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ボスニア・ヘルツェゴヴィナの人気世界遺産モスタルを訪ねて

2024-01-06

モスタルはボスニア・ヘルツェゴヴィナ屈指の人気観光地で歴史的にも非常に重要な世界遺産です。紛争が終わって多文化の共生と融和の象徴ともいうべき古い橋=スタリ・モストの両側に旧市街が広がり、モスクや教会をはじめとする多様な建築物が連なることから多くの観光客が訪れています。
セルビアやクロアチア、モンテネグロなど周辺の各国からの真ん中にありアクセスも良く、バルカン旅行には欠かせない場所なのです。

世界遺産の橋スタリ・モスト

写真:菊池 模糊

スタリ・モストは16世紀にオスマン帝国のスレイマン大帝が命じて9年の月日を費やして建設した驚異的な石橋で、町の中心を流れるネレトヴァ川に架かりモスタルの町の名前の由来にもなりました。ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の際に破壊されましたが、2004年に再建され、翌年「モスタル旧市街の古い橋の地区」として世界遺産に登録されました。多文化の共生と融和の象徴という側面も評価されたのです。

写真:菊池 模糊

スタリ・モストを真下から見上げると圧倒的な迫力があります。幅30m、高さ24mの規模があり、16世紀によくぞこのような高さに橋梁を造ったものだと驚かされます。建設当時は世界唯一最大の石造シングル・スパン・アーチで、オスマン帝国の土木技術の高さを示しています。

写真:菊池 模糊

スタリ・モストは町のシンボルであり民族融和の象徴ですので、世界中から多くの観光客が訪れます。橋の上を歩くと目も眩むような高度感があり、皆さん記念撮影をしています。
夏には現地の若者達がここから川に飛び込む習慣があり名物イベントになっています。
<スタリ・モストの基本情報>
住所:Stari Most, Mostar 88000
電話:+387-6303-5427
アクセス:モスタルバスステーションから徒歩約15分

モスタルを歩く

写真:菊池 模糊

スタリ・モストの前後は歩行者天国の石畳の道が続き、両側には洒落たショップ・露店・レストラン・土産物店などが連なり多くの観光客が散策を楽しんでいます。特に目立つのは道に突き出したオープンカフェで、開放的な雰囲気を醸し出しています。

写真:菊池 模糊

スタリ・モスト近くは道が狭く観光客や巡礼者が多いので混み合います。おまけに露店やカフェが遠慮なく道に出ているので、ぶつからないように注意して慎重に散策してください。
行きかう地元の人々は非常に多様で、世界中からの観光客も混ざるので、まさに多文化のるつぼです。店などの見学だけでなく、人々の様子を観察するのも一興です。

写真:菊池 模糊

スタリ・モストの西側にはクロアチア系のキリスト教徒が住んでおり、いくつかの教会もあります。写真は聖ペトロ・パウロ教会で2000年にできた新しいもの。107mの高い鐘楼には一部エレベーターがあり有料で登ることもできます。展望が良いことからモスタルの新しい名所になりつつあります。

モスクの見学

写真:菊池 模糊

スタリ・モストの東側はイスラム教徒が住みモスクが多数あります。代表的なのがコスキ・メフメト・パシャモスクで、1618年にオスマン帝国によって建設されたもの。
ネレトヴァ川のほとりにありスタリ・モストを展望するビューポイント。モスタルの代表的観光スポットで、入場は有料ですがモスク内部の装飾が美しく、写真撮影可です。

写真:菊池 模糊

コスキ・メフメト・パシャモスクの内部はシンプルで可愛らしさが横溢しており魅力的です。光を透す小型のステンドグラスが映えて上品な雰囲気も漂います。

写真:菊池 模糊

天井ドームは小さな模様が連なり、美しく圧巻です。また付属するミナレットにも有料で上ることができ、スタリ・モスト方面の絶景を望めますが、階段が狭いので十分注意してください。
<コスキ・メフメト・パシャモスクの基本情報>
住所:Mala Tepa 16, Mostar 80807
入場:宗教儀式時以外は有料で入場でき内部撮影も可。尖塔に上るには別料金が必要。
アクセス:モスタルバスステーションから徒歩約15分

イスラム色満載のトルコ人の家など

写真:菊池 模糊

ボスニア・ヘルツェゴビナは、隣接するクロアチアやモンテネグロなどに比べるとイスラム教徒の率が高くオスマン帝国の文化の影響を強く受けています。スタリ・モストの北側15分ほど歩いたところに、当時ここを支配していた「トルコ人の家」があり、見学できる観光名所になっています。

写真:菊池 模糊

一階は玄関から台所、土間などがあり調理器具展示が興味深いです。二階は居間や男女別の部屋があり、当時の上流階級の大家族の生活がよく分かります。トルコ絨毯の敷き詰められた居室は豪華で、掛かっている衣装も素晴らしいものです。

写真:菊池 模糊

写真はトルコ文化の象徴のような蒸し風呂ハマムの博物館です。その他近辺にはスタリ・モスト博物館、戦争博物館などがあり、じっくりと滞在してモスタルの歴史と文化を探勝できます。

巡礼地メジュゴリェ

写真:菊池 模糊

モスタル近郊の名所として巡礼地メジュゴリェがあります。モスタルからバスで30分強で行けるので日帰りエクスカーションとしておすすめします。
ここは1981年以来、聖母マリアの出現を見た若者が続出し、2019年にローマ法王が巡礼を許可したことから多くのキリスト教徒が訪れるようになった場所です。ルルドやファティマのように本格的に認定された巡礼地ではありませんが、多くの観光客を集めています。年間100万人の巡礼者が来るようになったため、写真のような屋外ステージも設けられました。

写真:菊池 模糊

メジュゴリェ巡礼の中心は聖ジェームス教会です。1992年に建てられた新しい聖堂で綺麗です。この周辺には大きな公園があり、マリア像・キリスト像・聖書逸話展示などがあり、巡礼者がゆっくり回って散策できるようになっています。
<聖ジェームス教会の基本情報>
住所:Main st, Medjugorje
電話:+387-36-651988
入場料金:無料
アクセス:メジュゴリェバスステーションから徒歩約5分

写真:菊池 模糊

モスタル近辺ではトルコ料理の影響を受け、レストランでの食事も美味しいものです。写真は小さな挽肉のソーセージとでも言うべきチェバプチチ。イスラム系料理なので羊肉ですが日本人の口に合う名物料理なのでおすすめします。

モスタルへのアクセスは?

モスタルへは、ボスニア・ヘルツェゴヴィナの首都サラエボからは鉄道で約2時間、バスで約2時間30分。鉄道は車窓風景が良いものの一日2本しかなく遅延も多発することから、本数が多いバスのほうが一般的です。
モンテネグロのポドゴリツアやコトル、クロアチアのドゥブロヴニクやスプリットからもバスがあるので、行程と時間が合えば上手く利用してください。
なお、サラエボへは日本から直行便がないので、イスタンブールかドーハまたはドバイなどから乗り換えで、約12時間〜20時間でアクセスします。
2024年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
モンテネグロの世界遺産コトルは魅力いっぱいの要害都市だ!
https://www.travel.co.jp/guide/article/48140
モスタル公式サイト(外部リンク)
https://www.mostar.ba/

【トラベルjp・ナビゲーター】
菊池 模糊

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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