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世界遺産「ストラスブール大聖堂」の見どころガイド

2024-04-14

フランスとドイツの間で幾度も国が変わった歴史を持ち、市街が丸ごと世界遺産の、アルザスの中心都市「ストラスブール」。その街のシンボルとも言えるのが、街の中心にそびえ立つ「ノートル ダム ド ストラスブール大聖堂」です。
繊細な彫刻による西正面はゴシック様式の最高傑作とも評され、それは例えるなら“石のレース編み”。またステンドグラスも荘厳で、ゲーテをはじめとする文豪も讃えた大聖堂は、仏旅行必見です。

チェックその1 「ノートル ダム大聖堂」はストラスブールのシンボル

写真:万葉 りえ

ドイツとの国境に近いアルザスの中心都市「ストラスブール」。ここは可愛らしい木骨組の家々が並ぶ風景でも有名で、冬が近づくとクリスマス用品があふれるクリスマスマーケットでも人気の街です。
そんなストラスブールはフランスとドイツの間で何度も国境が変わった歴史を持ち、市街がまるごと世界遺産。その街のシンボルともいえるのが、「ノートルダム・ド・ストラスブール大聖堂(Cathedrale Notre-Dame-de-Strasbourg)」です。街の見所の一つであるヴォーバン・ダムからもその姿がこのように。
では、ゲーテが「荘厳なる神の樹」と讃えた大聖堂をもう少し詳しく見ていきましょう。

チェックその2 “レース編み”と讃えられる繊細な透かし細工

写真:万葉 りえ

聖母マリアに捧げられたノートルダムと名が付く教会や大聖堂はフランス各地にありますが、ストラスブールのノートルダム大聖堂は142mという圧倒的な塔の高さも特徴の一つです。
この高さは19世紀後半まで世界一の高さを誇っており、あまりの高さに手前の広場からでは全体の撮影が難しいほど。まずは少し離れた位置で撮影しておきましょう。

写真:万葉 りえ

この大聖堂はヴォージュ山の赤砂岩が使われているので、少しピンクがかった外観をしています。数千もの繊細な透かし細工が正面を覆いつくしており、その見事さは“石のレース編み”と例えられるほど。
真正面より少し斜めから見上げたほうが、レース編みと讃えられる素晴らしさを納得できるでしょう。数千もの彫刻の中から見つけるのは困難かと思いますが、この中には魔除けのために設けられた動物も混じっています。

写真:万葉 りえ

そして、中へと入っていく時には、中央扉の上にある丸みを帯びた三角形部分も見ておきましょう。建物入口上部の装飾を施した壁の部分を「ティンパヌム」(フランス語ではタンパン)と言うのですが、ここはロマネスクやゴシック建築の見所の一つです。
この部分だけでも、これほどの威容を誇ります。

チェックその3 荘厳な内陣の設え

写真:万葉 りえ

最初の大聖堂が建てられたのはカール大帝の時代、8世紀ではないかと推測されています。そして1015年に当時の司教が新しい大聖堂の建設を始めます。しかしこの時の大聖堂は1176年に火災で屋根等が崩落してしまいます。
その後に無事だった地下聖堂や構造の基礎を利用して拡張されたのが、現在ご覧になれる大聖堂です。

写真:万葉 りえ

奥にあたる内陣や翼廊から建設が始まり、ロマネスク様式で造られていきました。しかし1225年にシャルトルからきた建設チームが様式を変更することを提案し、ロマネスク様式にゴシック様式が融合した建物になっていきます。
この時代は、他の街のゴシック教会と高さや大きさを競っていました。目立つものを建てれば、その街は神に手を差し伸べてもらえると考えられていたのです。ですから資金不足に陥って途中で工事がストップしても、規模を小さくするなんてできません。
そうやって長い年月をかけ、1439年にようやく現在の形、高さ142m、全長112mの大聖堂が完成したのです。

写真:万葉 りえ

南袖廊にある「最後の審判」を描いたとされる「天使の柱」。そして、こちらの1484年に制作された説教壇も忘れずに見ておきましょう。ここにもレース編みのように繊細な彫刻がびっしり!近づいて見てもらえば、当時の職人の技術が堪能できます。
また毎日お昼になるとからくり人形が動き出す天文時計も、時間が合えばぜひ観賞ください。

チェックその4 壁を埋め尽くすステンドグラス

写真:万葉 りえ

内陣の奥にある聖壇では、聖母の姿がステンドグラスで浮かび上がるようになっています。暗くなっているのでわかりにくいと思いますが、半円形になっている聖母の両脇にもたくさんの聖人が並びます。

写真:万葉 りえ

また、ゴシック様式の特徴ともいえるステンドグラスも見上げておきましょう。
13〜14世紀のステンドグラスは、人々を圧倒する迫力と美しさ。フランスの詩人であり劇作家のポール・クローデルは、この大聖堂を「ストラスブールのバラの大天使」と表現しています。

チェックその5 展望台のある塔へ

写真:万葉 りえ

フランスを代表する文筆家ヴィクトル・ユーゴーからは「巨大でありながら繊細さもあわせもつ至高の作品」と評されたというこの大聖堂。こちらの扉から出ると記念になるようなお土産品の売り場もあります。
そして忘れてはいけない見どころが、塔にある展望台です。19世紀後半に世界一の座をあけわたしたものの現在もベスト10に入る高さの塔。本来は二つの塔を建てる予定でしたが、建設中に何度も計画が変更されて一つだけとなりました。

写真:万葉 りえ

その理由は、地盤にあるいう説。そして、従事した人の犠牲の大きさが理由で二つ目の塔は建てられなかったという説もあります。これほどの高さの建造物を、ほとんど人の力だけで建設していたのですから。
正面の外側に塔への入り口があり、332段の石段を登れば高さ66mにある屋上展望台へ。世界遺産の市街はもちろん、晴れた日にはドイツ南西部に広がる「シュツットガルト(黒い森)」も望めます。天候に恵まれた日の訪問なら展望台からの眺めも楽しんでください。
街が丸ごと世界遺産のストラスブールで、1000年近くも街を見守ってきた大聖堂。また同じくフランス北東部に位置するランスには歴代王が戴冠式を行い、ジャンヌダルクも訪れた“ゴシックの女王”と讃えられる大聖堂もあります(関連MEMO参照)。
フランスの数ある大聖堂の中でも、ぜひ見ておいていただきたい世界遺産。パリから足をのばして訪れてください。

ノートルダム・ド・ストラスブール大聖堂の基本情報

住所:Pl. de la Cathedrale, 67000 Strasbourg
アクセス:
ストラスブール駅から徒歩17分
トラムのラングストロース・グラン・クリュ駅から徒歩6分
※ミサの時間は一般観光客は入館不可
2024年4月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
「ヒルトン ストラスブール」で旧市街“丸ごと世界遺産”の街を楽しむ
https://www.travel.co.jp/guide/article/47785/
歴代王の戴冠式舞台!ランスの世界遺産「ノートルダム大聖堂」
https://www.travel.co.jp/guide/article/47557/

【トラベルjp・ナビゲーター】
万葉 りえ

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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