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マザー・テレサ記念館も!北マケドニアの首都スコピエを歩く

2023-06-22

2019年に国名を北マケドニア共和国とした新しい国の首都がスコピエ。古い城跡や旧市街は歴史があふれ、新市街には巨大像が立ち並ぶ不思議な雰囲気の町で旅情をさそいます。またスコピエ出身でノーベル平和賞を受賞した偉人マザー・テレサの記念館があり、必須の見学ポイントとなっています。古代より幾多の民族の交錯する文明の十字路だった地ですが、今は平和な都として発展しつつありますのでぜひ訪問してください。

スコピエ城砦とムスタファ・パシナ・ジャミーヤ

写真:菊池 模糊

スコピエは北マケドニア最大の都会。見どころは町の中心部に集まっており徒歩で見学可。そこで、町の北部のスコピエ城砦から旧市街を経て、新市街を通り南西にあるマザー・テレサ記念館に至るルートでポイントを紹介します。
スコピエ城は6世紀に東ローマ帝国により築かれ、以来マケドニア地方の中心地として機能しブルガリア帝国やセルビア王国が支配しました。中でもバルカン南部に君臨したステファン・ドゥシャンはスコピエをセルビア王国の首都とし、ここスコピエ城で1346年にセルビア皇帝として加冠されました。
歴史的には由緒ある城ですが、今は一部の城壁が残っているだけ。スコピエ市街を望む城砦遺跡公園となっています。

写真:菊池 模糊

スコピエ城砦はとても景色が良く、南側からは城壁越しの眼下にスコピエの中心街の見事な景観の建物群が見えます。また町の背後にはヴォドノ山がそびえ、山頂には高さ66mのミレニアム十字が立っています。この巨大十字架直下にはロープウェイも出来ましたので登ることもできます。
<スコピエ城砦の基本情報>
住所:Samoilova, Skopje
電話番号:+389-2-3129323
アクセス:スコピエバスターミナルから徒歩約40分

写真:菊池 模糊

ムスタファ・パシナ・ジャミーヤはスコピエ城砦を東に下ったところにあるイスラム寺院で北マケドニア屈指の美しさ。15世紀オスマン帝国に支配された際に、セリム1世の宰相ムスタファ=パシャにより建造されたもので、今でもマケドニアのムスリムたちの心のよりどころとなっています。
内部は見事なもので上品な雰囲気に圧倒されますが、一部に大地震でイスラム模様がずれた部分があります。見学は無料の不定期公開で、信者の礼拝中や案内担当者がいない場合は見られません。
なお北マケドニアでは正教徒が70%、イスラム教徒が29%、その他のカトリック教徒やユダヤ教徒などを合わせて1%です。
<ムスタファ・パシナ・ジャミーヤの基本情報>
住所:Fort Kale, Skopje
電話番号:+389-2-3297204
アクセス:スコピエバスターミナルから徒歩約35分

スコピエ旧市街を歩く

写真:菊池 模糊

ムスタファ・パシナ・ジャミーヤから東へ歩くとムスリムの多い旧市街が広がっています。モスクの塔(ミナレット)を背景に、12世紀から続くオールドバザールがあり、貴金属店が多くトルコなどに似た雰囲気。これは高額な買い物をしてもらうという意味だけでなく、自分たちも価値変動の激しい貨幣より金製品などを持って財産防衛するというお国事情を示しています。

写真:菊池 模糊

スコピエ旧市街を散策する楽しみは貴金属バザールや土産物屋だけでなく、気軽に買えるグルメです。特にここで美味しいとされる名物は、写真のチュロスのようなお菓子で街角スイーツとしてぜひ味わってください。蜂蜜シロップに浸されているのでドーナツよりもさらに甘く美味しい絶品です。

写真:菊池 模糊

旧市街にはあちこちに傘がアーケード的にぶら下げられた街路があり、俗称アンブレラストリート。結構絵になり写真撮影スポットでもあります周辺には庶民的な店が立ち並び、下町感が横溢しています。
<オールドバザール近辺の基本情報>
住所:MK, Skopje
アクセス:スコピエバスターミナルから徒歩約30分

スコピエ新市街を歩く

写真:菊池 模糊

1963年の大地震で町の8割の建物が倒壊したスコピエでは、日本人の丹下健三氏の都市計画案を基本として復興計画が実施され新らしい市街が生まれました。その中の政府機関の前に佇立しているのが、古代マケドニアを飛躍的に発展させた英雄ピリッポス2世の像。その下には子のアレクサンダー大王を含む家族たちが手をつないだ姿もあります。
この復興市街周辺には石像や銅像など像が数えきれないほど。古代英雄、軍人、聖人、ライオン、猛牛、伝説獣、群像などありますので、興味のある方は撮影してコレクションを作成してください。
<ピリッポス2世像近辺の基本情報>
住所:Crvena Skopska Opstina, Skopje
アクセス:スコピエバスターミナルから徒歩約20分

