2025-02-05
曲がりくねった根や幹が、躍動感に富んだ独特の造形を見せる松。古来、その生命力あふれる造形に魅せられ、さまざまな形の松が育てられてきました。
国の天然記念物となっている京都・善峯寺の「遊龍松」はその代表格ですが、兵庫県丹波篠山市にもダイナミックな造形美を見せる松の古木があること、ご存知ですか?それが「宮田の五葉松」です。今回は丹波篠山市の天然記念物となっている「宮田の五葉松」をご紹介しましょう。
「宮田の五葉松(みやだのごようまつ)」は、兵庫県丹波篠山市にある松の古木。宮田地区に鎮座する天満神社の境内に自生しています。
天満神社の祭神は菅原道真。江戸時代前期の明暦元年、京都の北野天満宮を勧請した社とされています。
境内からは、宮田の集落を一望することができます。文字どおり、天満神社は宮田地区の鎮守の社となっています。
「宮田の五葉松」は、そんな高台に自生しているわけです。
参道にせり出すように現れるこちらの松が、今回ご紹介する「宮田の五葉松」。
陽の光に青々と輝く様子からも、「宮田の五葉松」が古木でありながらいまだに樹勢が強く、生命力に富んだ松であることがうかがえます。
その全体像がこちら。画面中央の奥側に先ほどご紹介した天満神社の本殿があり、五葉松はその本殿の脇から崖下へとかさを広げるように枝を大きく伸ばしています。
樹高は4.5メートル、枝張り約12メートルの堂々たる規模。正確な樹齢は不明ですが、その規模からいって、数百年を経ていることは間違いありません。
「宮田の五葉松」は、その名のとおり、マツ科マツ属の常緑高木である「ゴヨウマツ」に属しており、そのなかの「ヒメコマツ」に該当しています。盆栽をたしなむ方であれば、ゴヨウマツが愛好家に人気の松であることをご存知でしょう。
葉は緑色で、長さ5、6センチメートルの針状。短枝に5枚ずつ束になってつくことにちなみ、「ゴヨウマツ」(五葉松)と呼ばれています。
根元をじっくり見てみましょう。
根元は三本の幹から成り立っています。そのうちの1本は上に向かってのびています。1本が上へとのびているせいか、残りの2本は上へとのびることができず、そのまま幹を水平にのばしています。
とぐろを巻くようにしてのびる大きな幹まわりは、見るものに何とも生々しい印象を与えます。その曲がりくねった幹の様子が、生命力に富んだ独特の造形を強く印象付ける要因となっています。
水平にのびる複数の枝もまた長い歳月を経て歪曲し、互いに交差しながら、複雑な造形となっています。
特にご覧いただきたいのが、石垣の下へと広がる圧巻の枝ぶり!その青々とした葉の様子からは、「宮田の五葉松」がこれからも長きにわたって成長し、枝を果てしなくのばしていくことが想像できます。
水平にのびながら、枝同士が複雑に絡み合う枝を支えているのは、何本も立てられた支柱。生命力にあふれる枝はかなりの重量があり、それを支える支柱の大半も石でできています。
「宮田の五葉松」では、同地の宮田地区全体が管理者として指定されています。したがって、そのメンテナンスも宮田地区の有志の方々によっておこなわれています。彼らの適切な管理のおかげでいまだ強い樹勢を保ち続けていることを忘れず、その見事な枝ぶりを見学しましょう。
「宮田の五葉松」がいかに生命力に富んだ古木であるか、おわかりいただけたでしょうか。盆栽の愛好家からすれば、そのさまは、さながら巨大な盆栽を見ているかのようなシュールな印象を抱くのではないでしょうか。「宮田の五葉松」を実際に現地で見学し、その生命力に富んだ樹勢からパワーをいただいてください。
住所:兵庫県丹波篠山市宮田149(天満神社境内)
アクセス:神姫バス「宮田」停留所下車すぐ
2025年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
■関連MEMO
宮田の五葉松―丹波篠山市ホームページ(外部リンク)
https://www.city.tambasasayama.lg.jp/photo_history/2/bunkazai_hubutu_huzoku/sasayamanomeibokutokyoboku/14330.html
【トラベルjp・ナビゲーター】
乾口 達司
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