2024-09-25
遠く異国より訪れた者たちが、その白亜の可憐な町並みに心を掴まれ、「白い家」がそのまま町の名前になったモロッコのカサブランカ。実はここには「白い塔」と呼ばれるホテルもあります。港に近い場所に立つ「ソフィテル カサブランカ トゥール ブランシュ(Sofitel Casablanca Tour Blanche)」では町の名所が一望でき、朝食には名物料理がずらりと旅の思い出をカラフルに彩ってくれるのです。
アフリカ諸国の中でも観光地として人気なモロッコ王国。その王国内において最大の都市が、首都ラバトから南西約90kmの場所にあるカサブランカです。国際線が頻繁に飛び交うムハンマド5世国際空港や、コンテナ船に大型客船も停泊する港もあることから、空と海の玄関口を兼任し、常に大賑わい。ホテルがあるのは、海沿いに築かれた旧市街を一望できる場所です。
24階建てのスタイリッシュな建物に入ると、鮮やかな絵画や装飾に囲まれ、さながらアートギャラリーのよう。訪れるだけで気持ちが弾み、ここがファッションショーや展示会の会場にも選ばれると知り、納得です。
フロントに隣接した「ブラッセリー・ラ・トゥール(Brasserie La Tour)」では朝食だけでなく、ランチとディナーも提供。太陽が燦々と照らす中、鮮烈な色遣いの家具や壁紙がいっそう場を華やがせます。
全141室のお部屋に加え、スイートルームは30室と多め。どのお部屋も世界的デザイナーとしてパリを拠点に活動しているマーク・ハートリッヒ & ニコラス・アドネ(Marc Hertrich & Nicolas Adnet)が手掛けています。
その2人が大切にしていることが、美しさの中に機能性を、技術の中に詩情を、とデザインに2つの異なる性質を融合させること。33〜35平米のお部屋は落ち着いた色あいで統一され、家具の存在感も控えめ。お部屋に余白があることで、心身ともに悠々とくつろげます。
バスルームもダブル洗面が設けられ、広々とした印象。黒を基調にしているため、白いベッドルームとのコントラストが際立ち、お部屋内でもメリハリが感じられます。バスタブだけでなく、シャワーオンリーのお部屋もあるので、好みに合わせて事前にリクエストを。
お部屋のカテゴリは、クラシック、スーペリア、ラグジュアリー、ビューティフルの4つに分かれています。部屋の広さはほぼ同じですが、大きな違いは眺望。西側の旧市街もしくは東側の港のどちらかで、旧市街側だとハイフロアなほど町並みが遠くまで見渡せ、その先にそびえるハッサン2世モスクまで捉えることができます。
一方の港側は、赤色のクレーンが整列している横にカラフルなコンテナがテトリス状に積み上げられ、その手前の駅からは貨物列車が行き来するなど、港湾都市ならではの光景を望めます。
ホテル自慢の朝食には、地元グルメから中東の美食、おすすめのヨーロッパ料理が所狭しと並び、さながら食の祭典のよう。スパイス香るハリラスープ(Harira)、ひよこ豆をペースト状にしたフムス(Hummus)の隣には同じく焼きナスとトマトをペーストにしたザアルーク(Zaalouk)も。そしてモロッコ発祥の粒状パスタのクスクス(Couscous)など、見慣れない食材が華やかに盛り付けられ、まずは目でじっくりと味わいたくなります。
ビュッフェコーナーには屋台のような一角があり、そこではモロッコ風クレープのムスンメン(Msemmen)、パンケーキのバグリール(Baghrir)、ビスケットのハルシャ(Harcha)など伝統的なモロッコの朝食が並んでいて、食べる直前にじっくりと温めてくれます。どれにしようかと迷っていたら、おすすめを教えてもらえますよ。
付け合わせには、とろりとしたたるアムルー(Amlou)を。アムルーとは、ローストしたアーモンドにアルガンオイル、ハチミツを加えたペーストのこと。モロッコといえば、アルガンオイルが有名ですが、美容オイル以外に食用としても使われています。口にいれると滋味深い風味にやわらかな甘みが広がり、コクがいっそう深まるのです。
カサブランカでの滞在を快適に過ごせるようにと心を配るこちらでは、ホテル設備にも抜かりはありません。幻想的なプールエリアはまるでアート空間の延長線のようで、リクライニングチェアに身を委ねれば長旅の疲れも癒されそうです。
プールエリアの反対側にはフィットネスジムも完備。ひと通りの器具が揃っているほか、タオルやミネラルウォーターも用意されていて、ホテル宿泊者は誰でもプールとフィットネスジムを無料で利用できます。
滞在をさらに思い出深いものにしたいなら、ソフィテル スパ(Sofitel Spa)がおすすめ。スチームバスのハマムでじっくりと身体が温まったらマッサージやトリートメントを。フランス生まれのスキンケアブランドを使用しているのも、フランスに拠点を置くソフィテルならではの醍醐味。午前中に観光に出かけて、午後はスパやプールでゆっくりと過ごすという滞在の仕方も素敵です。
エキゾチックな雰囲気が漂う旧市街に、荷物や人々の往来で賑わう港湾エリアと、カサブランカの昔と今の狭間に立つ「ソフィテル カサブランカ トゥール ブランシュ」。曲がりくねったスーク(市場)をさまようように、今日もこの地で旅人が時間を超えた旅へと誘われます。
2024年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
■関連MEMO
ソフィテル カサブランカ トゥール ブランシュ(外部リンク)
https://all.accor.com/hotel/6811/index.ja.shtml
【トラベルjp・ナビゲーター】
浅井 みら野
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