2023-09-26
奈良県明日香村にある飛鳥寺は、仏教公伝から間もない6世紀末に、豪族の蘇我馬子によって創建された日本初の本格的寺院です。また「飛鳥大仏」の名で親しまれる御本尊の釈迦如来坐像は、7世紀初頭の建立で、こちらも現存する日本最古の仏像といわれています。この大仏は1400年以上前から一度も動くことなく、今も建立時の台座の上に鎮座しています。遥かな時を超えてきた素晴らしい飛鳥大仏に会いに行ってみませんか?
飛鳥寺は、蘇我馬子が発願し、596年(推古天皇4年)に創建された日本最初の本格的な仏教寺院です。飛鳥寺には、複数の寺名があり、法興寺、元興寺とも呼ばれました。
平城京遷都の際には、飛鳥寺は2つに分離し、移転したほうの寺院は、元興寺(奈良市)となっています。そのまま居残り続けたほうが現在の飛鳥寺です。
飛鳥寺の正門前には「飛鳥大仏」と刻まれた標石が建っています。標石の文字は、江戸時代に参拝の道標として彫られたものですが、台石は飛鳥寺創建時の礎石を用いています。
飛鳥寺の宗派は、花の御寺で知られる長谷寺と同じ真言宗豊山派です。山号は鳥形山で、正式名称は安居院(あんごいん)です。
写真の飛鳥寺の本堂は、二度の火災のあと、江戸時代の1826年(文政9年)に再建されたものです。本堂の前には馬子が建てた中金堂の礎石が残っています。
本堂内には、御本尊の釈迦如来坐像(飛鳥大仏)が、飛鳥時代の造立時と同じ場所に安置されています。
飛鳥大仏は、飛鳥寺の御本尊で、重要文化財に指定されています。作者は、当代一流の仏師・鞍作鳥(くらつくりのとり)で、609年(推古天皇17年)に完成しました。年代の分かる現存の仏像では日本最古の仏像です。
高さは約3m、銅15tが使用され、表面には金30kgを使って鍍金が施されていました。建立当時は、光背がついており、三尊仏(文殊・普賢菩薩とのセット)を構成していたと考えられています。
面長の顔立ちや杏仁形(アーモンド形)の目の表現は、ほかの飛鳥仏に共通する表現です。
飛鳥大仏は、二度にわたる火災にあって全身罹災し、さらに一時は覆堂が無い、吹きさらしの状態だったという歴史があります。そのため体部は、火災で焼けた銅を再度使って補修し、創建時のものは、お顔や右手の大部分のみと考えられています。
なお、飛鳥大仏は、左右の表情が違って見えます。向かって右側から見ると少し厳しいお顔をされています。
しかし、左側から見ると微かに微笑んでいるようにも見えます。同じ大仏様でも見る方向によって表情が変わるというのは、人間と同じくとても親しみが湧きますね。
飛鳥大佛と大きく書かれた提灯の隣には、「飛鳥寺伽藍復元図」があります。それによると、創建時の飛鳥寺は、五重塔の東と西と北に3つの金堂が建つ、一塔三金堂の巨大な寺院であったことが分かります。
また『日本書紀』によると飛鳥寺は、日本において最初に蹴鞠が行われた場所とされています。法興寺(当時の飛鳥寺の別名)の西の槻(けやき)の木の広場で、中大兄皇子と中臣鎌足が打毬(くえまり)を通じて出会い、大化の改新の序章となりました。
それを記念して、近年、飛鳥寺の境内では有志による蹴鞠の再現が試みられています。
飛鳥寺のパワースポットとしては、境内の万葉池のほとりに立つ三体の石仏が。左から、南無大聖不動明王、南無観世音菩薩、南無大師遍照金剛(弘法大師)が並んでいます。それぞれ柄杓で水をかけて祈願すれば願いが叶います。
とくに若い方に人気なのが南無大聖不動明王で、3回お水をかけて祈願すると良縁成就・夫婦円満にご利益がいただけます。
ちなみに、南無観世音菩薩は2回で家内安全、南無大師遍照金剛は1回お水をかけて交通安全を祈願できます。
飛鳥寺には、正門のほかに西門があります。付近は畑や田んぼで、春には菜の花、秋には彼岸花が楽しめます。
その西門を出ると、大化の改新にともなう“乙巳の変で”討たれた「蘇我入鹿の首塚」と呼ばれる五輪塔が建っています。入鹿の首塚の向こう見える山は、甘樫丘です。
この首塚と甘樫丘の間にあった広場が「飛鳥寺西方遺跡」で、中大兄皇子と中臣鎌足の二人が蹴鞠に興じた、法興寺の西の槻の木の広場もこの一角にありました。
ここは、飛鳥大仏と同様、時空を超えた歴史の転換点ともいえる場所なのです。
飛鳥寺の御朱印は、真ん中に飛鳥大佛の墨書があり、右上に新西國三十三所第九番札所の印、真ん中に蓮華座に梵字(釈迦如来)の火焔宝珠印、左下に飛鳥寺の文字と飛鳥寺の印が押されています。
ほかに、飛鳥大仏が開眼供養されてから1400年目にあたる2008年(平成20年)に作られた「飛鳥大仏開眼1400年記念散華」もおすすめです。料金は3枚セットで600円です。
飛鳥寺から望める標高148mの「甘樫丘」は、かつて蘇我入鹿が居宅をこのあたりに築き、その権勢を天下に示したところです。
その甘樫丘からは、飛鳥寺の全景を見ることができます。写真の一番手前に入鹿の首塚があり、奥のほうに飛鳥寺の本堂と思惟殿および鐘楼が並んで見えます。
また甘樫丘は、耳成山、畝傍山、天香具山の大和三山を望む絶好のビュースポットでもあります。のどかな明日香村の風景を存分に楽しんでください。
<甘樫丘の基本情報>
住所:奈良県高市郡明日香村大字豊浦788
電話番号:0744-54-2441(飛鳥管理センター)
アクセス:近鉄「橿原神宮前駅」から奈良交通バスで「甘樫丘」バス停下車、徒歩約15分
車利用の場合は、飛鳥歴史公園甘樫丘地区川原駐車場利用
住所:奈良県高市郡明日香村大字飛鳥682
電話番号:0744-54-2126
拝観料:一般350円、中高生250円、小学生200円
拝観時間:
4月1日〜9月30日 9:00〜17:30(受付は17:15まで)
10月1日〜3月31日 9:00〜17:00(受付は16:45まで)
休業日:4月7日〜4月9日(花会式のため)
アクセス:近鉄「橿原神宮前駅」から奈良交通バスで「飛鳥大仏前」バス停下車、徒歩約1分
車利用の場合は、専用駐車場利用
2023年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
■関連MEMO
旅する明日香ネット・飛鳥寺(外部リンク)
https://asukamura.com/sightseeing/487/
奈良県・春の明日香村で桜のお花見スポットめぐりを楽しもう!
https://www.travel.co.jp/guide/article/42705/
ロボット兵っぽい!?奈良・日本初の漏刻「飛鳥水落遺跡」
https://www.travel.co.jp/guide/article/47963/
【トラベルjp・ナビゲーター】
モノホシ ダン
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