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オランダ北部アイセル湖に面した港町「スタフォーレン」

2023-08-30

オランダ北部のフリースラント州にあるスタフォーレンは、アイセル湖沿岸にある港町。紀元前300年頃に水路に設立された町は11世紀に都市権を与えられ、フリースラントで最も古い都市になりました。
列車が到着する鉄道駅は行き止まりの終点で、駅そばには港風景が広がり、ウオータースポーツが楽しめ、夏季にはエンクハイゼンとの間を往復するフェリーも運行されます。町中の運河風景や家並みは絵のような美しさです。

小さな港町の港風景

写真:Hiroko Oji

オランダ北部のフリースラント州に位置する「スタフォーレン」は、何世紀にもわたって貿易の重要な役割を担ってきたアイセル湖畔にある小さな港町。
港は現在、帆船やクルーズ船、プレジャーヨットの拠点となっており、1886年以来、フリジアの町としてのスタフォーレンとはかつて敵対関係にあったエンクハイゼン(アイセル湖を挟んで対岸にある町)との間でフェリーが運航されています。

写真:Hiroko Oji

港でアイセル湖に向かって建っているのは“Vrouwtje van Stavoren”という女性の像。左手をおでこにあてて遠くを眺めています。
この像にまつわる民話があるので、少しだけご紹介します。
中世の終わりに港が沈泥となって町が荒廃した頃、裕福な貿易商をしていた未亡人は貪欲でさらにお金を沢山欲しいと思っていました。富を得ようと送り出した使用人が「今は金より穀物だ!」と穀物を持って帰ったことに彼女は激怒しその穀物と共に金の指輪を海に投げ込んでしまいました。後、使用人がその指輪を飲み込んだ魚を捕まえて魚の胃からその金の指輪を発見したものの、彼女の運命は貧困に陥っており、最後には飢えで亡くなってしまった、といった内容です。

写真:Hiroko Oji

また、港のガラス張りの建物に入る観光案内所前には巨大な魚の形をした噴水が!かつて豊かなハンザ同盟都市だったスタフォーレンは、何度も繰り返される洪水のため貧困に陥りながらも、そのたびに海運や漁業で新たに復活繁栄を遂げてきました。そんな中で、ピーター・ブリューゲルの版画に敬意を表して造られたのがこの噴水なのです。
かなりインパクトのあるモニュメントで、正面に立つと大きな口の中に飲み込まれていきそうな感覚を覚えます。

町中には大小の運河風景が

写真:Hiroko Oji

スタフォーレンの町中には、大小の運河や水路が延びています。
南へ延びるスカンス通りと平行する運河沿いには白い跳ね橋が架かり、何本もの帆柱のある帆船やクルーザー、ボートなどが浮かんでいます。

写真:Hiroko Oji

住宅街の中にも小運河が流れており、遊歩道にはベンチが置かれ、緑や白い木製の橋が架かる風景は長閑そのもの。

写真:Hiroko Oji

また、庭先からそのまま運河に出られる民家も多く、自家用ボートなども移動手段として利用されています。

様々なスタイルの民家たち

写真:Hiroko Oji

石畳ならぬ、煉瓦が敷き詰められた路地沿いには、通りとマッチするかのように煉瓦造りの家屋が建ち並びます。白い縁取りがあってオランダらしいかわいらしさが満載。中にはセンスの良いショップやカフェ・レストランも入っており、ウィンドウショッピングも楽しめます。

写真:Hiroko Oji

またお花や緑で溢れる広い庭のある農家が続く住宅地帯では、羊や鶏が放し飼いにされており、時が止まったかのような雰囲気で包まれています。

写真:Hiroko Oji

港に出入りするすべての船から見えるハーヴェン通り沿いに並んでいるのは“フリースラント州のコペンハーゲン”ともいえる家並み。カラフルで三角屋根に可愛い窓のある家屋が軒を並べる一帯は、カモメの鳴き声や海の匂いと共に印象に残る風景です。

