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フェルメールゆかりの町「デルフト」おすすめ観光スポット

2023-07-20

デルフトは、オランダ南西の南ホランド州に属し、首都アムステルダムから列車で約1時間に位置する由緒ある古都です。
落ち着いた佇まいの運河風景に煉瓦造りの家並みと石畳ならぬ煉瓦畳の路地が縦横に走る町中には、デルフト生まれの画家であるフェルメールが描いた現代に伝わる傑作のような町並みが今でも残っています。白地に青のデルフト焼きという陶器でも有名な町の観光スポットは中心地周辺に集まっています。

心癒される運河風景に包まれた町デルフト

写真:Hiroko Oji

デルフトは、オランダの首都アムステルダムから南へ列車で1時間ほどのロケーション。オランダ南西の南ホランド州に属し、煉瓦造りの家並みや煉瓦畳の路地が趣のある運河沿いに広がる町並みが素敵な古都です。

写真:Hiroko Oji

町の歴史は12世紀にまで遡ることができ、オランダ建国の祖であり八十年戦争の主導者であったオラニエ公ウィレム1世がこの町に居を構えたのは16世紀のこと。またデルフト生まれで知られる画家のフェルメールにゆかりの深い町としても知られ、伊万里焼の影響をも受けた白地にブルーのデルフト陶器でも有名です。

町の中心地マルクト広場

写真:Hiroko Oji

このデルフトの町の中心地はマルクト広場。鉄道駅から歩くこと10分ほどで到着する広々とした石畳の空間で、この広場を挟んで新教会と市庁舎が向かい合うように建っています。
一角には“国際法の父”と呼ばれるデルフト生まれのグロチウス像が建っており、三角屋根のある白い縁取りがチャーミングな建物が広場を取り囲んでいます。日によっては市が開かれたり催し物のステージが用意されたりと、買い物客や観光客で賑わいます。

写真:Hiroko Oji

マルクト広場の西に面して建つのは市庁舎。赤い窓の木製鎧戸が印象的な建物で、17世紀初めに火事で焼失した旧市庁舎跡に建てられた、1620年再建のルネサンス様式の美しいものです。背後には唯一焼け残った14世紀の塔が残されています。
現役の市庁舎のため内部見学はできませんが、一般的に市民の結婚式は市庁舎で行われます。かつてフェルメールもここで結婚式を挙げ、婚姻届を出しました。

写真:Hiroko Oji

広場を挟んで市庁舎の反対側に建つのは新教会。1381年建造のゴシック様式の教会です。
内部は白い大理石の柱頭装飾のある列柱とアーチが続く3身廊の構造で、細かい細工の彩が美しいステンドグラスがズラリと並びます。オランダ建国の父オラニエ公ウィレム1世をはじめ、歴代のオラニエ家の人々が葬られており床には墓石や碑文が施されたプレートがはめ込まれています。デルフトの町やオランダ王家の歴史を解説する展示もあります。
国内第二の高さを誇る108.75メートルある鐘楼には376段の階段で上ることができ、デルフトの町から遠くはロッテルダムまで見渡せる眺望が楽しめます。
<新教会の基本情報>
住所:Markt 80,2611 GW Delft
電話番号:+31-15-212-3015
開場時間:10:00〜17:00
休業日:日曜日

フェルメールセンター

写真:Hiroko Oji

マルクト広場の北を流れる運河を渡った所にあるのがフェルメールセンター。デルフトの画家ギルドがあった場所に建つフェルメールに関する博物館です。
「オランダ絵画の黄金時代」の最後を飾る巨匠フェルメールはデルフトで生まれ、その生家は現在「空飛ぶキツネ亭」というホテルとなっておりセンターに隣接しています。17世紀後半この地で活躍し、43年の生涯のほとんどをこのデルフトの地で過ごしました。

写真:Hiroko Oji

フェルメールが43年の短い生涯の中で描いた作品はわずか37作品。ですが、「真珠の耳飾りの少女」をはじめ「牛乳を注ぐ女」「青衣の女」「デルフトの眺望」などはご存じの方も多いはず。館内ではその全作品のレプリカを中心に手法を解説した展示、彼の謎に包まれた生涯を探った展示など興味深く見学できます。

写真:Hiroko Oji

光と影を巧みに操った写実的な手法と綿密な空間構成で17世紀の庶民の日常を鮮やかに描き出したフェルメール。2階の一角ではその彼が仕事をしていたアトリエが再現され、彼が好んで使用した天然鉱物の顔料ラピスラズリなども展示されており、フェルメール好きには必見のスポットになっています。
<フェルメールセンターの基本情報>
住所:Voldersgracht21,2611 EV Delft
電話番号:+31-15-213-8588
開館時間:10:00〜17:00

