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オランダの古都ライデンにある風車博物館「デ・ファルク」

2023-11-10

オランダの南ホランド州にあるライデンは、オランダ最古の大学があり、画家レンブラントや幕末の長崎に医師として赴任したシーボルトにゆかりのある町でもあります。
この町にある風車は、当時の暮らしぶりや町の眺望を楽しめる博物館となっています。その名も「デ・ファルク風車博物館」。風車の歴史や仕組み、生活様式などが7階建ての風車の中に詰まっています。梯子のような階段で上がる展望階からは町の眺望が楽しめます。

運河沿いに佇む風車

写真:Hiroko Oji

ライン川や運河が町中を流れ、オランダ最古の大学があるライデン。画家レンブラントの生誕地であり、日本博物館「シーボルトハウス」があることでも知られています。
この町にはいくつもの博物館があり、「デ・ファルク」と呼ばれる風車も1986年から博物館として公開されています。

写真:Hiroko Oji

17世紀以前の美しい町並みが残るライデンの中心部は、かつて城壁の外堀だったという運河にぐるっと囲まれています。その運河そばに建っているのが「デ・ファルク風車博物館」。
かつての城壁には19の工場としての風車があったのですが現在残されているのは当風車の一基のみ。風車前の運河沿いには緑豊かな公園が広がり、前に蝋燭がたくさん供えられた「戦争の碑」というモニュメントやカフェ・レストランの建物が建っています。

写真:Hiroko Oji

1743年に建てられてから1964年まで実際に使用されていた風車は、入り口を入った所に大きな二つの石臼が展示されていて、奥に受付とちょっとしたお土産物コーナーがあります。

当時の暮らしぶりを伝える展示

写真:Hiroko Oji

受付のある1階部分につながるお部屋では、風車守として実際に暮らしていた当時の生活の様子が再現されています。
1743年に風車が建てられたときには、隣接したスペースに独立した家を建てるのに十分なスペースがあり、新しくレイアウトをし改築したのです。これはそのうちの一部屋のグリーンルーム。風情のあるペンダントライトがぶら下がり、主に家族の大小の肖像画が壁を飾っています。

写真:Hiroko Oji

こちらの応接間でも家族の肖像画や風車や家紋の画像がたくさん飾られ、テーブル上には年季の入った地球儀が残されています。

写真:Hiroko Oji

そしてこちらがキッチン。デルフトブルーのタイルがシンクの上の壁に飾られ、煉瓦で囲われた竈や古い薪ストーブに石炭ストーブもあり、今でもすぐにお湯を沸かしたりお料理ができそうな状態。
どの部屋もオリジナルの家具がほとんど当時のまま保存されていて、タイムスリップしたような気持ちで見学できます。

塔型の風車内

写真:Hiroko Oji

リビングスペースに隣接する風車は7階建ての大きな塔型のもの。それぞれの階は急な木製の階段で繋がります。

写真:Hiroko Oji

階段は上階にいくにつれ、傾斜が急となります。特に最上階の階段はほぼ垂直に近いもので、階段というより梯子状態。注意しながらやっと上ったとしても下りるときはあまりにも急すぎて、体を斜めにして後ろ向きに手摺につかまりながらでないと下りられないほどです。

写真:Hiroko Oji

展示スペースは3フロアに分かれています。3フロアーの1階には「オランダのシンボル、風車」という展示があり、工具や本、飛行機が入った陳列ケースが置かれています。オランダ風車がテーマの映像も見ることができます。
2階では、ライデンの製粉業者組合、デ・ファルクの歴史などの展示が続き、風車の模型などが並び、3階では穀物製粉の歴史、タワーミル・製材所・いくつかの干拓地など、さまざまなタイプの製粉所について紹介されています。

製粉工場としての機能

写真:Hiroko Oji

展望階より上の階では、製粉屋の作業場、対の砥石を使っての研削作業、屋根裏部屋での穀物が持ち上げられた後貯蔵サイロに投入される様子などが見学できます。
最上階の屋根裏部屋には、風を受けて回転した羽根の力が伝わる直径3メートルの木製歯車が頭上に!なかなかの迫力です。

写真:Hiroko Oji

一つ分下の階では、屋根裏部屋まで持ち上げられ貯蔵サイロに投入された穀物が一対の砥石を使って研削されます。砥石には溝があり、上の砥石が回ることで、穀物が粉になり、粉が砥石の側面から出てくるのです。

写真:Hiroko Oji

研削された粉は粉砕ロフトで袋に充填されたあと、計量され品質のチェックを受けることになります。
このような製粉工程を見学した後は展望階に出てみましょう。

展望階からの眺望

写真:Hiroko Oji

展望階は風車の真ん中あたりに設置されていて、デッキから上を眺めると風受けの大きな羽根を間近で見ることができ、その迫力に圧倒されそうです。

写真:Hiroko Oji

そしてデッキからの眺めがこちら。運河が流れ17世紀以前の情緒溢れる歴史的建造物が建ち並び緑豊かなライデンの町並みが見渡せます。
鉄道駅から徒歩5分ほどのロケーションにあるこの風車から町並みを見渡しておくと、どの辺りに何があるか大体の見当もついて歩きやすくなるはず。町歩きを始める前にぜひこの風車博物館をご訪問なさってくださいね。

デ・ファルク風車博物館の基本情報

住所:2e Binnenvestgracht 1, 2312 BZ Leiden
電話番号:+31-71-516-5353
開館時間:10:00〜17:00
休館日:月曜日
2023年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
デ・ファルク風車博物館(外部リンク)
https://molenmuseumdevalk.nl
日本のタイムカプセル!オランダ・ライデン「シーボルトハウス」
https://www.travel.co.jp/guide/article/48074/

【トラベルjp・ナビゲーター】
Hiroko Oji

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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