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壁画古墳の謎に迫る!奈良・キトラ古墳壁画体験館「四神の館」

2024-05-07

奈良県明日香村を代表する三大古墳といえば、蘇我馬子の墓ともいわれる石舞台古墳、女子群像などの壁画で知られる高松塚古墳、そして、東アジア最古ともいわれる天文図を残すキトラ古墳を挙げることができるでしょう。今回はそのなかでもキトラ古墳に特化し、天文図をはじめとするキトラ古墳の壁画の魅力を多角的に伝えるキトラ古墳壁画体験館「四神の館」をご紹介しましょう。

復元整備されたキトラ古墳

写真:乾口 達司

「キトラ古墳(キトラこふん)」は、奈良県明日香村の南西部に位置する古墳。二段から成る円墳で、上段の直径は9.4メートル、下段の直径は13.8メートル。被葬者を安置する内部には横口式石槨が組まれており、7世紀末から8世紀初頭にかけて築造されたと推定されています。
大半の古墳の例に漏れず、被葬者は特定されていませんが、学界では天武天皇の皇子である高市皇子(たけちのみこ)や阿倍御主人(あべのみうし)などの名が挙げられています。
発掘調査後は盗掘のために破壊された石槨も修復された上で埋め戻され、現在はご覧のように綺麗に整備されています。

写真:乾口 達司

近くで見ると、その規模や墳丘の形がわかりにくく感じられるでしょうが、遠くから眺めると、このような形をしています。
キトラ古墳の全体像を知るには、少し離れたところから眺めることをお奨めします。

キトラ古墳の全容を学ぼう!キトラ古墳壁画体験館「四神の館」

写真:乾口 達司

キトラ古墳について学ぶためには、併設されているキトラ古墳壁画体験館「四神の館」を訪れましょう。
キトラ古墳壁画体験館「四神の館」は2016年の秋にオープンした資料館。無料の駐車場も備わっているため、お車でのアクセスも快適ですよ。

写真:乾口 達司

キトラ古墳といえば、石槨の内部に描かれた壁画について語らないわけにはまいりません。キトラ古墳壁画体験館「四神の館」には、そんなキトラ古墳の壁画について解説したコーナーもあります。
写真はキトラ古墳の内部に築かれた原寸大の横口式石槨を復元したもの。

写真:乾口 達司

石室内部の壁画は一面に塗り込まれた漆喰の上に描かれており、発見当時の壁画の状況まで正確に再現されています。
漆喰の上に描かれた「白虎(びやっこ)」や奥の壁に描かれた「玄武(げんぶ)」、それに天井に描かれた天文図、おわかりになりますか?

現存する東アジア最古の天文図!その解説コーナー

写真:乾口 達司

四神と並び、キトラ古墳を代表する壁画として、石室の天井に描かれた天文図がしばしば挙げられます。「内規」「赤道」「外規」といった同心円や黄道が線として描かれ、その周辺にはさまざまな星が配置されています。現存する東アジア最古の天文図とされており、キトラ古墳がいかに貴重な古墳であるか、うかがえるでしょう。
写真はそんなキトラ古墳の天文図をモチーフにしたコーナー。天井には、石室の天井に描かれた天文図を幻想的に再現したものも展示されています。

写真:乾口 達司

再現された天文図をじっくり眺めてみましょう。よく見ると、われわれ現代人にも馴染みのある北極星や北斗七星などが描かれています。その数、277個!
学界では、この天文図がいつの時代のどこで眺められたものなのかが研究されていますが、その年代や観測場所を特定することは数々の謎に包まれたキトラ古墳を解明する大きな手掛かりとなるもの。
皆さんも天文図の謎に挑んでみてはいかがでしょうか。

キトラ古墳発掘調査の経緯を示す器具の数々

写真:乾口 達司

他にも、キトラ古墳の発掘調査の過程を解説したコーナーもあります。
パネルには整備以前の状態のキトラ古墳を撮影したものもありますが、上で紹介した古墳の現状を先に見ておくと、当時と現在とでキトラ古墳のあつかいが大きく異なっていることをおわかりいただけるでしょう。

写真:乾口 達司

もちろん、その違いは、高松塚古墳に匹敵する素晴らしい壁画の発見という歴史的事実によっています。
館内にはそんな壁画の発見やその剥ぎ取り作業で活躍した器具類も展示されており、そういった地道な作業があったからこそ、壁画をいまでも目にすることができるということを認識させられるでしょう。

史跡公園として整備されている周辺

写真:乾口 達司

キトラ古墳壁画体験館「四神の館」の周辺は国営飛鳥歴史公園キトラ古墳周辺地区として史跡公園化されており、館の前面には「四神の広場」と呼ばれる大きな広場もそなわっています。
見学後は園内でのんびりくつろぐのもいいでしょう。

写真:乾口 達司

眺望も抜群!明日香村西部から隣の橿原市までを見渡すことができます。
手前に見える森は於美阿志神社の森。古代に実在した檜隈寺の跡地であり、遠くに見えているのは、大和三山の一つ「畝傍山」です。
キトラ古墳とキトラ古墳壁画体験館「四神の館」がいかに魅力的な施設か、おわかりいただけたでしょうか。キトラ古墳の壁画の実物は、キトラ古墳壁画体験館「四神の館」で定期的に一般公開されているため、壁画の実物をぜひ見たい!という方は、ホームページで案内された公開期間を参考にして訪れましょう。古代の息吹を、ここ、キトラ古墳壁画体験館「四神の館」で感じてみてください。

キトラ古墳・キトラ古墳壁画体験館「四神の館」の基本情報

住所:奈良県高市郡明日香村大字阿部山67
開館時間:
午前9時30分〜午後5時(3月〜11月)
午前9時30分〜午後4時30分(12月〜2月)
閉館日:毎週水曜(祝日の場合は翌平日)/4・7・11・2月の第2月曜日(祝日の場合は翌日)および年末年始
入館料:無料
2024年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
キトラ古墳壁画体験館「四神の館」(外部リンク)
http://www.nabunken.go.jp/shijin/

【トラベルjp・ナビゲーター】
乾口 達司

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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