2023-10-02
JR環状線、近鉄線、そして、大阪メトロ千日前線とが交わる鶴橋駅界隈といえば、コリアン文化が根付いた街として知られています。なかでも、駅の高架下に広がる市場にはキムチやチヂミ、豚足、キンパと珍しい食材がたくさん販売されており、それを買い求める多くの人で日々にぎわっています。今回は鶴橋の市場の代名詞というべき「鶴橋商店街」を散策してみましょう。
鶴橋商店街は、終戦後、当地に広がった闇市を起源としています。食料品をふくめ、さまざまな物資がとりそろえられていた当時の闇市は、敗戦にともなって困窮をきわめていた当時の大阪の庶民に受け入れられ、その翌年には現在の商店街の原型が形作られています。
鶴橋商店街の最寄り駅である鶴橋駅は、大阪市東部のキーステーション。写真はJR鶴橋駅の改札付近を撮影したものですが、左手奥には、駅に隣接するように鶴橋商店街への入り口が待ち構えています。
鶴橋散策の出発点として活用しましょう。
鶴橋商店街のもう一つの特徴は、その周辺地域に朝鮮半島からやって来た人たちがたくさん暮らしていること。したがって、独自のコリアン文化が根付いており、それが鶴橋商店街で販売されているさまざまな商品にも反映されています。
たとえば、こちらの衣料店で販売されているのは、韓国の民族衣装であるチマ・チョゴリ。チマ・チョゴリを販売している商店街なんて、なかなかありませんよ。
鶴橋といえば、焼肉!そう思い浮かべる方も多いでしょう。事実、付近には焼肉店が軒を連ねており、昼夜を問わず、あたり一帯、焼肉の臭いが充満しています。
しかし、焼肉だけで鶴橋を語ることはできません。近鉄線の高架を背骨のようにして左右に大きく広がる鶴橋商店街を散策すると、いたるところでコリアン文化を象徴する食材と出合えます。
たとえば、写真は軒先に並べられたキムチ。ご覧いただくと、一口にキムチといってもさまざまな種類があることをおわかりいただけるでしょう。お店の人に声をかけたら、味見もさせてもらえますよ。
豚肉などの畜産を販売するお店もあります。量り売り形式で、その場で切り分けていただけるのも、うれしいですね。
市場ではチヂミも販売されています。チヂミは小麦粉や米粉に卵、水、野菜や海産物などを入れて混ぜ合わせ、フライパンで焼いたもの。お好み焼きのコリアン版といったらいいでしょうか。
店先で焼かれているので、さまざまな種類のチヂミを気軽に買い求めることができます。もちろん、その場でいただくことも可能。
散策の折、小腹がすいたら、本場のキムチをおやつ代わりに召し上がってみてください。
写真は「キンパ」(キンパム)。キンパとは、巻き寿司の一種。日本の巻き寿司とは異なり、酢飯ではなく、ごま油や塩で味をととのえる点に特徴があります。
近年、ようやくスーパーマーケットでも見掛けるようになりましたが、キムチやチヂミに比べると、その知名度はまだまだ。ぜひ、この機会にお召しあがりください。
うるち米などで作られる朝鮮半島のお餅「トック(トッ)」も一種類ではなく、さまざまなメーカーのものが売られています。
こちらはパック詰めなので、お土産としても買い求めやすいですね。
鶴橋商店街は狭い通路が縦横無尽に走っており、さながら迷路のようです。その大半がアーケード形式になっているため、雨の日でも傘をささずに歩けます。
迷路のような路地をぶらぶらすると、人が一人通れるくらいの道幅しかないところも随所にあります。そんな路地を見かけたら、勇気を持って進んでみましょう。進んでいくと大きな通りに抜けられることがしばしば。ひょっとしたら、途中でお気に入りのお店と出合えるかも。
路地散策の醍醐味ですね。
<鶴橋商店街の基本情報>
住所:大阪府大阪市東成区東小橋および生野区鶴橋
アクセス:JR・近鉄・大阪メトロ「鶴橋駅」よりすぐ
散策に疲れたら、鶴橋名物の朝鮮料理を食してみてはいかがでしょうか。鶴橋には、もちろん、たくさんの朝鮮料理屋が軒を連ねていますが、今回は珍しい朝鮮料理を出すお店として知られる「おいそ」のメニューからご紹介しましょう。
写真は「サムギョプサル」。豚の三枚肉を使った焼肉料理で、焼いた肉をサンチュやエゴマの葉で巻き、キムチや味噌、葉菜類と一緒に食べます。
こちらは「スンデ」。豚の血液や餅米、野菜、でん粉を材料とする唐麺などを練りあげ、豚の腸に詰め込んだもので、蒸していただきます。
上でご紹介したサムギョプサルよりもに珍しい食べ物なので、ぜひお召しあがりください。
<おいその基本情報>
住所:大阪府大阪市生野区鶴橋2-2-20
電話番号:06-6715-1160
アクセス:JR・近鉄・大阪メトロ「鶴橋駅」よりすぐ
鶴橋商店街がいかに珍しく、魅力的なところか、おわかりいただけたでしょうか。JR環状線および近鉄線からすぐのところにあり、アクセスも快適。鶴橋商店界で魅惑のコリアン文化を体感してください。
2023年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
■関連MEMO
大阪屈指の迷宮商店街 鶴橋商店街(外部リンク)
https://tsurushin.com/
【トラベルjp・ナビゲーター】
乾口 達司
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