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デルフトの元女子修道院「プリンセンホフ博物館」で見る王家の歴史

2023-08-22

オランダ南西部の南ホランド州に属するデルフトは、首都アムステルダムから列車で約1時間に位置する由緒ある古都。落ち着いた佇まいの煉瓦造りの家並みと美しい運河と路地が縦横に走る町は、小さいながら見所が各所に点在しています。
オランダ建国の祖が住んだことでも知られるデルフトの「プリンセンホフ博物館」は、町最古の教会である旧教会向かいに建ち、オランダ独立戦争の記念館として当時の姿のまま公開されています。

元修道院の建物に入る博物館

写真:Hiroko Oji

アムステルダムから列車で1時間ほどのロケーションにあるデルフトは、画家のフェルメールをはじめ白地に青のデルフト焼きでも名を知られている、美しい運河風景とオランダらしい家並みの広がる古都です。

写真:Hiroko Oji

この町で最古の教会旧教会と運河を挟んで向かいに建つのが「プリンセンホフ博物館」。元女子修道院だった煉瓦造りの歴史的な建物に入る博物館で、デルフト繁栄の歴史を伝える品々が展示されています。
オランダ独立戦争の中心人物でオランダ王国建国の父ウィレム1世(オラニエ公)が暮らし、暗殺された場所がこの建物内にあります。彼はオランダにとって欠かせない歴史上の人物なのです。

写真:Hiroko Oji

入口はわかりにくいのですが、建物内に入ってカフェの奥にある教会の一角でチケットを購入します。

オランダ王家の歴史

写真:Hiroko Oji

博物館内には肖像画・タペストリー・陶磁器・銀器などの豊富なコレクションがズラリと並びます。
最初の展示室で見られるのはオラニエ王家の歴史。このオラニエはOranjeと表示します。オレンジ色の意味をもつもので、オランダの国の色がオレンジ色なのは、このオラニエの名前に由来しているからなのです。ウィレム1世(オラニエ公)や王家一族の生活と共に、スペインからの独立を勝ち取った当時の激動の経緯がわかる展示に興味がそそられます。

写真:Hiroko Oji

王家の人々の肖像画が多数展示されており、人々のつながりやどういう功績があったかを学べるので、歴史に興味ある人にはじっくり時間をかけられる空間です。

写真:Hiroko Oji

中世に修道院として建てられたこの建物はウィレム1世の住居として使用されましたが、彼は1584年にバルタザールジェラールによってここプリンセンホフで暗殺されました。1階から2階へ通じるメイン階段の壁にはその時の弾丸によって作られた穴が生々しく残されています。

館内で見られるオランダ絵画傑作の数々

写真:Hiroko Oji

館内では、フェルメールが所属していたギルド(職人組合)の仲間の絵画や、絵の中に描かれている風景やデルフト陶器の器、家具や絨毯などから当時の暮らしぶりを探っていくことができます。

写真:Hiroko Oji

「オランダ風景画」の形成に重大な役割を果たしたヤン・ファン・ホイエンの描いた風景画をはじめ、集団肖像画、静物画などが広々としたホールに並びます。
中でも、数枚ある解剖学講義図は集団肖像画に医学的セミナー風景が組み合わさっており、絵のそばには実際に使用された解剖器具なども展示されています。

デルフト焼きの展示も豊富

写真:Hiroko Oji

デルフトは、オランダの伝統工芸品であるデルフト焼きという陶器でも有名な町。この博物館でも、様々なデルフト焼きが展示されています。デルフト焼きは白い釉薬を下地にして、スズ釉薬を用いて彩色・絵付けされます。

写真:Hiroko Oji

かつてマヨルカ焼の影響を受けていたものが、中国製品の品質に追いつくため努力を重ね18世紀に頂点に到達。ドイツのマイセン陶磁器の始まりにも大きく貢献したのがデルフト焼きです。現在デルフトブルーといって、白地に鮮やかで深みがある青色で絵付け彩色されたものが人気を高めています。

写真:Hiroko Oji

綺麗な完成品のみでなく、館内には中国の細密なデザインを模写して作った皿や壺が本物と並べて展示してあったり、欠けたり割れたり釉薬がうまく乗らずに失敗となったものなども展示されているのが面白いところです。
館内だけでもかなり見応えありますが、旧教会とは反対側の入り口から入ると庭園があり、こちらの庭園にもデルフト焼きのモニュメントも配置されていますので、お見逃しなきように。

豊富な銀器やタペストリー

写真:Hiroko Oji

また銀器のコレクションも一見の価値があり、デルフト銀細工の全盛期からの傑作合計80点が展示されています。
オウムガイのカップ、飲み物のボウル、17世紀の特別なテーブルピースなどの展示品だけでなく、お茶とテーブルの儀式のための品々や18世紀の貴重なバスアメニティなども見ることができます。

写真:Hiroko Oji

王家一族が収集・所有した家具やタペストリーや絨毯、その生地と同じ素材を利用した椅子なども展示されており、重厚感が伝わってきます。
出口にはカフェが併設されていて、見学後ゆっくり一休みするのもお薦めです。

プリンセンホフ博物館の基本情報

住所:Sint Agathaplein 1,2611 HR Delft
電話番号:+31-15-260-2358
開館時間:11:00〜17:00
2023年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
プリンセンホフ博物館(外部リンク)
https://prinsenhof-delft.nl/en
美術館みたい!「ホテル・ヨハネス・フェルメール」でデルフト観光満喫
https://www.travel.co.jp/guide/article/47854/

【トラベルjp・ナビゲーター】
Hiroko Oji

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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