2023-10-12
ティラナはアルバニア唯一の大都会で首都であるとともに国の経済の中心地。近代に町並みが整備されたので面白みのない都会のように思われがちですが、国立歴史博物館が素晴らしく古代モザイク遺跡も印象的。個性的な建築物が多く意外に興味深い発見ができます。主な見どころが市内中心部にあるので、徒歩で一日ゆっくりと散策可能。またアルバニア中央部に位置しており各地へのエクスカーション基地としてもおすすめです。
スカンデルベグは中世アルバニアの君主でオスマン帝国に抵抗した民族英雄。彼の名を冠した大きな広場がティラナの中央にあり、首都観光の出発点となっています。スカンデルベグの勇ましい騎馬銅像があり横にはアルバニアの国旗がはためいています。
<スカンデルベグ広場の基本情報>
名称:Sheshi Skender Beu
住所:Plaza Tirana, Sheshi Skender Beu,Tirane
アクセス:バスTirane Central Bus Stopより徒歩3分、鉄道ティラナ駅より徒歩25分
スカンデルベグ広場の東側には国立オペラ劇場や国立図書館などが属する広大なビルがあります。長方形の箱のような建物で、正式名はカルチャーセンターとなっておりオペラのみならず様々な式典などが行われます。
アルバニアにはかつて世界から孤立していた歴史があり、第二次世界大戦から冷戦時代にかけてに国内各地に70万ものバンカー(トーチカ・地下退避豪)が建設されました。スカンデルベグ広場にもその名残があり、現在はバンクアートという名前で地下ミュージアムとして使われています。こうしたバンカーめぐりというのも一興です。
スカンデルベグ広場で一番目立つのがティラナ国立歴史博物館。ファサード上部には11×40mの巨大なモザイク状の壁画があり「アルバニア人」と題された民衆像が描かれ迫力満点。内部も広く三階建てでアルバニアの歴史が年代順に詳しく説明され、貴重な文物も展示されており本格的で見応えがあります。ただし内部の写真撮影は禁止です。
これは政府機関で「Ministry of Agriculture」つまり農業省の建物。配色があまりに可愛いので記念撮影する人も多いフォトスポットです。ラッピングされたケーキ箱のようですね。
スカンデルベグ広場から南へ歩くと印象的なピラミッド状の建築物があります。これはかつてアルバニアに君臨した独裁者ホッジャを記念して建てられたものでしたが、激動の歴史の中で様々に使用され、コソボ紛争の最中にはNATO基地であったことも。近年は放置され荒廃していましたが、現在は青少年技術教育センターとして再生する試みが進んでいます。
スカンデルベグ広場を南へ1km、ダシュモラト・エ・コンビット大通りの突き当りにマザー・テレサ広場があります。マザー・テレサは北マケドニアのスコピエ生まれですが、母親がアルバニア人で父親がアルバニア独立運動家。ノーベル平和賞を受賞したこともありアルバニアでも顕彰され、ティラナ国際空港も愛称マザー・テレサ空港とされています。
マザー・テレサ広場正面にあるのがティラナ工科大学。アルバニアの名門大学で、日本の慶應義塾大学との研究協定が結ばれています。ここは、広場とともにイタリア人建築家herardo Bosioにより設計されたものです。
広場の東側に競技場があります。日本でいえば国立競技場にあたりサッカー・アルバニア代表がホームとしています。アレーナ・コムバターレと呼ばれてきましたが、今はエア・アルバニア・スタジアムとなっています。横の特徴的な配色の高層ビルはティラナ・マリオットホテルです。
<マザーテレサ広場の基本情報>
名称:Sheshi Nene Tereza
住所:8R9C+5GF, Bulevardi Sheshi Nene Tereza, Tirane
アクセス:スカデルベグ広場から徒歩20分
ここは3世紀頃のモザイク床の神殿跡で、さらに古くは古代ローマ人の住居があったことが発掘で明らかになりつつあります。都市開発中に偶然発見されたものでティラナでは最も古い遺跡現場です。近くには道標もありますのでぜひ見学されてはいかがでしょうか。なお、閉鎖中のこともあるので、あらかじめ確認して訪問してください。
最近の発掘により床のモザイクをはじめ、古代のレリーフや石像・壺などが発見されています。規模は小さいものの古代ローマ帝国のよすがを偲ぶことができます。
ティラナはアルバニア中部に20世紀になって造られた首都ですが、先史時代からイリュリア人が住んでいました。有史時代になって交通の要所であることから、古代ローマ人が住み着き、このような建造物がつくられたのです。
モザイクはそれほど大きくありませんが、繊細な模様が見て取れ、古代の息吹を感じさせるものです。歴史好きには最高で見ごたえがあります。市内中心部から徒歩圏内にあることから貴重な観光スポットです。
<ティラナ・モザイクの基本情報>
住所:8RJ3+2MQ, Tirane
アクセス:スカデルベグ広場から徒歩20分
ティラナは自由で闊達な町です。宗教的にもきわめて世俗的でタブーも少なく、他のバルカン諸国のように紛争もないので、気楽に散策を楽しめます。写真撮影も自由で、街角スナップに最適。諸物価も安く、今のところチップの習慣も広がっていないので日本人旅行者には滞在に最適な町となっています。
スカンデルベグ広場を少し南に行った場所に現代美術館があり、その裏の広場には歴代独裁者などの銅像がアルバニア各地から集められ屋外放置展示されています。右端の大きなスターリン像は、かつてスカンデルベグ広場に立っていたもの。共産主義時代の名残と言えるでしょう。
市内を散策すれば街角スナップの撮影を楽しめます。落書き壁画などもお国柄を示して興味深いものです。露店やスーパーマーケットも多くあり、レストランなどでの食事も美味しく人々は親切で好印象。治安も良いので町歩きを楽しみながら、バルカン旅行の途中に一休み、ゆっくり過ごされてはいかがでしょうか。
ティラナの中心へは、ティラナ国際空港(マザー・テレサ空港)からバスで約30分、タクシーで約20分。スカンデルベグ広場東側すぐのTirane Central Bus Stopに空港バスターミナルがあります。エアポートシャトルバスは1時間おきに出ています。
ティラナに国鉄駅はありますが便数が少なくおすすめしません。アルバニアでは鉄道よりバスのほうが安くて便利です。
飛行機は、ティラナへは日本から直行便がないので、イスタンブールかローマまたはフランクフルト乗り換えで、約12時間〜20時間でアクセスします。
2023年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください
■関連MEMO
アルバニア屈指の世界遺産「千の窓を持つ町」ベラト
https://www.travel.co.jp/guide/article/47930/
マザーテレサ記念館も!北マケドニアの首都スコピエを歩く
https://www.travel.co.jp/guide/article/47675/
【トラベルjp・ナビゲーター】
菊池 模糊
関連記事
オリコンタイアップ特集
オリコンタイアップ特集
オリコンタイアップ特集
オリコンタイアップ特集
オリコンタイアップ特集
オリコンタイアップ特集
カードローン比較ガイド Powered by オリコン
オリコン顧客満足度ランキング
プレゼント特集