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オランダの“ヴェネツィア”ヒートホールン!運河と茅葺家屋の魅力に包まれて

2023-08-11

オランダのヴェネツィアと呼ばれるヒートホールンは、オランダ北東部にあるお伽の国のような風景が魅力の水郷の村。湿地帯から数多くの山羊の角を発見したことから始まる750年の歴史を持ち、縦横に走る細い運河沿いには茅葺屋根の家屋が軒を並べ、オランダ独特の田舎の風景が残る小さな村です。
村内での移動は徒歩か自転車かボートのみ。観光地なのに物静かな空気に満ちていて、どこも絵になる美しさにうっとりです。

美しい水郷の村「ヒートホールン」

写真:Hiroko Oji

オランダ北東部のヒートホールンは750年の歴史を誇る小さな水郷の村。初期の入植者たちが湿地帯に数多くの山羊の角を発見したことから、山羊の骨を意味するヒートホールンと呼ばれるようになりました。
この辺りでは中世の頃から泥炭の採掘が行われた結果多くの湖が形成され、泥炭運搬のために水路や運河が掘られました。運河沿いや運河で囲まれた島にはたくさんの煉瓦造りで茅葺屋根の家が建てられ、170以上もの木橋が架けられ、色とりどりのお花と緑あふれる庭を持つ家屋に導いてくれます。

写真:Hiroko Oji

村の教会すぐそばの運河沿いに建つ像は、アルバート・モル。俳優、ダンサー、コメディアン、作家として活躍し、このヒートホールンで撮影されたコメディ映画『ファンファーレ』(1958年)で有名になり、この映画が撮影されたのをきっかけにヒートホールンは世界的にも名を知られるようになりました。

写真:Hiroko Oji

観光地になったとはいえ、集落を取り囲むのは緑が覆う田園地帯。白鳥やアヒルやガチョウなどの水鳥たちが餌をついばみ、子育てをする姿があちらこちらで目にすることができます。

ヒートホールンの歴史博物館「オールド・マアト・ウース」

写真:Hiroko Oji

村にある「オールド・マアト・ウース」は、もともとあった古い農園内に1988年にオープンした歴史博物館で、1900年頃のヒートホールンにおける生活の様子と歴史に関わる展示が見られます。

写真:Hiroko Oji

メインとなる建物の館内では、昔からの農夫として漁夫としての生活の様子がよくわかるように再現されています。
当時の部屋や台所の様子に伝統衣装などの展示に加え、泥炭の採掘風景や道具、舟、藁葺屋根などの製造工程も展示され、興味深く見て回れます。束になった茅葺や搾乳したてのミルク缶の横に洗濯物を干してある光景を目の前にすると、中世の時代にタイムスリップしたような感覚に浸れます。
また、屋内での仕事として行われた木靴づくりなどの木工作業の道具や数多くの刺繍作品も並びます。

写真:Hiroko Oji

建物から裏庭に出てみるとそこは広い緑あふれる空間となっていて、漁夫の生活に関する展示があります。
芝生の上には屋根付きの小屋のようなものやレンガ造りの長屋がいくつかあり、舟や道具の倉庫だったりトイレであったり。風車やコウノトリの巣や小舟を引っ張る道具、子供たちの遊び道具なども展示されています。
<歴史博物館の基本情報>
住所:Binnenpad 52,8355 BT Giethoorn
電話番号:+31-521-462-244
開館時間:11:00〜17:00

デ・アウデ・アールデ・博物館

写真:Hiroko Oji

歴史博物館から北に延びる運河に架かる橋を渡った所にあるのが「デ・アウデ・アールデ・博物館」。世界中の珍しい鉱石を集めた博物館です。

写真:Hiroko Oji

1969年にルネボワセヴァンによって設立された博物館で、見た目からは想像できないほどの広いスペースの館内では、世界中の美しくて珍しい鉱石をたくさんのケースに分けて展示しています。

