2024-07-01
日本では食材としてあまりなじみのないザリガニですが、フランス料理では高級食材。スウェーデンなどの北欧では、これを食べるパーティーが夏の風物詩となっています。北海道の阿寒湖では、このザリガニを「レイクロブスター」と呼び、手軽に味わったり、加工品をお土産として買ったりすることができます。阿寒の旅の思い出に、ザリガニを食べてみませんか。
道東、釧路市にある阿寒湖は、火山の噴火によって誕生したカルデラ湖で、周囲はエゾマツ、トドマツなど北国ならではの針葉樹林と、ミズナラなどの広葉樹が織りなす深い森に包まれています。神秘的なこの湖には、天然記念物のマリモが育ち、ヒメマスやニジマス、ワカサギなどが生息。そして、ウチダザリガニも阿寒湖の特産品になっています。
ウチダザリガニは大正時代、食用として当時の農林水産省がアメリカより移入したのが始まりで、摩周湖に放流され、阿寒湖にも持ち込まれました。北米原産のアメリカザリガニですが、ザリガニ研究に貢献した北海道大学の内田亨教授敬意を表し、和名がウチダザリガニとなったそうです。
ウチダザリガニは現在、特定外来生物に指定されているため、放流が禁止され、採捕、移動などについても徹底管理されています。環境省に認定された手続きをふみ、受け入れ施設を備えた東京の一部のフレンチレストランなどに出荷されていますが、生きたものをすぐに茹でた、新鮮なものが食べられるのは北海道でも阿寒湖だけです。
ザリガニというと食べるのに抵抗がある人も多いことでしょう。ここではレイクロブスターと呼び、阿寒湖の特産品となっていますが、阿寒湖畔のどこででも食べられるというわけではありません。新鮮なものをボイルした状態で味わえるのが、阿寒湖で釣り案内のサービスを行っている「フィッシングランド阿寒」にある「海兵」という食堂です。遊覧船乗り場「幸運の森」の近くにあるので、ぜひ出かけてみてください。
写真は「海兵(フィッシングランド阿寒)」で食べられる塩茹でしたレイクロブスターです。この鮮やかな色を見てください!レイクロブスターと呼ばれる所以が理解できますね。
阿寒湖のザリガニは他に比べて大きく、湖の冷たい水で育つため、身詰まりがよく、塩ゆでしただけでおいしく食べられます。なかでも「海兵」のものは特に大きいと地元でも評判です。
レイクロブスターのボイルは、体長15〜20センチほどの特大サイズが10尾程度で1,000円。注文すると、大きな爪を割るためのキッチンバサミ、身を掘り出すためのカニフォーク、殻入れも一緒に持ってきてくれます。
大きなツメの部分はホロリと身離れがよく、上品な白身。頭には濃厚なミソが詰まっていて、胴の部分はふんわりと甘みのある味わいです。食べ始めたら夢中になって、みんな無言になってしまいます。
阿寒湖のレイクロブスターは、エクルビス(ヨーロッパザリガニ)の代用として、東京の星のつくフレンチレストランでも使用されているもの。ここなら、素材の旨味をストレートに味わえるシンプルな塩茹でを、とびきりリーズナブルに味わえます。
「海平(フィッシングランド阿寒)」では、ボイルだけでなく、ぜひ天丼(1,200円)も、食べてみてください。レイクロブスターの身を、ひとつひとつ丁寧にむき、衣をつけて、ふんわりと揚げてあり、それがご飯の上をぎっしり埋め尽くしています。甘めの醤油ダレが、天ぷらとご飯をひとつにまとめ、美味なるハーモニーをかなでています。
阿寒湖温泉にある「温泉工房あかん」では、レイクロブスターのパスタがいただけます。その名も“ザリボナーラ”(サラダ付きで1200円)。
ソースは生クリーム、卵黄、レイクロブスターのスープ、そして身もたっぷり入った濃厚味。パスタはその濃厚ソースがしっかり絡まる平打ち麺。パスタの上には、レイクロブスターの頭とハサミがシンボリックにトッピングされ、インスタ映えもバッチリです。
「温泉工房あかん」では、手づくりスイーツをはじめ、まりもプリンなども販売。足湯付きのテーブル席があり、まったりと味わうことができますよ。
阿寒湖のレイクロブスターが気に入ったら、温泉街のメインストリート中ほどにある「阿寒漁業協同組合」に行ってみましょう。目印は、黄色に赤のレイクロブスターの旗。
ここではレイクロブスターを自宅に送ったり、加工品をお土産として購入したりすることができます。
阿寒湖のお土産としておすすめなのが「レイクロブスタースープ」(1缶160g/540円)。金色の缶に、真っ赤なザリガニの絵は、見た目にもインパクト大!です。
阿寒湖で育ったウチダザリガニから、ブイヨンを抽出し、バター、生クリーム、トマトを加えて仕上げたコク深く、香り高いスープ。そのまま温めて味わうもよし、パスタやムニエルのソースにしたりと、アレンジもできます。
濃厚なミソと上品な白身が特長のレイクロブスターは、食通の人をうならせる味わい。阿寒湖に来て食べるのが一番ですが、ボイルしたものを購入したり、家に送ることもできます。
※ザリガニの漁期は5月上旬〜11月下旬。
ザリガニと聞くと、敬遠する人もいると思いますが、食べず嫌いは損ですよ。一度食べた人には「エビみたい!」「カニよりおいしい!」と大好評。
東京の星付きフランス料理店でも扱い、食通をうならせる阿寒湖のレイクロブスターを、ぜひ現地で味わってみてください。
■関連MEMO
フィッシングランド阿寒
https://www.koudai-akan.com/fishingland.html
温泉工房あかん
http://ja.kushiro-lakeakan.com/eat_souvenir/5106/
阿寒漁業協同組合
http://www.akan-gyokyo.com
【トラベルjp・ナビゲーター】
四宮 うらら
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