2023-10-25
わが家は授かり婚夫婦です。結婚したばかりのころは、人に「おめでとう」と言われると、夫は「いや、まあ、うちはデキ婚だから」と素直に受け止めようとしませんでした。私はその言葉を聞くたび、「授かり婚は、おめでたくないってこと?」とモヤモヤしていました。そんな夫の態度ががらりと変わった出来事についてお話しします。
ある日、夫と一緒に行きつけの飲食店に行くと、常連仲間のAさん(男性・30代後半)がいました。そこで、子どもができたことを報告すると、Aさんが「おめでとう」と言ってくれたのですが、いつもの調子で「いや、でもデキ婚ですからね〜」という夫。
それを聞いたAさんは、「授かり婚だとか、授かり婚じゃないとか関係なく、子どもができたことはおめでたいことでしょ。それ、奥さんにも失礼だし、聞いているほうも気分が良くないよ。うちは子どもができないからさ。大事にしてあげなよ」と話してくれたのです。
聞くとAさんは結婚後、子どもができず、夫婦で不妊治療を続けているとのこと。夫は一瞬、面食らったような顔をし、「そうだったんですね……」と言いながらしゅんとした様子で話を聞いていました。
帰宅後、夫は、「自分を下げるつもりで言っていたけれど、それが周りの人を傷つけることになっていたとは気づかなかった」と猛省した様子。それ以来、周囲からの「おめでとう」を素直に受け止めるようになった夫。それだけではなく、「子どもができたことだって、当たり前のことじゃないから感謝しないとな」と、子どもを授かったことに対しても意識が変わったようでした。
その後、わが家は2人の子どもに恵まれました。今ではすっかり子煩悩なパパになり、授かり婚を下げるような発言をしていた夫はいません。子どもを授かれたことのありがたみを感じながら、毎日を過ごしています。
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著者:南星 花3歳と1歳の姉妹と、発達障害の夫、13歳の猫と暮らす。妊娠中に夫の失業、切迫早産、胎児発育不全など、さまざまなトラブルを体験。IT業界で働くワーキングマザー。
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