町中に点在するフェルメールゆかりのスポット

写真:Hiroko Oji

この町で生まれたフェルメールに関するスポットは町中に点在しています。
「空飛ぶキツネ亭」というホテルになっている彼の生家の他に、彼が住んだことのある家「メッヘレン亭」はマルクト広場の北に、また結婚後に住んだ家がマリア教会のすぐそばにあります。さらに絵の題材になったのが、写真の一角。左端の茶色の煉瓦造りの家辺りが傑作の一つ「小路」に描かれています。デルフトは火薬庫の大爆発で町の四分の一が焼失しており、彼の叔母の家がモデルになったというのが有力な説になっています。

写真:Hiroko Oji

こちらは「デルフトの眺望」が描かれた場所。フェルメールの風景画として残されているのは2点のみで、鉄道駅から南へ数分、川の対岸スヒー港の背後にある芝生公園の足元にはプレートがはめ込まれています。

写真:Hiroko Oji

その場所から見た現在の風景がこちら。フェルメールが洗礼を受けた新教会が中央に見えており、左には彼が埋葬された旧教会の塔、右にはマリア・ファン・イェッセ教会の2本の塔が見える場所です。

その他にも点在する観光スポット

写真:Hiroko Oji

こちらは新教会すぐそばに建つネオ・ゴシック様式のマリア・ファン・イェッセ教会。1733年にはすでに現在の内陣がある場所に存在していたローマ・カトリック教会を1837年と1875年〜1882年に改装したのが現在の姿。2本の塔は対象ではなく左は新教会の塔、右は旧教会の塔に似ています。
アーチと列柱の続く3身廊の内部は、壁面全体に施されたフレスコ画と美しい色合いのステンドグラスの数々、素晴らしい彫刻とフレスコ画で覆われた説教壇、美しいパイプオルガンなど見応えがあります。
<マリア・ファン・イェッセ教会の基本情報>
住所:Burgwal 20,2611 GJ Delft
電話番号:+31-15-212-6170
開場時間:12:00〜17:00
休業日:月・火曜日

写真:Hiroko Oji

「デルフトの斜塔」とも呼ばれるのは旧教会。デルフト最古の教会で、1050年頃にはこの場所に凝灰岩教会が建っていました。1240年頃拡張され、その後何世紀も経てゴシック様式の大聖堂になりました。塔は古い堀の上に建てられたもので、重い石の強固な基盤ではないため建設中から少しずつ傾き、途中で何とかその状態を保つことができ現在に至っています。
内部にある太陽の差し込みでさらに輝きを増す黄色やスカイブルー、濃い赤や緑色の美しい一連のステンドグラスは必見です。これらは火薬爆発によってすべてが破壊された後再現されました。
<旧教会の基本情報>
住所:HH Geestkerkhof 25,2611 HO Delft
電話番号:+31-15-212-3015
開場時間:11:00〜16:00(土曜日10:00〜17:00)
休業日:日曜日

写真:Hiroko Oji

旧教会とは運河を挟んで斜め南向かいにあるこちらの建物Gemeenlandshuis Delftは、1505年建造のデルフト最古の石造りの家。デルフトで一番裕福だったHuyter氏の家だったもので後期ルネッサンスの歴史的建造物です。美しい窓と共に正面の壁面に掲げられている1652年の紋章は砂岩で造られています。
<Gemeenlandshuis Delftの基本情報>
住所:Oude Delft 167,2611 HB Delft

小さいけれども見所の多い町デルフト

ここでご紹介した他にもデルフトにはまだまだ見所が潜んでいます。
元修道院だったプリンセンホフ博物館では町やオラニエ家の歴史が学べ、新教会から東へ流れる運河の先には東門と白い跳ね橋があり童話の世界のような光景が広がり休憩するにもちょうどいい公園となっています。またデルフト陶器工場も興味ある人にはぜひとも訪れたい場所のはず。
風情のある家並みに美しい運河風景が佇む町中はどこも見所といってもおかしくないデルフトの町。美味しいお料理と共に素敵な時間が過ごせるカフェ・レストランもあちらこちらで開店中。ぜひたっぷり時間に余裕を持たせてご訪問くださいね。
2023年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
デルフト地区公式ページ(外部リンク)
https://www.delft.nl/
フェルメールセンター(外部リンク)
https://www.vermeerdelft.nl/
デルフトの新旧教会(外部リンク)
https://oudeennieuwekerkdelft.nl/
マリア・ファン・イェッセ教会(外部リンク)
https://www.rkdelft.nl/parochie/kerken/maria-van-jessekerk

【トラベルjp・ナビゲーター】
Hiroko Oji

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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