2024-10-02
京都市北部の鷹峯(たかがみね)に位置する光悦寺(こうえつじ)は、紅葉の名所として名高い寺院です。石畳の参道の紅葉や境内に配置された建築物と紅葉とのコントラストは非常に美しいので、ぜひ実際に足を運んでみてください。
光悦寺は江戸時代初期に活躍した芸術家の本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)ゆかりの寺院です。日本のレオナルド・ダ・ビンチとも呼ばれる本阿弥光悦は、陶芸・書画・漆芸などマルチな分野で才能を発揮しました。
風神雷神図屛風を描いた俵屋宗達(たわらやそうたつ)との合作も有名で、後に尾形光琳や酒井抱一に継承される琳派(りんぱ)の礎を築いた人物です。
大阪夏の陣で豊臣家が滅んだ元和元年(1615年)に本阿弥光悦は、徳川家康から鷹峯の土地を拝領します。その後、元和5年(1619年)から一族や芸術家、職人たちと共に本格的に鷹峯に移り住み、芸術活動に勤しんだとされています。
光悦寺は本阿弥光悦の草庵があった場所に建てられた寺院で、境内には光悦をはじめとする本阿弥家の墓所があり、うっそうとした木々に覆われた厳かな雰囲気に包まれています。
例年、11月中旬から下旬にかけて、光悦寺は鮮やかに色づいた紅葉が見頃を迎えます。特に紅葉のトンネルのようになっている石畳の参道は有名で、境内の他のスポットと比較しても別格の美しさを誇ります。ただ参道は狭く、共通の出入口として使用されているため、鑑賞する際には周囲への配慮が不可欠です。
光悦寺は海抜約160メートル地点にあり、京都タワーとほぼ同じ高さに位置しています。そのため、眼下に京都市内の街並みが一望でき、周囲にそびえる鷹ヶ峰(たかがみね)・鷲ヶ峰(わしがみね)・天ヶ峰(てんがみね)の鷹峯三山を見渡すことができます。
また、展望スペース周辺では赤く色づいたツツジを見ることができ、ツツジとモミジの紅葉の対比も楽しむことができます。
光悦寺の境内には、合計7つの茶室が点在しています。すべての茶室が大正時代に建てられたもので、茶人として高名だった本阿弥光悦の影響により建築されました。これら7つの茶室の内部は、通常非公開となっていますが、外観からでも十分にその厳かな雰囲気を感じ取ることができます。
なお、光悦が作製した「不二山(ふじさん)」という銘の茶碗は、日本で作られた茶碗のなかで唯一国宝に指定されており、光悦がいかに芸術家として優れた人物だったかということが分かります。
茶室「大虚庵(たいきょあん)」を囲む光悦垣(こうえつがき)と呼ばれるユニークな生垣も光悦寺の見どころのひとつです。生垣の上部に丸く整えた竹の束を置き、その下に菱型状に編んだ竹格子を組み合わせています。緩やかな曲線を描いた光悦垣と茶室との調和が美しく、この場所ならではの独特の雰囲気を感じさせます。
住所:京都市北区鷹峯光悦町29
料金:400円(紅葉時季500円)
拝観時間:8:00〜17:00(紅葉時季8:30〜17:00)
アクセス:市バス「源光庵前」下車、徒歩約3分
2024年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
■関連MEMO
京都観光オフィシャルサイト「京都観光Navi」光悦寺ページ(外部リンク)
https://ja.kyoto.travel/tourism/single01.php?category_id=7&tourism_id=279
【トラベルjp・ナビゲーター】
島塚 渓
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