にまつわる、貴重な史料などを見ることができます。
<信達宿本陣跡「角谷家」の基本情報>
住所:大阪府泉南市信達市場2072
特別公開日:2024年4月14日(日)、20(土)、21日(日)
見学時間:10:00〜17:00
アクセス:JR阪和線「和泉砂川駅」から徒歩約13分

写真:モノホシ ダン

信達宿本陣跡と同じく、紀州徳川家ゆかりの寺が「真如寺」です。江戸時代、紀州藩の参勤交代の一行が隠れ本陣として利用しました。門脇のカイズカイブキの老木は、松平主税(のちの徳川吉宗)の植樹と言われています。
ふじまつりの前には、葵の御紋の入った紀州徳川家関連寺宝、総本山知恩院寺宝などが公開されます。
<真如寺の基本情報>
住所:大阪府泉南市信達市場2154
寺宝展:2024年4月13日(土)、14日(日)、20日(土)、21日(日)
見学時間:10:00〜17:00
アクセス:JR阪和線「和泉砂川駅」から徒歩約13分

写真:モノホシ ダン

信達宿で、七堂伽藍が整備された立派な寺院が「長慶寺」です。豊臣秀頼により慶長年間に再建され、年号を逆にして長慶寺としました。泉州随一のアジサイの名所としても知られています。
<長慶寺の基本情報>
住所:大阪府泉南市信達市場815
電話番号:072-483-2692
アクセス:JR阪和線「和泉砂川駅」から徒歩約25分
車利用の場合は、専用駐車場利用

熊野街道「信達宿」で春の花と歴史スポットを巡ろう

いかがでしたか。本文ではご紹介できませんでしたが、熊野街道「信達宿」ではほかにもたくさんの見どころがあります。
「市場稲荷神社」は、信達市場区の氏神様。御祭神の豊受姫(とようけひめ)大神は、農業をはじめとし、各産業の発展を司る神様です。
「史跡海会寺跡(しせきかいえじあと)」は、熊野街道のすぐそばにあった寺院で、7世紀半ばの創建で、奈良の法隆寺に似た七堂伽藍を有する大寺でした。10世紀代に焼失し、その後、再建されることはありませんでした。発掘調査では、現存する寺院跡では屈指のものであることが判明しています。
「樫井古戦場跡」は、大坂夏の陣の緒戦がおこなわれたところ。大坂城から南下してきた豊臣方2万に対し、信達宿に陣取る徳川方5千の兵が激突。豊臣方が先陣争いで先走り、多勢をいかせず徳川方に惨敗を喫しました。
この機会にあわせて訪れてみてはいかがでしょうか。
2024年4月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
恋するせんなん「熊野街道信達宿のふじまつり」(外部リンク)
https://welcome-sennan.com/events/240414-21_wisteriafestival
恋するせんなん「林昌寺」(外部リンク)
https://welcome-sennan.com/tourist-spots/rinshoji
異なる意匠の三重塔も!大阪・泉州のあじさい寺「長慶寺」
https://www.travel.co.jp/guide/article/43646/

【トラベルjp・ナビゲーター】
モノホシ ダン

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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