写真:菊池 模糊

スコピエ中央を流れるヴァルダル川には、石橋(カメンモスト)と呼ばれる印象的な橋が架かっています。これは15世紀頃に建造されたもので素朴な雰囲気があり、地震や戦争にも耐えた町のシンボル。両側にはキリル文字の作成にかかわった四人の聖人(聖キリル、聖メトディウス、聖ナウム、聖クリメント)の像がいかめしい雰囲気で立っています。
なおヴァルダル川は、北マケドニア最長の川で西の山岳地帯からスコピエ、ヴェリスといった主要都市を経て東へ流れ、ギリシアのテッサロニキ近郊でエーゲ海に注ぎます。
<石橋の基本情報>
住所:XCWJ+9H8, Skopje
アクセス:スコピエバスターミナルから徒歩約15分

写真:菊池 模糊

石橋を西へ渡るとマケドニア広場。1991年にここで初代大統領がユーゴスラビア連邦からの独立を宣言。マケドニアは古代と現代では場所的には半分重なるものの民族的にはあまり重ならないことから「マケドニア」という国名にはギリシアが反対し経済封鎖などで干渉。ようやく2019年に国名を「北マケドニア共和国」とすることで決着しました。
広場の中心には、跳馬に乗ったアレクサンダー大王の像が立っています。アレクサンダー大王は古代マケドニアを象徴する存在で当時世界最大の領土を支配。超有名な歴史上の人物なので、このあたりが大王が支配した故地なのだなあという感慨を得ることができます。
<アレクサンダー大王像の基本情報>
住所:XCWJ+9H8, Skopje
アクセス:スコピエバスターミナルから徒歩約15分

マザー・テレサの記念館

写真:菊池 模糊

マケドニア広場から少し南へ下った場所にマザー・テレサの祈る立像があります。
マザー・テレサは1910年ここスコピエの生まれ。父がアルーマニア人で、母がアルバニア人であり、マケドニアでは珍しいカトリック教徒の家庭に育ち、18歳の時アイルランドでカトリック修道女として活動をはじめます。主にインドのコルカタ(カルカッタ)のスラム街で貧しい人々のために生涯を過ごしたことから、コルカタの聖テレサとも呼ばれます。

写真:菊池 模糊

マザー・テレサ記念館はマザー・テレサ立像のすぐ背後にあり、洒落た三階建ての民家のような雰囲気。マザー・テレサが受洗した教会跡に建てられたもので2009年から無料公開。
1階はミュージアムショップ、2階はマザー・テレサの蝋人形や写真や身の回り品などが盛り沢山に展示されており、1979年にノーベル平和賞受賞した際の文書などもあり興味深いものです。

写真:菊池 模糊

記念館の3階には礼拝堂がありマザー・テレサの写真が置かれています。
マザー・テレサは、ノーベル平和賞受賞式に普段と同じ修道女の服装で現れ、賞金と晩餐会費用を貧しい人達の為に使ってくれるよう懇願。有名な晩餐会には出席しませんでした。
『所有すればするほど、とらわれてしまうのです。より少なく所有すれば、より自由でいられます』というマザー・テレサの言葉が心にしみる記念館です。
<マザー・テレサ記念館の基本情報>
住所:MK, Macedonia St, Skopje
電話番号:+389-2-3290674
アクセス:スコピエバスターミナルから徒歩約10分
開館時間:平日9:00〜20:00、土日9:00〜14:00、祭日休み

スコピエへ中心街へのアクセスは?

スコピエは北マケドニア共和国の首都として発展しており、見どころも豊富。紛争も終結したので、安心して散策可。観光スポットが中心部にあるので、短時間で要領よく回れます。また本文で紹介できなかった教会や博物館なども多数あり、ゆっくり滞在しても楽しめます。
なお、スコピエの町の中心へは、スコピエ国際空港からバスで約25分、タクシーで20分。スコピエ中央駅に隣接してバスターミナルがあります。ただし、空港バスはバスターミナルを経由してホリデイ・インまで行きます。ホリデイ・インはスコピエ・ショッピングセンターに隣接しており、マケドニア広場のすぐ近くなので、より観光に便利です。
スコピエへは日本から直行便がないので、イスタンブール(トルコ航空)かドーハ(カタール航空)またはドバイ(エミレーツ航空)乗り換えで、約12時間〜20時間でアクセスします。
2023年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください

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北マケドニア屈指の景勝地!オフリド湖の散策を楽しむ
https://www.travel.co.jp/guide/article/47573/

【トラベルjp・ナビゲーター】
菊池 模糊

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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