徳島・美馬市脇町でレトロ散策。オデオン座からうだつの町並みへ

癒しをもとめて旅する方には徳島県美馬市脇町もおススメのひとつ。なかでも昭和から時が止まっているような「脇町劇場オデオン座」は、四国でわずか3つの現存する芝居小屋のひとつとして一般公開され、今も芝居、映画、コンサートなどが開催されています。ここを見学した後は歴史的な建築物が建ち並ぶ「うだつの町並み」をのんびり歩いてみましょう。

昭和のたたずまい「脇町劇場 オデオン座」

徳島県の北西にある美馬市(みまし)は、吉野川の下流域に位置する静かな山あいの町。その町はずれの川沿いに、まるで昭和のまま時間が止まっているように静かにたたずんでいる「脇町劇場 オデオン座」。1934年(昭和9年)旧脇町に誕生した芝居小屋です。
当時としては珍しいモダンな外観で、回り舞台や奈落も備えた本格的な芝居小屋は、戦前は歌舞伎や浪曲の上演、また、戦後は歌謡ショーや映画上映の場として親しまれました。

その後、映画の斜陽化と建物の老朽化で閉館し、取り壊される予定になっていた時、1996年公開の山田洋次監督作『虹をつかむ男(西田敏行主演)』のロケ地となったことで、映画に登場する「オデオン座」として脚光をあびることに!
この映画がきっかけで、オデオン座は美馬市指定有形文化財になり、開館時の姿に修復されて一般公開されることになりました。現在は愛媛県の内子座、香川県の金丸座と共に、四国でわずか3つの現存する芝居小屋のひとつとして貴重な存在となっています。

めずらしい資料がたくさん

館内にはめずらしい資料がたくさん。特にオデオン座が一般公開されるきっかけにもなった映画『虹をつかむ男』の展示は、ロケから完成までを説明した興味深い内容。映画が出来上がる過程を知る良い機会なので、ぜひお見逃しなく!

風情ある二階の桟敷席。周囲に飾られたなつかしい寅さん映画のポスターをながめながらたたずんでいると、まるでタイムスリップしたような不思議な気分に…。階段をトントンと上がってきた寅さんが「いいだろ、この小屋」なんて言いそうですよね!

今も現役!「脇町劇場 オデオン座」

現在の「脇町劇場 オデオン座」は、芝居公演や映画上映だけでなく、華道展やコンサート、また、市民の芸能文化の発表の場にもなっています。この場所、この雰囲気だからこそ、芸術や文化の発表場所として選ばれているのでしょう。

静かなたたずまいの普段のオデオン座も素敵ですが、イベントや催しに合わせて訪問してみるのもよいかもしれませんね。
＜脇町劇場オデオン座の基本情報＞
住所:徳島県美馬市脇町大字猪尻字西分140-1
電話番号:0883-52-3807
アクセス:JR徳島線、穴吹駅よりタクシーで約8分
車の場合:オデオン座の横と道の駅にそれぞれ駐車場あり

うだつが上がる町並み

オデオン座から歩くこと数分、国の重要伝統的建造物群保存地区「うだつの町並み」に到着。ここは江戸時代中期から昭和初期にかけての歴史的な建築物が約430mにわたって建ち並び、またしても時代をさかのぼった感覚にとらわれます。

江戸時代、阿波の代表的な産業として広がった藍づくり。吉野川の水運に恵まれた脇町は、その藍の集散地として栄え、豪商らが建てた商家には「うだつ」といわれる防火壁が造られました。「うだつ」の建設には多額の費用がかかる為、やがて富の象徴として競うように家紋や細工が施され、さらに豪華なものになっていきました。

「うだつの町並み」にはそうした商家を利用したカフェやショップ、藍染体験ができる「藍染工房」などもあり、楽しめる要素も満載。古い藍の土蔵を再現してつくられた「道の駅藍ランドうだつ 藍蔵」は2階がカフェ、1階が売店となっていて、人気のランチメニューや美馬市の特産品などは要チェックですよ。
＜うだつの町並みの基本情報＞
住所:徳島県美馬市脇町大字脇町
アクセス:JR徳島線、穴吹駅よりタクシーで約10分
車の場合:道の駅に駐車場あり

とらさんのようにふらっと旅したい美馬市脇町

オデオン座からうだつの町並みまでは徒歩での散歩コース。ランチやお茶で休憩しながら、静かな山あいの町をのんびり歩くのは癒しの時間。あなたのお気に入りのお店やお土産も探してみてくださいね。
2023年4月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
オデオン座(外部リンク)
https://odeonza.amebaownd.com/
美馬観光ビューロー(外部リンク)
https://mimakankou.or.jp/

【トラベルjp・ナビゲーター】
凜風 杏花