キャンプ場近くにある排水機場

写真:Hiroko Oji

町並みの南に位置するのはヨハン・フリソ水門。大きな船が行き来するたびに跳ね橋が上がる風景も見所の一つ。ここからさらに南に数分歩くと見えてくる建物があります。

写真:Hiroko Oji

J.L.ホーフラント排水機場です。この排水機場は1967年に建築家ピエ・ド・フリースの設計によって建てられた美しいシンプルさが印象的な建物。湾曲した屋根を持つ建物は当時はフリースラント州で最大のコンクリート構造物でした。

写真:Hiroko Oji

建物内のホールにはスクリューポンプが4台。ここからアイセル湖に水を排出しています。ポンプ場は1967年5月に正式に開設され、2011年には徹底的な改修が行われ、処理能力は20%以上も増加したといわれています。
<J.L.ホーフラント排水機場の基本情報>
住所:Stadsfennne 33,8715 JM Stavoren

港風景を楽しめるホテル・レストラン

写真:Hiroko Oji

スタフォーレンの港には、ホテル・デ・ヴロウ・ファン・スタフォーレンがあります。鉄道駅からでも100メートルほどのロケーション。落ち着いた内装で居心地の良い屋内と港を見渡せるテラスから、プレジャーヨットやクルーザーなどが出入りする魅力的な光景を眺めながらの食事は最高です。

写真:Hiroko Oji

10時までは宿泊者用の朝食タイムに利用されますが、10:00〜17:00は観光客や地元の人たちも利用できるランチタイムに、21:00からはディナータイムとなります。フレンドリーなスタッフが出迎えてくれ、ちょっとしたメニューも美味しくて町歩きに疲れた時でも気軽に立ち寄れます。

写真:Hiroko Oji

このホテル・レストランには通常の部屋に加えて、珍しい部屋があります。それは快適で魅力的なホテルの部屋に改装された23のワイン樽のお部屋!出入り口だけでなくベッドがワイン樽の中に設置され、バスルームの出入り口もワイン樽、室内の座席にも利用されているといったものです。通常のお部屋よりは割高になりますが、広くて設備の整ったワイン樽での宿泊は、めったに経験できない忘れがたいものとなるはずです。
<ホテル・デ・ヴロウ・ファン・スタフォーレンの基本情報>
住所:Havenweg 1,8715 EM Stavoren
電話番号:+31-514-681-202

ガイドブックにも載らない町・スタフォーレン

スタフォーレンは、日本人にとってはマイナーな存在でガイドブックにも載らない港町。でもひとたび足を踏み入れると、港風景だけでなく、運河や路地沿いに広がるオランダならではの家並みが素敵!特に大きな観光スポットがあるわけでもなく、ただただお散歩するだけでも心満たされる風景に満たされています。
疲れたら遊歩道沿いのベンチに腰掛けたり、カフェやレストランに気軽に立ち寄って見たり、足の向くまま気の向くままに過ごせる町です。
アムステルダムからならぎりぎり日帰り訪問も可能かなというロケーションで、アクセスは1時間に一本の列車と夏期限定のフェリーくらいしかありません。でも、この町のホテルやオランダ北部の町レーワルデンやハルリンゲンに宿泊すれば、2駅離れたヒンデローペン村と合わせての訪問も可能。
魅力溢れる風景を楽しみにぜひ足を延ばしてご訪問くださいね。
2023年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
スタフォーレン観光案内所(外部リンク)
https://www.waterlandvanfriesland.nl/nl/stavoren
ホテル・デ・ヴロウ・ファン・スタフォーレン(外部リンク)
https://www.hotel-vrouwevanstavoren.nl/
オランダ国鉄時刻検索(外部リンク)
https://www.ns.nl/en
オランダのアイセル湖畔に佇む静かな村「ヒンデローペン」
https://www.travel.co.jp/guide/article/47907/

【トラベルjp・ナビゲーター】
Hiroko Oji

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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