2024-03-02
和歌山県の早咲き桜の名所として知られる紀三井寺(きみいでら)に、2022年(令和4年)4月に「紀三井寺ケーブル」が完成。急な結縁厄除坂を通ることなくエレベーターを経由して本堂まで上がれるようになりました。ケーブルカーとエレベーターによって完全バリアフリーのお寺となった紀三井寺で、早咲きの桜を楽しんでみませんか?
和歌山県和歌山市にある紀三井寺は、救世観音宗(ぐぜかんのんしゅう)の総本山の寺院です。楼門前の石柱には「紀三井山護国院」とありますが、古くから紀三井寺の名で親しまれています。
楼門(重文)は、室町時代の1509年(永正6年)の建立で、三間一戸の入母屋造、本瓦葺の建物です。楼門前から右手に行くと、紀三井寺ケーブルカーの山麓駅があります。
楼門をくぐった先に現れるのが、紀三井寺を象徴する「結縁厄除坂(けちえんやくよけざか)」で、本堂へ向かう231段の急な石段です。
江戸時代、若き日の紀伊國屋文左衛門(きのくにやぶんざえもん)が、この石段で玉津島神社の宮司の娘「おかよ」と出会い結婚、宮司から資金提供を受け、紀州の豪商へと出世しました。
この伝承から、この石段を苦労して登ると良縁や厄除けのご利益がいただけます。また、2018年(平成30年)から、毎年1月の成人の日に1年の健康を祈願する速駈詣り(はやがけまいり)が開催され、健脚自慢の参加者たちがタイムを競い合います。
紀三井寺は、西国三十三所観音霊場の第2番札所で、奈良時代の770年(宝亀元年)、唐の僧・為光上人(いこうしょうにん)が開創しました。
ケーブルカーは、開創1250年のバリアフリー記念事業の一環として、2022年(令和4年)4月5日に開業しました。これにより、石段で上がるのがしんどいという理由だけでなく、足が不自由な方も、車椅子の方も、本堂までお参りできるようになりました。
<紀三井寺ケーブルカーの基本情報>
乗車料金(片道):200円 小中学生・70歳以上は100円(別途参拝料が必要)
運行時間:8:30〜16:30
紀三井寺ケーブルカーの愛称は「文左衛門」です。定員は18名で、中にはスタッフがおらず、エレベーターのような「上る」ボタンを押すと自動で動き出します。
路線の長さは約90mで、山上駅まで約70秒で結んでいます。車窓からは市街を見下ろし、段々と登っていくと、和歌の浦の美しい景色が広がり気分爽快です。
山上駅を降りると、エレベーターまで遊歩道を水平方向に移動しましょう。
遊歩道は、西国三十三所観音巡礼道の「お砂踏み霊場」となっていて、西国三十三所の境内のお砂を白線の下に埋めてあり、通ることで三十三所の功徳を授かることができます。
お砂踏み霊場を抜けると、本堂まで上がれるエレベーターがあります。一足早く、2020年(令和2年)11月13日に完成したもので、ケーブルカーからエレベーターを乗り継いで本堂の横までたどり着けるように配慮されています。
<紀三井寺境内エレベーターの基本情報>
利用時間:8:00〜17:00
ところで紀三井寺は、霊泉が湧く3つの井戸がある紀州の寺ということから寺の名前が付けられました。寺名の由来となった清浄水(写真)、楊柳水、吉祥水の井戸からは、今も水が湧き出しています。
3つの井戸の内、清浄水と楊柳水は、結縁厄除坂の途中にあります。もう一つの吉祥水は、境内の北側の裏門付近にあります。
この3つの井戸は、三井水(さんせいすい)と呼ばれ、日本名水百選にも選ばれています。
本堂前の展望広場からは、正面に和歌の浦が見えます。国指定名勝の「和歌の浦」は、『万葉集』にも詠まれた古くからの風光明媚の地で、紀三井寺は、日本遺産「絶景の宝庫 和歌の浦」の構成文化財の一つに認定されています。
紀三井寺は、早咲き桜の名所として有名で、境内には約500本の桜があります。例年の桜の見ごろは、3月下旬〜4月上旬です。
写真の本堂(和歌山県指定有形文化財)の向かって左手には、開花宣言の目安となる和歌山地方気象台指定の標本木(ソメイヨシノ)があり、関西に春を告げる大役を担っています。
本堂真奥の収蔵庫・大光明殿には、秘仏御本尊の十一面観世音菩薩立像(重文)と、秘龕仏の千手観世音菩薩立像(重文)が収められて、50年に一度開扉されます。次回の御開帳は、特別御開帳を除けば、2070年の予定です。
紀三井寺の新たなランドマークとして、2002年(平成14年)に完成した仏殿には、高さ約12mの大千手十一面観世音菩薩像が安置されています。
“平成の名仏師”と称される松本明慶(まつもとみょうけい)さんの作品で、2008年(平成20年)に建立されました。木造立像では日本最大の仏像です。
日本最大の木造仏像を間近で拝顔したら、3階の展望回廊に行ってみましょう。 境内で最も高い場所にあるビュースポットで、展望回廊からは、桜で埋め尽くされた境内を見渡せます。
写真の左に見えるのがエレベーター塔、一番奥の屋根が本堂、手前の屋根は六角堂、平屋の屋根は天空かふぇです。
また展望回廊からは、展望広場より高い目線で、和歌の浦の絶景を満喫できます。片男波海水浴場の砂嘴の向こうに見える高い山は、高津子山(たこずしやま)で、標高136mの山頂に設置された展望台からは360度の眺望が楽しめます。
また高津子山は、桜の季節にはソメイヨシノが咲き乱れ、お花見スポットとしても知られています。
<仏殿3階 展望回廊の基本情報>
登楼料金:100円(中学生以下は無料)
登楼時間:8:30〜16:30
境内の歴史的建造物では、紀三井寺で最も古い建物である多宝塔(重文)が必見です。室町時代の1449年(文安6年)に建立されたもので、緑色に塗られた花頭窓が美しく、最上部の相輪には四隅に鎖を張り風鐸を釣っています。
ほかには、安土桃山時代の1588年(天正16年)に建立された鐘楼(重文)があります。入母屋造で本瓦葺き、袴腰の建物で、大晦日には除夜の鐘撞きが行われます。楼門とともに3つの重要文化財めぐりを楽しんでください。
住所: 和歌山県和歌山市紀三井寺1201
電話番号:073-444-1002
参拝料:400円 小中学生・70歳以上200円
本堂受付所での納経(御朱印)受付時間:8:00〜17:00
アクセス:JRきのくに線「紀三井寺駅」下車 徒歩約10分 JR和歌山駅・南海和歌山市駅からバス「紀三井寺」バス停下車 徒歩約10分
車利用の場合は、専用有料駐車場利用
2024年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
■関連MEMO
紀三井寺(外部リンク)
https://www.kimiidera.com/
和歌山県「和歌の浦」で和歌に歌われた絶景を愛でよう!
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楼門から見下ろす絶景!和歌山県「和歌浦天満宮」は日本三菅廟
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和歌山・和歌の浦「雑賀崎」は異国情緒漂う“日本のアマルフィ”
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【トラベルjp・ナビゲーター】
モノホシ ダン
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