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ニュルンベルク「デューラーハウス」はドイツを代表する画家の木組みの家

2024-03-19

13世紀〜16世紀に神聖ローマ帝国の居城が置かれ、独・ルネサンス文化の中心地だったニュルンベルクは、バイエルン州ではミュンヘンに次ぐ2番目に大きな町。第二次世界大戦で壊滅的な被害を受けながらも昔通りの姿に見事に復興!今では煉瓦色の中世の町並みが美しく、観光客の人気を集めています。
この町で、見逃がせないのが「デューラーハウス」!ドイツ巨匠が生きた時代の生活様式などもわかる展示内容です。

煉瓦色の町並みが魅力「ニュルンベルク」の町

写真:Hiroko Oji

煉瓦色の町並みや石畳の路地が美しい、中世の姿を今に伝えるドイツ・バイエルン州の第2の都市ニュルンベルク。第二次世界大戦で壊滅状態となりましたが、かつての絵や写真をもとに昔通りの姿に見事復元。ロマンティックな雰囲気が素敵な町として、観光客の人気を集めています。
この町の中心地が中央広場。広場に面して建つフラウエン教会や広場の一角に設置された美しの泉、北に延びるブルグ通りへ入ると旧地下牢と旧市庁舎や聖セルバドゥス教会など、見所がギュッと詰まっています。

写真:Hiroko Oji

そしてどこからも目に入るのが、ニュルンベルクのシンボル的存在であるカイザーブルグ。町の高台に聳える城の敷地内は、いくつかの塔と建物に分かれており、情緒ある石畳の通路がそれぞれを繋いでいます。木枠組みのデザインが美しい木組みの建物に、博物館となる蔦の絡まる煉瓦造りの建物や、眺望が楽しめる塔が見学できるようになっています。

写真:Hiroko Oji

そのカイザーブルグの麓にあるのがデューラーハウス。煉瓦と石造りの城壁のすぐそばです。
前の広場は石畳で覆われ、古井戸やウサギ像が残る風情ある一角。周りには歴史を感じさせる建物が建ち並び、特に木組みの建物が集まる辺りはレストランが入り、観光客で賑わいます。

ドイツを代表する画家の家「デューラーハウス」

写真:Hiroko Oji

このニュルンベルクは、ドイツが誇る最高峰の芸術家アルブレヒト・デューラーが生まれた町としても知られています。
1471年5月、金細工師だった父アルブレヒト(同名)の三男としてニュルンベルクに生まれたデューラーは、ルネサンス期の画家でもあり版画家・数学者でもあった人。特に描写力に優れ、数多くの版画作品を制作し、それまで絵画より価値が低いとされていた版画を芸術の域まで高めた功績が評価されています。また自画像をたくさん残したことや、油彩画ばかりでなく動植物を写実的に描いた水彩画でも有名です。
現在、ベルク通りとアグネスガッセが合流するアルブレヒト・デューラー広場に彼の銅像が建っています。

写真:Hiroko Oji

石畳の坂道の上にあるのが、古城の麓で城壁すぐそばの彼が住んでいた家「デューラーハウス」!今では博物館として一般公開されています。
白壁に赤い木枠がアクセントのこの木組みの家は1420年に建てられ、デューラーは1509年から1528年に亡くなるまでここ邸宅兼スタジオとなる家に住んでいました。

写真:Hiroko Oji

石畳で覆われた坂道のデューラー通り途中にあるこちらが入り口となっています。

木組みの家の中

写真:Hiroko Oji

博物館となっている内部には、当時の生活が再現されており、彼の絵画や版画のレプリカがたくさん展示されています。
まず、受付で入場料を支払いミニチュアハウスや彼の主要な絵画作品(多くはレプリカ。オリジナルはミュンヘンのアルテ・ピナコテークやウィーンの美術史美術館などで鑑賞できます)の展示されたデューラーホールから見学がスタートします。

