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これ、駅!?独特の造型が魅力の大阪府貝塚市「水間観音駅」

2023-08-10

鉄道旅行の楽しみの一つに、それぞれの地域に点在する駅舎を見てまわることが挙げられます。駅舎の形は実に多彩で、その地域に根差した独特の造形美が見られるものも少なくありません。大阪府貝塚市にある「水間観音駅」もそういった珍しい駅舎で、お寺の塔をイメージした造型は、数多く存在する駅舎のなかでも唯一無二の異彩を放っています。今回は国の登録有形文化財ともなっている水間鉄道の「水間観音駅」をご紹介しましょう。

これが駅舎!?貝塚市の「水間観音駅」

写真:乾口 達司

「水間観音駅(みずまかんのんえき)」は、大阪府貝塚市にある駅。水間鉄道水間線の終着駅です。水間線の開業は1926年(大正15)。その名のとおり、同市にある古刹・水間寺への最寄り駅として設置されました。創業当時は「水間駅」と呼ばれていましたが、2009年(平成21)、「水間観音駅」に改称。「水間駅」の名は、駅舎の上部に掲げられたプレートからもうかがえます。
ご覧のように、鉄筋コンクリート造りの駅舎の上部には相輪のようなものが取り付けられており、お寺の仏塔を強く意識した造形となっています。水間寺の最寄り駅にふさわしい造型であるといえますね。そのユニークな姿も評価され、1999年(平成11)、国の登録有形文化財となりました。

写真:乾口 達司

仏塔をイメージさせる中央部の左右には、円形平面の張り出し部がとりつけられています。その構造も独特です。

写真:乾口 達司

円形平面部に近寄ると、ご覧のように、木製の棚がしつらえられている箇所も見つかります。棚の用途は不明ですが、開業当時は施設内の駅員が乗客とのやりとりをおこなう窓口でもあったのでしょうか。

上を見上げよう!駅舎内部の様子

写真:乾口 達司

駅舎の内部はご覧のとおり。簡易の改札があり、その奥へ進むと、プラットホームが現れます。

写真:乾口 達司

内部に足を踏み入れたら、上を見上げてください。四方に明かり取りの窓がとりつけられているのが、おわかりいただけるでしょう。明かり取りの部分はちょうど仏塔部分の2層目に当たります。
明かり取りのデザインもレトロ。お見逃しなく。

写真:乾口 達司

電球の傘も珍しい意匠です。

苔玉が吊りさげられたプラットホーム

写真:乾口 達司

プラットホームは、両側を線路で挟まれた島式ホーム。写真の奥側が1番線で、たいていの電車は1番線に発着します。

写真:乾口 達司

プラットホームでは、頭上を見上げてください。屋根から何か吊りさがっていますよね。これは苔玉。
2020年(令和2)におこなわれた開業95周年記念事業の一貫として、水間観音駅は屋根からおびただしい数の苔玉を吊りさげた“苔玉の駅”としてリニューアルされました。
その独特の光景も必見です。

写真:乾口 達司

1番線の脇には、待合室「まち愛Cafe」もあります。
ここはクラウドファンディングによって制作された松平健主演のYouTubeドラマ『アワーホーム』の舞台となったところ。水間観音駅はドラマのロケ地にもなっているのです。

列車に乗ってGO!水間鉄道水間線

写真:乾口 達司

水間線は水間観音駅と貝塚駅とを結ぶ全長約5.5キロメートルの短い路線ですが、1時間に2、3本程度の電車の発着があるため、ここから電車に乗り込み、貝塚駅方面に出てみるのも一計ですよ。

写真:乾口 達司

車両の内部には、対面式の長いシートが設置されています。水間寺への参詣者でごった返すお正月の期間をのぞけば、乗降者数はそれほど多くはありません。それだけにのんびりと鉄道の旅を楽しめます。

写真:乾口 達司

プラットホームからは、静態保存されている「クハ553」を見ることもできます。
上部にパンタグラフが残されているため、一見、一時的に停車しているだけのように錯覚してしまいますよ。

駅舎のまわりに見られる光景

写真:乾口 達司

水間観音駅を訪れると、駅舎の一角にご覧のようなオブジェがあること、お気づきになるでしょう。
これは水間寺の開祖・行基を観音菩薩のもとへと導いたとされる十六童子の姿を形象化したもの。水間観音駅から水間寺までの数百メートルのあいだに、それぞれ異なる姿の童子像が置かれており、それが観光名所ともなっています。
写真は十六童子の一人である官帯童子像。それぞれの童子像を求めて、付近を散策してみるのも楽しいでしょう。

写真:乾口 達司

入口の脇には、昔ながらの懐かしい郵便ポストも置かれています。

写真:乾口 達司

駅舎の前に広がるロータリーは、路線バスの発着地でもあります。ここから近くの水間寺や国宝・観音堂を有する孝恩寺のあたりまで足をのばしてみてはいかがでしょうか。
水間観音駅がいかにユニークな駅であるか、おわかりいただけたでしょうか。珍しい造型の駅舎のほかにも見どころ満載の水間観音駅を訪れ、そのレトロな世界を堪能してください。

水間観音駅の基本情報

住所:大阪府貝塚市三ツ松
電話番号:072-447-0465
アクセス:水間鉄道水間観音駅すぐ
2023年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
水間鉄道株式会社(外部リンク)
https://www.suitetsu.com/

【トラベルjp・ナビゲーター】
乾口 達司

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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