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スナップ撮影が楽しいセルビアの首都「ベオグラード」を歩く

2024-10-05

ベオグラードは、セルビア共和国の首都であり旧ユーゴスラビア地域で最大の都市です。歴史と現代の発展が同居する町で、その複雑さが興味深く、スナップ撮影に向いています。
ドナウ川とサヴァ川の合流点にあり地政学的要衝であるため古代から軍営がつくられた係争の地。近年まで戦争の影がありましたが、21世紀になって平和になり、日本とも友好的で、復興へと邁進しています。ぜひ今を生きる町として注目してください。

ベオグラード空港から市内へ

写真:菊池 模糊

セルビア随一の国際空港であるベオグラード・ニコラ・テスラ空港は、首都ベオグラードの郊外に位置し、街と近いため便利です。ここからバスやタクシーで市内に簡単に行け、周辺には豊かな穀倉地帯が広がっており、空港への行き帰りに緑を満喫できます。

写真:菊池 模糊

ベオグラード市内に入ると交通機関が発達しておりバスやトラムが縦横無尽に走っています。特にバスは色がカラフルなのでスナップに最適。これらのバスの中には2000年以降、日本の無償資金協力によってベオグラード市に寄贈されたものがあり、清潔さと乗り心地の良さか「ヤバナッツ(日本人)」と呼ばれ人気がありました。
こうした日本の支援・経済協力などに感謝して、カレメグダン公園に「日本の泉」という噴水が設置され、東日本大震災の際はヨーロッパ第1位の義捐金がセルビアから寄せられました。セルビア出身の名サッカー選手ストイコビッチ氏は日本好きで知られ、Jリーグの選手や監督として活躍しました。

写真:菊池 模糊

ベオグラードの道を横切る際は横断歩道が主流ですが、大きな道路では歩道橋よりも横断地下歩道が発達しているのが特徴。独特の雰囲気があり、スナップするのに最適です。

ベオグラード旧市街

写真:菊池 模糊

ベオグラードは旧ユーゴスラビア圏最大の都市で、市内中央を流れるサヴァ川の東岸が旧市街で、西岸が新市街です。歴史的見どころは旧市街のほうが多いものの、近代的なビルや住宅街・ショッピングセンターは新市街に多くあります。
旧市街の東南部のサヴァ教会から共和国広場を経て北西部のカレメグダン公園に至るエリアが中心街区。サヴァ教会と共和国広場の間は kralja Milana 通りが真っすぐ結んでおり、ホテルモスクワやヒルトンホテルなど立派な建物が立っています。博物館や公園なども多く、このあたりをゆっくりスナップしながら歩むのがおすすめです。

写真:菊池 模糊

旧市街には政府関係建物や宮殿跡建物、教会、劇場、博物館、公園などが点在しています。立ち並ぶ建物は非常に多彩で、破壊と再建を繰り返してきた複雑な歴史が見て取れます。最近でも二度の世界大戦や内戦時のNATO空爆も受け、21世紀になってようやく平和が訪れ復興へ邁進している場所なのです。
写真は公園にあるツゾリッチ・アートパビリオンで、1928年に万博に関連して建てられたアールデコ調の個性的な建物。ブラニスラフ・コジッチの設計によります。

写真:菊池 模糊

共和国広場からカレメグダン公園へ行くには、ぜひ Knez Mihailova 通りを歩きましょう。ここは歩行者天国で、石畳の道に街灯が立ち並び、趣のある町並みが広がっています。古い歴史的建物や教会に加えて高級ブランドショップや庶民的なカフェや露店、イスラム風公共水飲み場などもあり、多くの市民や観光客を集めています。夜も安全で、散策やスナップには最適の場所です。

聖サヴァ教会

写真:菊池 模糊

聖サヴァ(サワ)は、12世紀後半から活躍し崇敬を集めた聖人で、初代セルビア大主教として正教を確立しました。いわば日本でいえば聖徳太子と空海の役割を兼ねたような存在。サヴァへの崇敬を減じるべくオスマン帝国はその不朽体をベオグラードで焼却しましたが、かえってセルビアの人々の敬愛心が強まり、1935年より不朽体が焼かれた場所に建設が始められたのが聖サヴァ教会です。
ここは英名 St. Sava Temple といい世界で二番目に大きい正教会聖堂。外観は半円球のクーポラが目立つビザンチン様式で、平面的にはギリシア十字の形をしています。

