2024-10-02
京都市の北区の鷹峯(たかがみね)にある源光庵は、紅葉の名所として名高い寺院です。鉄道会社のイメージポスターにも使用されたことのある円形と四角形の窓越しに眺める紅葉は、他ではなかなか見ることができない光景なので、ぜひ実際に足を運んでみてください。
源光庵は、室町時代の貞和2年(1346年)に大徳寺の住職を務めた徹翁義亨(てっとうぎこう)和尚の隠居所として創建されました。その後、寺院が荒廃した時期もありましたが、江戸時代の元禄7年(1694年)に再建され、曹洞宗の寺に改められました。
現在の本堂は、江戸時代の再建時に金沢の富豪の寄進によって建立され、釈迦牟尼佛(しゃかむにぶつ)を本尊とし、その両脇に大迦葉(だいかしょう)・阿難(あなん)と呼ばれる釈迦の十大弟子の像が安置されています。
江戸時代に建てられた本堂には、慶長5年(1600年)の伏見城の戦いで自刃した鳥居元忠の家臣たちの血痕が付いた天井が張られています。関ヶ原の戦いの前哨戦として行われた伏見城の戦いでは、石田三成率いる西軍が、留守居役を任されていた鳥居元忠が守る東軍の伏見城を陥落させます。その際、鳥居元忠の家臣380名余が自刃したとされ、廊下の板に染み付いた血の跡を源光庵の天井板として利用しています。
現在では春と秋の彼岸の時期に、鳥居元忠をはじめ伏見城の戦いで亡くなった武士たちの冥福を祈って法要が行われています。
源光庵は、近隣の光悦寺(こうえつじ)や常照寺(じょうしょうじ)とともに鷹峯の紅葉の名所としても知られています。京都市の北部に位置する鷹峯は、山々に囲まれた自然豊かな土地で、中心部から少し離れていることもあり、市内の他の有名スポットと比較して、落ち着いた雰囲気でじっくり紅葉を鑑賞することができます。11月の上旬ごろから色づき始め、例年11月中旬から11月下旬にかけて見頃を迎えます。
源光庵では、本堂前の大カエデや本堂裏の「鶴亀の庭」など紅葉を鑑賞できるスポットがいくつか存在しています。なかでも鶴亀の庭は、北山を借景とした枯山水庭園で、築山や亀の石組とともに美しい紅葉が見どころです。さらに、鶴亀の庭は苔が美しい庭園としても知られており、書院の縁側に腰かけてゆっくりと苔と紅葉を鑑賞することができます。
源光庵で最もよく知られた紅葉の景観が、絵画のような美しさを誇る「迷いの窓」と「悟りの窓」と呼ばれる2つの窓越しに眺める紅葉です。四角い形をした迷いの窓は、人々が人生で体験する根源的な苦しみである「四苦八苦」を表わしています。生老病死など生きるうえでの苦しみを受け入れ、自分自身を見つめるきっかけとして迷いの窓が置かれています。
丸い形をした悟りの窓は、禅の悟りの境地を表現しています。もともと禅画には、丸を描いた「円相(えんそう)」と呼ばれる画題があり、始まりも終わりもない円形は仏教が教える悟りの境地や宇宙そのものを表わしているとされます。そのため、「円相」に通じる丸い形の窓の「円窓」も、仏教の根本的な教えを示しているとされ、訪れる人々に安らかな境地を与えています。
住所:京都市北区鷹峯北鷹峯町47
料金:400円(11月は500円)
拝観時間:9:00〜17:00(受付終了16:30)
アクセス:市バス北1系統・6系統「鷹峯源光庵前」下車、徒歩約1分
2024年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
■関連MEMO
源光庵公式サイト(外部リンク)
https://genkouan.or.jp/
京都観光オフィシャルサイト「京都観光Navi」源光庵ページ(外部リンク)
https://ja.kyoto.travel/tourism/single01.php?category_id=7&tourism_id=275
【トラベルjp・ナビゲーター】
島塚 渓
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