ホーム 旅行&おでかけ > ボスニア・ヘルツェゴヴィナの首都サラエヴォは歴史に彩られた町だ!

ボスニア・ヘルツェゴヴィナの首都サラエヴォは歴史に彩られた町だ!

2024-02-03

サラエヴォ事件の起こった町として歴史の教科書に載っているボスニア・ヘルツェゴヴィナの首都。今はバルカン有数の大観光地となり、その歴史的町並みは世界中から人々を惹き付けています。オスマン帝国時代から商業都市として栄え、さまざまな民族・宗教・言語など諸文化が交錯した稀有なモザイク都市がサラエヴォなのです。中でもバシュチャルシァと呼ばれる旧市街は観光の中心で、見どころが一杯。楽しく散策できます。

路面電車と旧市庁舎

写真:菊池 模糊

サラエヴォは、1885年にヨーロッパ初の終日運行トラムを導入した町で、1号線が鉄道駅と旧市街を結んでおり、市民の足となっています。特に古い車体が川沿いを走る姿は情緒があり、町の風物詩として絵になります。
なお、チケットは運転手から買うと割高になりお釣りが無い場合もあるので、町のキオスクや煙草屋で購入しましょう。また乗車したら必ず車内の打刻機に挿入して刻印してください。

写真:菊池 模糊

市内を貫くミリャツカ川沿いに建つ美しい建物がサラエヴォ旧市庁舎。オーストリア・ハンガリー帝国時代に建てられ、紛争時に焼失しましたが、2014年に再建され往時の姿を取り戻しました。ツートンカラーの疑似ムーア様式建築物でサラエヴォを代表する美しさを誇ります。
サラエヴォ市は2019年、日本の広島市と「交流・連携都市宣言」を締結しました。紛争を乗り越え平和や文化を築く取り組みが図られています。日本で活躍した歌手ヤドランカやサッカーの元日本代表監督オシムの故郷でもあり、日本との繋がりも深い町なのです。
<サラエヴォ旧市庁舎の基本情報>
住所:Brodac 1, Sarajevo 71000
電話番号:+387-3329-2800
アクセス:バシチャルシヤのバス停から徒歩10分、有料で入場も可

写真:菊池 模糊

サラエヴォは町並みが美しく、旧市街中心部は歩行者天国になっており、世界中の観光客に好評です。イスラム教やカトリック、オーソドックス(正教会)、ユダヤ教など様々な宗教が混在し、各宗派の聖堂が建ち並び、町を歩く人々も非常に多彩で独特の雰囲気を醸し出しています。

教会やモスク

写真:菊池 模糊

サラエヴォはさまざまな宗教の聖堂が建つ興味深い町です。なかでも最大級の規模を誇るのがカトリックのサラエヴォ大聖堂。正式名を「イエスの聖心大聖堂」といい、1874年に建てられたネオ・ゴシック様式のツインタワーの教会で、サラエヴォのランドマークでもあります。
<サラエヴォ大聖堂の基本情報>
住所:Trg Fra Grge Martica 2, Sarajevo 71000
電話番号:+387-3321-0281
アクセス:水飲み場のバス停から徒歩20分

写真:菊池 模糊

サラエヴォで信者が最も多いのがイスラム教で、そのモスクの代表がガジ・ヒュースレフ・ベイ・モスク。オスマン帝国時代の1532年に建造されたボスニア・ヘルツェゴビナ最大の壮麗なモスクです。
このモスクは広大な敷地を有し、図書館、小中学校、博物館、手洗い場、ハマーム(公衆浴場)などが含まれ、サラエボ市民の憩いの場所になっています。

写真:菊池 模糊

内部はシンプルですが、イスラムらしい上品さのある雰囲気で、天井のドームは圧巻です。宗教行事がなければ有料で見学でき写真撮影も可です。ただし女性はスカーフなど頭部を覆うものを着用せねばなりません。
<ガジ・ヒュースレフ・ベイ・モスクの基本情報>
住所:Saraci 8, Sarajevo
電話番号:+387-3353-2144
アクセス:水飲み場のバス停から徒歩15分

水飲み場など

写真:菊池 模糊

サラエヴォのシンボルというべきなのがセビリと呼ばれる水飲み場。旧市街の東端に位置し多くの観光客を集めています。水飲み場として現在も機能しており、現地の方々も利用しています。
空港バスの停車場も近いので、ここから観光をスタートするのもよいでしょう。
<水飲み場の基本情報>
住所:Bascarsija 1,Sarajevo 71000
電話番号:+387-6176-8766
アクセス:空港バスの水飲み場(バシュチャルシヤ)バス停すぐ