写真:Hiroko Oji

館内の各部屋の窓に使われているのはクラウン法という製造方法で作られたガラス窓で、ロンデル窓と呼ばれます。
当時、大きな透明の一枚ガラスを作るのはかなり高度な技術だったため、ビン底くらいの大きさのものを鉛の枠でつなぎ合わせて窓ガラスにしていたのです。このデューラーハウスは取り壊されたことは一度もなく、また第二次世界大戦の戦禍も奇跡的に部分損壊だけで済んだため、築600年以上もの歴史が詰まっており、この窓も当時そのままの状態で残されているわけです。

写真:Hiroko Oji

このロンデル窓のある一室には色鮮やかなステンドグラスがはめ込まれています。これは、デューラーが1523年に制作した木版「デューラーの紋章」をステンドグラスにしたもの。デューラー家の紋章として彼自身がデザインしました。

キッチンや各部屋の様子も再現

写真:Hiroko Oji

受付の横にある古びた木製の階段を上ったところにあるのがキッチンです。
デューラー没後、持ち主が何度も変わっていく間に内装などは大きく変わってしまったそうですが、このキッチンだけは、たしかにこの場所にあったとのこと。というのも、調理するための竈の場所は変えようがなかったからなんだそうです。かなり薄暗いキッチンで、この竈の向かい側の木製扉の奥はトイレになっています。

写真:Hiroko Oji

キッチンの向かいには食堂や居間などの住居だったスペースがあり、小さなデューラーの像も置かれています。歩くと軋む木の床や天井・壁に年季の入った家具やレリーフで装飾された陶器製のストーブが置かれた室内では、タイムスリップしたような感覚を覚えます。

仕事部屋

写真:Hiroko Oji

さらに上階には彼の仕事部屋が再現され、当時使われていた道具や顔料などの展示が並びます。
作業場の一角には木版用の大型プレス機が置かれていて、日時は限られているのですが、デューラーハウスのスタッフさんと一緒に版画刷り体験をさせてもらえるコーナーも設けられています。刷り上がったものはお土産に持ち帰ることができるので、訪問記念に体験してみてはいかがでしょうか。

写真:Hiroko Oji

作業台には銅板や塗料・絵筆・刷毛などが置かれていて、当時弟子たちと共に制作に励んでいた姿を思い描けます。

写真:Hiroko Oji

顔料の棚に赤や黄色や緑色などと共に並ぶ鮮やかな青色顔料は天然ウルトラマリンと言われ、本物のラピスラズリを砕いているためにとても高価なもの!「金よりも高価な色」と言われていたらしいのですが、デューラーはしっかりとこの顔料を使用していたほど経済的には不自由しない環境だったことがわかります。他に、モデル用の貝や角・骨などの収集品の戸棚も設置されています。
館内ではオーディオガイドが利用できます。デューラー夫人のアグネスが音声ガイドしてくれるという設定で日本語版もありますので、ぜひご利用くださいね。
なお、デューラーハウスは、当日最初に入った市立の博物館(おもちゃ博物館、フェンボーハウス、ニュルンベルク裁判記念館など)のチケットに3ユーロ追加して1日券(Tageskarte)を購入していると、無料で入場できますのでご利用ください。

デューラーハウスの基本情報

住所:Albrecht-Durer-Strabe 39,90403 Nurnberg
電話番号:+49-911-2312568
開館時間:10:00〜18:00
休館日:月曜日
2024年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
デューラーハウス(外部リンク)
https://museen.nuernberg.de/duererhaus
見事に復元!岩山に聳える古城「カイザーブルク」とニュルンベルクの眺望
https://www.travel.co.jp/guide/article/28758/
中世のロマンティックな町並みが復元!ニュルンベルクの見所
https://www.travel.co.jp/guide/article/28659/
ニュルンベルク「Privat Hotel Probst」はアットホーム!城壁内で便利
https://www.travel.co.jp/guide/article/48246/

【トラベルjp・ナビゲーター】
Hiroko Oji

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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