2024-01-09
東大寺二月堂(とうだいじにがつどう)は奈良の大仏がある大仏殿から東に5分ほど歩いた場所に位置しています。平成17年に国宝に指定された二月堂は、斜面に張り出すように建てられた迫力満点の仏堂。奈良の早春の風物詩である「お水取り」が行われる建物としても知られているので、ぜひ実際に足を運んでみてください。
二月堂は「お水取り」とも呼ばれる東大寺の「修二会(しゅにえ)」が行われる建物です。修二会は国家安泰や五穀豊穣をはじめとする人々の幸福を祈る行事として奈良の寺院を中心に行われており、なかでも東大寺の修二会は特に良く知られています。
3月1日から14日の間に練行衆(れんぎょうしゅう)と呼ばれる僧侶が本尊の十一面観音の周りを走り、礼堂で五体投地を行う「走りの行法」や二月堂の舞台上で火のついた松明を振り回す「お松明」などが執り行われます。
修二会の中心的行事であるお水取りは、3月12日の深夜から3月13日の未明にかけて行われます。二月堂前の若狭井(わかさい)と呼ばれる井戸から汲んだ神聖な水を奏楽を伴いながら本尊の十一面観音に捧げます。
修二会は天平勝宝4年(752年)から一度も途絶えることなく今日まで伝えられている「不退の行法」として、1270年以上にわたって続けられています。
二月堂は奈良時代の天平勝宝4年(752年)に創建されますが、寛文7年(1667)の修二会の際に火災で焼失してしまいます。その後、寛文9年(1669年)に江戸幕府の4代将軍徳川家綱の援助によって再建されました。
二月堂は東側が高く西側が低い傾斜地に建てられているため、一部が崖に張り出し床下は柱を組んで支える構造になっています。この建築様式を懸造(かけづくり)もしくは舞台造(ぶたいづくり)と呼び、京都の清水寺など寺社建築でしばしば取り入れられています。
二月堂の正面部分は吹き放ちの舞台となっており、修二会の際に松明をかざす場所として使われています。この松明の火の粉をかぶれば無病息災で過ごせると言われ、毎年修二会の期間中は多くの参拝者が訪れます。
二月堂は古代より修二会の開催に最適化した施設として整備が進みました。江戸時代の再建後も優れた建築技術によって美しい伽藍として保存されています。
二月堂は周囲より高い土地に建築されているため、舞台からは奈良盆地を望むことができます。東大寺伽藍の瓦屋根と遠くに見える奈良盆地とのコントラストが美しく、古都の雰囲気を存分に堪能できます。
手前の回廊は二月堂へ参拝するための登廊(のぼりろう)で、さらにその奥にはお水取りで神聖な水を汲む若狭井(わかさい)が置かれている閼伽井屋(あかいや)という建物があります。
大仏殿の北側を通り二月堂へと続く緩やかな坂道は「裏参道」とも呼ばれ、土塀と石畳が非常に美しい小道です。表参道には多くの観光客がいるのに対して、この裏参道は比較的落ち着いた雰囲気となっています。
裏参道には立派な門構えの塔頭寺院が軒を連ね、まるで古代にタイムトリップしたような気分に浸ることができます。
住所:奈良市雑司町406-1
アクセス:近鉄奈良駅から徒歩約20分
拝観時間:周囲は24時間参拝可能
入場料:無料
2024年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
■関連MEMO
東大寺公式サイト(二月堂ページ)(外部リンク)
https://www.todaiji.or.jp/information/nigatsudo/
公益社団法人奈良市観光協会公式ホームページ(二月堂ページ)(外部リンク)
https://narashikanko.or.jp/event/shunietodaiji/
奈良県公式観光サイト(二月堂ページ)(外部リンク)
https://yamatoji.nara-kankou.or.jp/01shaji/02tera/01north_area/todaijinigatsudo/
【トラベルjp・ナビゲーター】
島塚 渓
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