写真:菊池 模糊

水飲み場からすぐのバシュチャルシヤは、トルコ語で「メインの市場」を意味し、16世紀にオスマン帝国により作られた商業地区で、旧市街の真ん中を東西に貫くフェルハディヤ通りにつながっており散策に最適。おなじみのイスラム的な金属加工品や宝飾品、ランプ類、陶器などの雑貨類が売られており楽しくて時間を忘れる場所です。
中でもユニークなのは、チトー元大統領らの写真や銃弾で作ったポールペン、砲弾利用花瓶などで商魂の逞しさを感じさせます。

写真:菊池 模糊

この近辺は鳩が多く市民も優しく接しています。餌をやる人も多いので油断すると人の頭まで大量の鳩だらけになります。
サラエヴォは何度も戦火に見舞われ紛争の多い歴史を持っていますが、今は平和の象徴である鳩の天国。平和を祈って鳩の集合を楽しみ写真を撮ってみてはいかがでしょうか。

サラエヴォ事件の現場

写真:菊池 模糊

町を東西に貫くミリャツカ川に架かる美しい橋があります。オスマン帝国時代に造られたイスラム様式の橋で、当時ここにカトリック教徒が多く居たことからラテン橋と命名されました。

写真:菊池 模糊

1914年6月28日、ラテン橋のすぐ北で、オーストリア=ハンガリー帝国の皇太子フランツ・フェルディナント夫妻が、セルビア人の若者ガブリロ・プリンツィプに暗殺されました。これが第一次世界大戦の契機となったのです。
このサラエヴォ事件の現場壁には、写真のように事件を明示するエンブレムが張り付けられています。ここが、かの有名な歴史の現場なのかと実感することができます。

写真:菊池 模糊

サラエヴォ事件のあったラテン橋の前にあるのがサラエヴォ博物館。とても小さな博物館でサラエヴォ事件に特化した展示物があります。暗殺者プリンツィプは、セルビア時代には英雄視されましたが、今はイスラム系が多い市政となり、セルビア民族主義のテロリストと位置付けられています。
<サラエヴォ博物館の基本情報>
住所:Zelenih beretki 1, Sarajevo 71000
電話番号:+387-3353-3288
アクセス:バシチャルシヤのバス停から徒歩25分

遺跡や看板など

写真:菊池 模糊

ホテル建設中に発見されたタスリハン(TasliHan)と呼ばれる遺跡があります。16世紀前半の石造りの隊商宿の跡地で、二階建てで上部は30部屋ほどもあった大きな宿で、下部は店舗と馬小屋。当時、世界中から馬を引き連れ旅してきた隊商たちが無料で宿泊できる貿易交流センターでした。
なお、この遺跡発掘のきっかけとなったホテルヨーロッパは、第66回ベルリン国際映画祭で審査員グランプリを獲得した映画『サラエヴォの銃声』の舞台でもあります。

写真:菊池 模糊

サラエヴォでは、トルコ菓子の影響を受けたスイーツ類の種類が豊富で、手作りのケーキ菓子店が軒を並べ賑わっています。特に目立つのが揚げドーナツを蜂蜜シロップに漬け込んだトゥルンベ(Tulumbe)というスイーツで、バルカン諸国で愛される伝統菓子です。半端なく甘いですが間違いない美味しさ。その洗練されたものがいわゆるチュロスで、下の写真のような素敵な看板も見られます。

写真:菊池 模糊

旧市街を散策すると写真の被写体として興味深く感じるのが看板類です。各種の洒落たデザインのものがあちこちに掲げられ、この町のセンスの良さを感じさせます。写真はチュロスの看板ですが、とても美味しそうで思わず店に入りたくなります。

サラエヴォへのアクセスは?

サラエヴォでの主な見どころは旧市街に集中しており徒歩圏内で要領よく回れます。
旧市街へは、鉄道のサラエヴォ中央駅から路面電車1号線を利用し約15分。
サラエヴォ国際空港からは、空港バス利用で約25分、タクシー利用で約20分で旧市街の水飲み場へ至ります。
なお、サラエヴォへは日本から直行便がないので、イスタンブール(トルコ航空)かドーハ(カタール航空)またはドバイ(エミレーツ航空)乗り換えで、約14時間〜20時間でアクセスします。
2024年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
ボスニア・ヘルツェゴヴィナの人気世界遺産モスタルを訪ねて
https://www.travel.co.jp/guide/article/48174/
映画『サラエヴォの銃声』公式サイト(外部リンク)
https://www.bitters.co.jp/tanovic/sarajevo.html

【トラベルjp・ナビゲーター】
菊池 模糊

関連記事

提供元:トラベルjp 旅行ガイド

Facebook
P R
お悩み調査実施中! アンケートモニター登録はコチラ

eltha(エルザ by オリコンニュース)

ページトップへ