2025-03-15
島根県安来市にある足立美術館(あだちびじゅつかん)は、横山大観をはじめとする近代日本画や北大路魯山人の陶器を中心に展示されています。さらに常駐の庭師によって徹底的に美しく保たれた庭園はアメリカの日本庭園専門雑誌で、2003年から連続で日本一に選出されています。
様々な工夫が凝らされた日本庭園は必見!ぜひ実際に足を運んで鑑賞してみてください。
足立美術館は1970年(昭和45年)に島根県安来市出身の実業家、足立全康(あだちぜんこう)によって創設された美術館です。日本を代表する庭園と横山大観や竹内栖鳳、橋本関雪に代表される近代日本画のコレクションが見どころです。
なかでも横山大観の作品の所蔵は総数120点あまりにのぼり、横山大観特別展示室では季節ごとに展示替えされた代表作の数々を鑑賞することができます。
足立美術館の庭園は、創設者の足立全康の構想のもと、昭和の小堀遠州と呼ばれた作庭家の中根金作(なかねきんさく)が設計を行いました。5万坪にも及ぶ庭園は「枯山水庭」「白砂青松庭」「苔庭」「池庭」を中心に構成されており、専属の庭師や美術館スタッフによって、毎日きめ細かな手入れが行われています。
足立美術館では開館前に、落ち葉ひとつ残さないように徹底した清掃と管理が行われ、どこから観賞しても完璧な美しさが保たれています。美しさを維持するため、借景となる山を買い取り、さらに落差が15メートルある人工の滝を作るなど、理想の風景への強いこだわりが貫かれています。この人工の滝は開館8周年を記念して作られ、足立美術館が所蔵する横山大観の「那智乃瀧」の情景を表現しています。
足立美術館では「庭園もまた一幅の絵画である」という理念のもと、日本庭園も美術作品のように鑑賞できるようになっています。その象徴がこちらの「生の額絵」です。樹齢100年を超えるクスノキを近景として、中景に庭園、そして借景の山々を遠景に配置。窓枠を額縁に見立て風景を切り取り、四季に合わせて画面が移り変わる自然の芸術となっています。
「生の額絵」以外にも足立全康の本宅内の床の間の壁を切り抜いた「生の掛軸」もあり、こちらも奥にある庭園を一幅の掛け軸のように鑑賞できるようになっています。
足立美術館で最も広大な庭園が、こちらの枯山水庭です。奥に配置した3つの立石は山を表し、そこから流れ込む滝の水が手前の白砂へと広がる風景を表現しています。背後の山々を借景とすることで庭園に奥行をもたせ、また民家などの人工物を視点から排除することで、深遠な山水の世界を演出しています。
こちらの白砂青松庭は、横山大観の作品「白沙青松」をイメージして作庭されました。池を挟んで右側にクロマツ、左側にアカマツが植えられ、なだらかな白砂の丘陵に大小の松がリズミカルに配置されています。成長し過ぎて庭園の調和を乱してしまう松は、すぐに交換できるよう別の場所にスペアが用意され、横山大観の絵画の情景を再現できるように工夫されています。
2020年(令和2年)には、北大路魯山人の作品を常時120点以上展示した魯山人館がオープンしました。美食家として知られる魯山人は、料理の盛り付けに使用する器にも強いこだわりを持ち、自ら理想的な器を求めて創作活動を行いました。備前焼や志野焼、織部焼など様々な技法を取り入れた魯山人の陶器は現在でも高い評価を受けています。
住所:安来市古川町320
開館時間:4月〜9月/9:00〜17:30、10月〜3月/9:00〜17:00
料金:大人2,300円、大学生1,800円、高校生1,000円、小中学生500円
アクセス:安来ICから車で約10分、安来駅から無料シャトルバス20分
2025年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
■関連MEMO
足立美術館公式ウェブサイト(外部リンク)
https://www.adachi-museum.or.jp/
安来市観光協会公式ウェブサイト足立美術館ページ(外部リンク)
https://yasugi-kankou.com/spot/adachi-museum/
【トラベルjp・ナビゲーター】
島塚 渓
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