和歌山の渓谷にある美食の宿!美山温泉「愛徳荘」に泊まる

和歌山県の日高川町にある愛徳荘は山間部にあるコストパフォーマンス抜群の温泉宿で、武家屋敷と見紛う建物と美山御膳が名物の美食の宿でもあります。
付近には由緒ある神社や美しい渓谷を利用した椿山ダムやヤッホーポイント、藤棚ロードなどもあり、自然の中の深い山の雰囲気を存分に味わえます。泉質の良い温泉もあり、周辺地域からの一泊旅行にはぴったり!都会の喧騒を離れ、ゆっくりと過ごされてはいかがでしょうか?

愛徳荘とは

愛徳荘は、旧・美山村が建設した施設で、1988年11月のオープン。その後、美山村・中津村・川辺町が合併し日高川町となったため、現在は建物は日高川町の所有。運営は指定管理者制度により民間会社に委託されています。
旧・美山村時代から安くて美味しい食事を提供する公的な人気宿として有名で、個人利用のリピーターが多く、運動施設もあることから合宿などにも利用されてきました。TVでも紹介され、太川陽介さんらが出演する「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」でもバスで有田から田辺へ抜ける際の貴重な宿として紹介されました。
建物は年月を経ていますが、かえって木造古民家風の雰囲気が増し、武家屋敷のような風格もあって魅力的です。

典型的な和風宿で、基本的な部屋は7.5畳の和室です。数は少ないですが洋室(特別室)もありますので、希望される方は施設におたずねください。
部屋内に風呂やトイレがないものの洗面設備はあります。その点を了承すれば、じゅうぶんな部屋でしょう。布団は羽毛布団で快適に眠れます。

中庭にバーベキューなどで使用できる設備が整っており、野趣ある食事も楽しめます。また、藤棚の下にはログハウスもあり、独立して6+6畳・バス・トイレ付で宿泊することも可能です。

愛徳荘の自慢は料理!

なんといっても愛徳荘の自慢は料理です。特におすすめは美山御膳で、質量ともに満足できます。この料理を含めた宿泊で、一泊二日二食付きで一万円を切るのですから、信じられないコストパフォーマンスの高さです。
写真の大きな重箱のような膳にセットされたのが美山御膳。季節の材料を少しづつ盛り込んだ和食で、手間暇のかかった料理の数々が嬉しいですね。

美山御膳には、膳の重箱以外に陶板焼き物と季節の貝入り山菜釜めしも提供されます。さらに、最後には季節の素材満載の吸い物椀とデザートも出ます。お腹いっぱいになる量で、味付けも素晴らしいです。
また、多すぎるという方には、食事少なめで格安のビジネスプランもあります。

こちらは朝食で、じゅうぶんな質と量です。特に豆腐と山菜のおひたしが美味しく、元気に旅の朝をスタートできます。

愛徳荘の温泉などの施設

温泉も美山温泉として親しまれています。わずかにぬるっとした、柔らかい肌になじむ湯が魅力。泉質はナトリウム・炭酸水素塩泉(旧泉質名 純重曹泉)です。

廊下奥には新館の木造二階建ての部屋があり、中庭に面しています。いかにも和風宿というたたずまいが魅力的。旅行で訪れるなら、この新館の禁煙の部屋がおすすめです。

愛徳荘玄関の目の前には、屋根付きの運動広場「美山ドーム」があります。雨天時も活動が出来ますので、各種合宿にも最適です。また密閉型ではないので、心地良い風を肌で感じながらスポーツなどを楽しむことができます。利用希望の場合は愛徳荘でご相談ください。

徒歩すぐの観光スポット

愛徳荘から徒歩7分のところに上阿田木神社(かみあたぎじんじゃ)があります。同地に928年に遷座されたと伝わる由緒正しい古社です。祭神は女神の伊邪奈美神(いざなみのかみ)。4月下旬の春の大祭は「花祭り」とも呼ばれる華やかなもので、県無形文化財となっています。幟の上に花が飾られ神楽(稚子によるヤツハチの舞)が奉納された後、フィナーレでは上から切り花が舞い散ります。
また鎮守の森には古木が多く鬱蒼と茂っています。中でも重右衛門杉と呼ばれる大木は高さ43mもあり樹齢は300年以上とされています。

愛徳荘から徒歩5分の場所には、奈良との県境の護摩壇山に源を発する椿山ダムがあります。山中を深く屈曲する日高川の水を貯め、洪水調節や、かんがい及び発電に役立つ多目的ダムです。
周辺は紀伊山地の自然に囲まれ、春はサクラ、新緑そして初夏から夏にかけてはツツジ、アジサイ、ヤマユリなどの花々が咲き誇ります。また秋は紅葉が美しく栗拾いなども楽しめます。

徒歩一分のところに藤棚ロード・森林公園があります。4月中旬から5月初旬にかけては藤の花が咲き誇り「藤まつり」が開催されます。高低差約100mの藤棚ロードが山頂まで続き、藤の咲く道の長さは日本一とされ、椿山ダムなどの展望も良いです。
愛徳荘から藤棚ロードのある森林公園にかけては「リフレッシュエリアみやまの里」と呼ばれ、例年GWには多くの観光客で賑わいます。

ヤッホーポイントや近くの道の駅も

愛徳荘から車で3分ほど走った日高川の屈曲部には、澄んだ山びこが楽しめる「ヤッホーポイント」があります。駐車場もあり、吊り橋で川を徒歩で渡ると対岸のヤッホーポイントに至ります。確かにヤッホーと叫べばこだまが返ってきますので、ぜひ挑戦してみてください。

愛徳荘から徒歩2分のところには「みやまの里 道のホットステーション」があります。小さな道の駅という感じで、さまざまな土産物を買うことができます。
ここで特におすすめは「ごんちゃん漬け」という漬け物。素材は和歌山で「ごんぱち」と呼ぶ野草で、全国的には「イタドリ」や「スカンポ」として知られます。なかなか調理が難しい野草ですが、ここならではの秘法でアクを除いており、とても美味しくいただけます。他では見られないユニークな漬け物ですので、ぜひお求めください。

愛徳荘から車で約20分の距離に日高川町で唯一の道の駅「SanPin中津」があります。町の物産土産を中心に、お弁当や取りたて野菜・果物類も販売しています。すぐ隣には、ここの名物であるホロホロ鳥の料理を味わえるレストランもあります。
もし行き帰りに御坊方面を経由する場合は、ぜひここにお立ち寄りください。

愛徳荘へのアクセスは?

日高川の美しい溪谷沿いにあるので、ドライブしながら車で来られることをおすすめしますが、電車バスなど公共交通機関でもアクセス可能です。
車で来る場合は、阪和高速道路を「有田IC」で降り、そこから国道424号線を経て約30分。道は良いですが、深い山間部を通るのでゆっくりと景色を楽しみながら慎重に運転してください。
電車の場合は、JR新大阪駅より特急で約1時間40分で御坊駅下車。バス川原河行に乗車し、川原河でコミュニティバス寒川線に乗り換え「平橋(愛徳荘前)」下車。(約1時間30分)ただし、コミュニティバスの本数が少ないので、あらかじめ運航時刻を確認の上ご利用ください。
2025年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
愛徳荘公式サイト(外部リンク)
https://hidakagawa.net/aitokushou/

【トラベルjp・ナビゲーター】
菊池 模糊