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【インバウンド】エジプト人妻が“逆ホームシック”に…「日本に帰りたい」母国帰国後の本音に70万再生「世界一女性には安全な国」

2024-05-17 eltha

 訪日外国人が2ヵ月連続で300万人超えの中、その様子が度々話題になる。現在は日本人と結婚し、日本で暮らすエジプト人YouTuberの八十恵さんは、『THEエジプト人です !』チャンネルで日々の様子を発信している。訪日外国人旅行客が来日し、想像とは違った文化に触れ歓喜する一方、日本人が外国に対していまだ間違った認識を持っていることがある。エジプト帰国時には、逆カルチャーショックを受けるほど日本に馴染んでいる彼女に、現在のエジプトについて聞いた。

いまのエジプトは危険な国ではないが、夜の1人歩きはしたくない

――動画「日本に慣れすぎて無理!エジプトで逆カルチャーショック恐ろしかった」は70万再生を超える人気を得ました。「日本に帰りたい」と逆ホームシックになっていましたが、日本での生活の良さを教えてください。

恵さん 日本で暮らして驚いたことの1つですけど、日本人はすごく“個”を大事にしていると感じます。例えばスーパーに行くと、野菜の産地がすべてわかります。中東では皆ひとつのグループにする文化があって、エジプト料理で検索すると中東の他の国の料理として同じものが出てきます。アラビア語の文化圏はアラブにしましょうという考え方になりました。逆に日本は、東京、京都、沖縄などそれぞれの地域の違いを大切にしています。中東から見ると珍しい文化です。

――両方の生活を経験している恵さんは、どちらが住みやすいとか、自分に合っていると感じることはありますか?

恵さん 難しいですね。もちろんエジプトの良いところはたくさんありますし、嫌いではありません。でも、私は日本の方が暮らしやすいと思います。エジプトで暮らしていたからこそ日本の良いところがわかるので、日本で生活する機会が私の人生にあったことをとても感謝しています。春夏秋冬の四季があるのは素敵です。

――「日本は世界一女性には安全な国だと思う」と言っていました。

恵さん 私が感じるのは、日本はどこでも女性が来やすいようにしているということ。例えばデパートの1階は、女性向けのコスメなどのフロアになっていたり。女性用トイレには小さい子どもを座らせる椅子があります。エジプトではカフェやレストランが1階にあり、とにかく人を集めようという作りで、日本はそれとは対照的です。

――女性が安心を感じるという治安の面でのエジプトとの違いはいかがですか?

恵さん いまはエジプトも特別危ない国ではないのですが、夜は基本的に1人では歩きたくないかな。夜帰る時は車で送ってもらったりします。日本は夜道を1人で歩いていても、まるで空気みたいに誰も気にせず、声をかけられることもありません。それは嬉しいですね。

ヒジャブや水着、タトゥー…日本に伝わるエジプトの間違った認識も

――エジプトでは1人で歩いているとよく声をかけられますか?

恵さん そうですね。フランスに似ていますが、知らない人とでもあいさつやスモールトークが普通にある文化です。

――そこで誘われたり、危険を感じたりすることもありますか?

恵さん いまはそれはありません。シーシー大統領になってからは、女性へのセクハラや暴力は厳しく罰せられるようになりました。それは言葉だけでもそうです。なので、声をかけてくるのはあいさつや1人で歩いていることに心配して、ということがほとんどです。それでも私はあまり声をかけてほしくないと思っています。

――「ヒジャブをつけなくても良く、服装は昔ほど厳しくないので、肌の露出もOK」とのことですが、エジプトへの古い間違った認識を持っている人も多いと思います。近年は、水着を着たり、タトゥーをする若者もいるとのことですが、服装の変化を教えてください。

恵さん エジプトはもともと女性がヒジャブをつけるルールは歴史的にありませんでした。伝統的なスタイルとしてつける女性もいますが、逆に顔をすべて隠すようなヒジャブは使えない場合があります。水着に関しては、エジプトはむしろ宗教的な水着は禁止される場合があり、日本でいうラッシュガードの太陽光を遮る長袖にショートパンツのような水着はOKです。身体をほとんど隠さないやりすぎの水着は禁止されています。

――シーシー大統領になってからの女性の服装の変化はありますか?

恵さん エジプトでは「アラブの春(2011年初頭から中東・北アフリカ地域の各国で本格化した民主化運動)」から変わったと言われています。ヒジャブは16歳からつける人が多いのですが、それを大学生になってやめる。いまは始めからつけない人もたくさんいます。

自国の良さを知らないのは残念なこと…日本の歴史に誇りを持つべき

――訪日外国人旅行客が増える中、日本食や100円ショップに至るまで、感動する人も少なくありません。一方、私たち日本人はそれが当たり前のように生活しています。そうした環境に有り難みを感じにくく、そこに対しての感情が希薄になっています。

恵さん 日本の良いところを、文化や歴史と一緒に学校で学べたら良いと思います。私は日本のことを勉強して、実際に日本に来て文化を素晴らしいと感じています。それは建前で褒めているわけではなく、本気でそう感じているからです。でも日本人がその文化の良さに気づいていない。それをちょっと悲しいと感じています。国にはそれぞれの良さがあって、自国の良さを知らないのは残念なこと。もっと教育の場で教えるようにしたら良いのではと思います。

――安全面や丁寧さ、清潔さ、マインド、インフラ、食など、私たち日本人はどこに誇りを持つべきだと考えますか?

恵さん 日本の歴史自体に誇りを持つべきではないかと思います。その歴史から成り立つ興味深い文化を持っています。父と浅草に行ったときに雷門の話になり、私がエジプトのカイロにある門と比べていたら、父は「日本の門の方が古い」と話していました。すると動画のコメントには「エジプトには世界一古い歴史がある」と書き込みされ、日本の方が古いことを知りませんでした。もしかしたら教えられていないのかもしれませんが、私は日本の歴史にもっと誇りを持ってほしいです。

――最近のエジプトの良いところを教えてください。

恵さん エジプトはワインを作っていますが、私の地元のワインが昨年フランスで賞を受賞して、いま日本でも売っています。ずっと昔からエジプトワインはあったのですが、最近フランスやベルギーで評価されて、新しい楽しみ方としてお酒の文化をもっと発信していこうという流れがあります。近年のエジプトは、食生活などの文化も変わってきています。今年、ピラミッドの周辺がリニューアルされて、夜にはライトアップやサウンドの演出もあります。おしゃれなラウンジやミシュランで星を取ったレストランができ、街が新しく変わりつつあります。

(文/武井保之)

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