2024-05-22
岡山県備前市に「三石明神社」と呼ばれる神社があること、ご存知ですか?三石明神社は懐妊中の神功皇后が休息をとったところとされ、それにちなんで子宝に恵まれる神社として、岡山県内外から数多くの参拝者が訪れています。
そのいわれとなっている石こそ「孕石(はらみいし)」です。「孕石」とは、いったいどのような石なのでしょうか。今回は三石明神社の由緒来歴と子宝に恵まれるとされる「孕石」をご紹介しましょう。
「三石神社」とも呼ばれる「三石明神社(みついしみょうじんじゃ)」は、兵庫県との県境に近い岡山県備前市の三石地区に鎮座する神社。かつての山陽道沿いに鎮座しています。
社名に「石」の字が使われているのは、古代、神功皇后が当地に立ち寄った際、境内にある巨石の上で休息したという伝承に由来します。
留意したいのは、「三石明神社」の社名とは別に、同社が「孕石神社(はらみいしじんじゃ)」と呼ばれていること。写真の石碑に刻まれた「孕石神社」の文字の上に小さく「子」と刻まれているのが、おわかりいただけるでしょうか。
先ほどご紹介した神功皇后は、ここを訪れたときに懐妊中の身でした。そのため、神功皇后が当社の巨石の上で休息をとって以来、境内で産出する石は内部に小石をはらむようになったとのこと。小石を内部にはらんだ石の形状は、あたかも母親が胎内に子どもを宿しているかのように見えることから、地元ではそれを「孕石(はらみいし)」と呼ぶようになりました。
その故事にもとづき、三石明神社は「孕石神社」とも呼ばれ、子授けの神さまとして篤く崇敬されるようになったわけです。
境内を奥へと進むと、本殿が現れます。
ご覧のように、その規模はささやかなものです。
注目したいのは、本殿の真正面に据えられたこちらの玉垣。実はこの玉垣のなかに、現在も「孕石」が残されているのです。
内部をのぞき込むと、ご覧のとおり。おびただしい数の石が堆積しています。
ひときわ大きい石に注目!赤茶色の石のなかほどに白っぽい石がさまっている様子、おわかりいただけるでしょう。これが「孕石」の実物です。何とも珍しい形状だと思いませんか?
真新しい木札が多数奉納されていることからも、「孕石」が現在も子宝祈願の崇敬を集めていることがわかりますね。
しかし、大きな石だけが「孕石」ではありません。そのまわりにちらばる小さな石にも、やはり白い石がはさまっています。
先ほどご紹介した本殿にふたたび目を移すと、基壇の上にやはり「孕石」が数点並べられているのが確認できます。
境内には、ご覧のような巨石も点在しています。
目を凝らすと、その表面にはやはり白い石が見られます。これも「孕石」です。
境内の一角には、「三石明神社受付」と記された受付所があります。
実は子宝を願う方がこちらで申し込むと、先ほどご紹介した「孕石」をお借りすることができるのです。お借りした「孕石」を寝室に安置してまつると、子宝に恵まれるといわれており、現在も子宝を願う多くの夫婦が「孕石」を借りにやってこられます。
受付には担当の方が常駐されているわけではありませんが、ご心配なく。窓口には連絡先を記した貼り紙があるため、そちらに記された番号に連絡すると、担当の方が来てくださいます。その方の指南にもとづいてお借りしましょう。
三石明神社が子宝祈願の社として地元で崇敬を集めていること、おわかりいただけたでしょうか。三石明神社に参拝し、その珍しい「孕石」をぜひご覧になってください。
住所:岡山県備前市三石391
アクセス:JR三石駅より徒歩約5分
2024年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
■関連MEMO
三石明神社―岡山県立図書館電子図書館システム デジタル岡山大百科(外部リンク)
https://digioka.libnet.pref.okayama.jp/mmhp/kyodo/photo/2007/photo20070319-02.htm
【トラベルjp・ナビゲーター】
乾口 達司
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