写真:Hiroko Oji

大きな原石を含めた天然石だけでなく、ブラックライトで光る鉱石やアンモナイトや海洋生物の何百万年も前の化石をはじめ、世界最大の卵の化石に750キログラム以上もある化石化した木の幹などが展示されているのも興味深いところです。
出口に併設されているショップでは様々に加工された宝石や彫刻、生および研磨された鉱物など購入することができます。
<デ・アウデ・アールデ・博物館の基本情報>
住所:Binnenpad 43,8355 BR Giethoorn
電話番号:+31-0521-361313
開館時間:10:00〜18:00(11月〜2月は17:00まで)
休館日:月・火曜日

メノナイト教会

写真:Hiroko Oji

歴史博物館ほぼ向かいに位置するメノナイト教会は、煉瓦造りの500年の歴史を誇る教会です。

写真:Hiroko Oji

教会内は小さくてとてもシンプルな装飾ですが、なぜか心安らぐ空気に満ちていて、美しく飾られたパイプオルガンは目を惹きます。
主祭壇の奥の部屋は、教会管理者が会議を開く部屋として訪問者に開放されていて入ることができます。サロンのスペースには豪華なテーブルセットが置かれ、キャビネットには年に2回の礼拝中にパンとワインを分かち合う儀式(主の晩餐)に使用するカップが収められています。
壁には歴代有識者達の肖像が掲げられていて、一見の価値がありますので、ぜひ奥の部屋ものぞいてみてくださいね。

写真:Hiroko Oji

また教会の片隅に置かれたピアノは、ショパン・ワルツ集の楽譜付き。「自由に弾いていいよ」との表示もあって、誰が弾いてもおとがめなしです。
<メノナイト教会の基本情報>
住所:Binnenpad 50,8355 BT Giethoorn
開場時間:13:00〜17:00

運河や湖で過ごすひと時も

写真:Hiroko Oji

村では景観を守るためにほとんどの所で車の侵入を禁止されているため、村内は徒歩か自転車、そしてボートでの移動となります。
水路や運河での移動はプンティングと呼ばれる渡し舟に電動のボート、遊覧観光船とあり、Giethoorn, Dominee Hylkemawegというバス停に近いこちらでレンタルの申し込みができます。
<レンタルボートの基本情報>
住所:Dominee t.o.Hylkemaweg 5,8355 CD Giethoorn
電話番号:+31-6-12907934
営業時間:10:00〜18:00

写真:Hiroko Oji

電動や手漕ぎのボートなら自分のペースで運河めぐりが楽しめますし、このようなガイド付きの遊覧船なら、ドライバーが村についての説明をしながら運河を巡ってくれます。

写真:Hiroko Oji

村の東に横たわるボーフェンウェイデ湖では、湖に突き出したところにレストランの建物があり、この一角でもボートレンタルができますよ。お時間に余裕があればぜひ試してみてくださいね。
湖から運河にかけて遊覧を楽しむのは、きっと素晴らしい思い出のひとつとなることでしょう。

日本ではマイナーなヒートホールンですが・・・

日本人にはあまり馴染みがないのかガイドブックでは1ページにも満たない紹介しか載らないヒートホールンですが、訪れてみるとうっとりする風景に包まれた心和むところです。お花や緑に溢れた庭のある茅葺屋根の家屋、運河や木の橋、運河に浮かぶ渡し舟やボート、多種の水鳥たち・・・数え上げればきりのないほどの魅力が詰まっています。
アムステルダムから列車とバスを乗り継いで日帰り訪問も可能なところですが、短時間の滞在ではとてももったいない!ここまで来てよかった!と思えるヒートホールンです。ぜひ足を延ばしてご訪問なさってくださいね。
2023年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
ヒートホールン歴史博物館(外部リンク)
https://www.museumgiethoorn.nl/
デ・アウデ・アールデ・博物館(外部リンク)
https://deoudeaarde.nl/
メノナイト教会(外部リンク)
https://www.infochurchgiethoorn.nl/
ヒートホールン「ホテル B&B ドルデ スミッゼ」でオランダの原風景満喫
https://www.travel.co.jp/guide/article/47887/

【トラベルjp・ナビゲーター】
Hiroko Oji

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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