写真:菊池 模糊

内部は大きく荘厳で上品な絢爛豪華さがあります。正教の方式に従った祭壇やイコンをはじめ、各種モザイク画やフレスコ画などが多く、地下部分にも見どころがあり飽きることなく見学して回れます。
首都で最も記念碑的な建物になるべく新たに企図建造されただけあり、古色蒼然とした雰囲気はないですが、現代に生きる宗教施設としてセルビア正教の強い意気が感じられます。

写真:菊池 模糊

祭壇のみならずシャンデリアや天井装飾も見事です。こうした細かい内装部分は現在も制作が続けられています。王の末子でありながら清貧で正教普及に生涯をささげた聖サヴァの思いを示すかのように、制作継続は寄付でまかなわれ、全ての人に無料で公開されています。撮影も自由なのでスナップするには有難いです。
<聖サヴァ教会の基本情報>
住所:Krusedolska 2a, Belgrad 11000
電話番号:+381-11243-2585
アクセス:バスまたはトラム Karadjordje’s Park 下車だが利用が分かりにくいので、共和国広場やヒルトンホテルから徒歩で行くのも良い。
公開:年中無休、入場無料、夜はライトアップされる。

カレメグダン公園=ベオグラード要塞

写真:菊池 模糊

もともとベオグラードは、中央ヨーロッパを流れてきたドナウ川とバルカン半島を流れてきたサヴァ川の合流地点にできた要塞から発展してきた町です。その要塞=カレメグダン公園の頂上付近に立てば、ドナウ川とサバ川の合流地点が一望できますので、ぜひ撮影しましょう。

写真:菊池 模糊

ベオグラードという名前はセルビア語で「白い町」を意味し、石灰岩の白い城壁が公園内に多く残っており、往時の雄姿を偲ばせます。戦略上の要地であるため、古代より係争の地として、140回も戦いの場となりました。現在残る白い城壁のほとんどは18世紀後半に建造されたものです。

写真:菊池 模糊

現在は城址公園として市民のいこいの場であるとともに、ベオグラード随一の観光スポットになっています。公園内は広大で、二つの教会、拷問博物館、軍事博物館、自然史博物館、美術館、動物園、遊園地、ドリナの橋を立てた宰相の水飲み場などがあり、軍事博物館前には多数の戦車が展示され、自然史博物館前には恐竜の像が並べられています。
また、勝利者の像や時計塔などのモニュメントや銅像類も多く、中にはベオグラード復興に協力してくれたフランスや日本に感謝する記念碑や噴水もあります。
<カレメグダン公園の基本情報>
住所:Terazije 3/V 11000,Kalemegdan Park,Belgrade
電話番号:+381-11-2620685
アクセス:バスまたはトラム Kalemegdan 停車場下車すぐだが、共和国広場から徒歩15分で到達可
公開:年中無休、公園内のみなら入場無料、夜はライトアップされる。

夜景と新市街

写真:菊池 模糊

ベオグラードの夜景も一見の価値があります。サヴァ川にかかる橋の上からは新市街と旧市街の両方の夜景が鑑賞できますので、ぜひ撮影にチャレンジしてみてください。旧市街側はカレメグダン公園の城塞がライトアップされ、聖ミハイル大聖堂の姿などが川面に映りなんとも素敵な風情を醸し出します。

写真:菊池 模糊

一方、新市街側には高層ビル群がそびえ、非常に現代的な造形と明かりを見ることができます。このような発展しつつある新しいベオグラードの姿も見るべきでしょう。

写真:菊池 模糊

新市街には、近代的な建物が多く、Delta City や USCE Shopping center など新しいショッピングモールがあります。東欧の最先端ファッション店や大規模スーパーなどもありますので、セルビアの新トレンドを体験されてはいかがでしょうか。

ベオグラードへの行き方は?

日本からベオグラードへの直行便はないため、イスタンブール(トルコ航空)かドーハ(カタール航空)またはフランクフルト(ルフトハンザ航空)乗り換えで、約14時間〜20時間でアクセスします。
空港からは市内に近いのでタクシーが一番早く便利。特に夜間や冬季はタクシーをおすすめします。空港の入国ゲートを出て正面にあるタクシーインフォで行先を示しチケットをもらってください。インフォ前で客引きする違法タクシーは無視しましょう。
行先が旧ベオグラード駅やスラビヤ広場付近ならば、シャトルバス(A1)が便利。ただすぐ満席になるという欠点があります。市バス(72番)は安いですが、各駅停車で時間がかかるのとチケット購入がスマホアプリのみなので日本人には不便です。
2024年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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ベオグラード市公式サイト(英語)(外部リンク)
https://www.beograd.rs/en/

【トラベルjp・ナビゲーター】
菊池 模糊

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