ホーム 旅行&おでかけ > 海抜マイナス400m!イスラエル・ミステリアスな死海と砂漠

海抜マイナス400m!イスラエル・ミステリアスな死海と砂漠

2025-05-03

入水すると浮くことで有名な「死海」はイスラエルとヨルダンの国境にあります。ここは海抜マイナス約400メートルという、地球で最も低いところにある水域。実は死海は海ではなく、川の水が干上がってできた塩湖なのです。死海周辺はユダヤ砂漠という荒野で、他に類を見ない不思議な風景が続きます。今回は、世界的人気スポットの死海をはじめ、古代から歴史的、宗教的な意味合いが深いユダヤ砂漠をご紹介します。

ユダヤ砂漠は幻想的な風景の連続

写真:松田 朝子

テルアビブから車で約2時間、スタイリッシュな都会から風景は一変して「荒野」へ。途中通過するエルサレムは標高800メートルなので、その方角から死海に向かうと、標高差1200メートル。道路は比較的平坦ですが、耳に圧力がかかるので、低地に向かっているんだな、と感じさせられます。

写真:松田 朝子

海抜0メートル地点ではラクダがお出迎え。傍にはハンドメイドのお土産品を並べたシートもあって、この辺りに住んでいる遊牧民族たちのビジネスの場となっています。ラクダには乗せてもらうことができますが、有料なので注意。乗る時はラクダが足を曲げて座った体勢の時に跨ります。人を乗せるとラクダは立ち上がりますが、その時前傾姿勢でいないと落ちそうになります。

写真:松田 朝子

ユダヤ砂漠には、多数のワディ(涸れた川)が横切っていて、グランドキャニオンのようにたくさんの渓谷があります。太古の昔、死海に流れ込む川の水によって運ばれた大量の堆積物が、このような景観を創り出したといいます。ジープツアーで砂漠地帯を巡ると、至近距離で地層や、塩でできた奇岩などを見ることができます。

世界遺産のマサダ遺跡へ

写真:松田 朝子

死海を見渡せる高台にあるマサダは、第一次ユダヤ戦争の遺跡で、現在ではMasada National Parkとして国立公園になっています。400メートル以上高くそびえ立つ岩の台地は、2001年ユネスコの世界遺産にも登録されています。

写真:松田 朝子

ヘブライ語で「要塞」を意味するこのマサダは、紀元前2世紀にヘロデ大王が、ローマ様式の豪華な宮殿を建設したことに始まりました。そしてここがローマ帝国の属州になると、ユダヤ戦争(66〜73年)時には難攻不落の要塞となったのです。
ローマ軍は、この地をなかなか落とすことができず、3年がかりで陥落させようとしました。しかし、敗北すると奴隷にされるというのが当時の風習で、籠城していたユダヤ人900人はほぼ全員が自決をしたのです。そんなことからここはユダヤ人にとって聖地とされています。

写真:松田 朝子

マサダに行くには、ケーブルカーで上りますが歩きたい人は歩くこともできます。ここで特筆すべきは、要塞のスタイル。いくつものローマ風呂的プールが今でも確認することができます。この高台にどうやって水を運んだのか?あるいは大きな風呂が作れるくらい、どうやって貯水したのか興味深いものがあります。
マサダは現代ユダヤ人にとっても聖地であり、イスラエル国防軍将校団の入隊宣誓式は現在もこのマサダで行われています。
<基本情報>
住所:Masada National Park, Masada
電話番号:+972-8-9959333

死海を完全攻略するには?

写真:松田 朝子

死海のまわりにはリゾートホテルが立ち並び、まさに「砂漠のオアシス」。波もなく鏡のように穏やかですが、湖水は塩分濃度約30%、海水の約10倍の濃度。よって生物は生息できません。「死海」という名も、そんなことから付けられました。
一方、死海の水にはマグネシウムやカルシウム、ナトリウム、カリウム、ストロンチウム、その他天然のミネラルが絶妙なバランスで含まれています。これらのミネラルを利用した死海の自然療法は古代より知られており、皮膚アレルギーをはじめ、リューマチ・神経痛・喘息などを癒す効果があります。なので周囲には健康・美容・医療の施設も多く見られます。
また酸素濃度が世界中のどこよりも高く、心拍数を減少させ、脳や内臓を休める効果も認められています。そして死海は空気層が厚く、さらに蒸発した水分がフィルターとなるため、紫外線をカットしてくれて、心置きなく日光浴が楽しめるのです。
と、名前に反して良いことづくめの死海ですが、入水するにはたくさんの注意事項があります。

写真:松田 朝子

死海ではバチャバチャと水飛沫をあげて泳ぐことは御法度です。もし誤って湖水が口に入ったら、体内のナトリウムバランスが急速に崩壊し、内臓にまで化学熱傷を引き起こす場合もあるのです。なので、入水の際にジャンプや飛び込みは禁止です。また絶対に顔を水に浸けてはならず、泳ぐ体勢での入水も危険。ここでは「泳ぐ」のではなく、バスタブのように「浸かる」感覚でいないといけないのです。
入水の際にはビーチサンダルよりもウォーターシューズがあるといいでしょう。素足でもギリギリ大丈夫ですが、湖底には塩の結晶があって踏むと痛いです。腰ぐらいの深さまで進んだら、体を沈めてゆっくり足を上げてみましょう。すると浮き輪もないのにポッカリと浮きますよ!

写真:松田 朝子

死海の周囲には、ロッカーやシャワーが使えるパブリックビーチがありますが、点在するリゾートホテルの利用がオススメ(要予約)。死海と同じ塩分濃度で作られたスイミングプールがあるホテルもあります。ここでは塩の結晶を踏むことなく快適に浮遊体験ができます。
そんな死海も今や、水の蒸発が活発になって、年に1mものスピードで水位が下がっているのです。このままでは干上がるのも時間の問題、とばかり、死海の消滅を食い止めるべく周辺国のイスラエルとヨルダンでは、紅海からパイプラインで海水を死海に流すパイプラインの建設が進められています。 

死海の美容成分に着目した、アハヴァ・デッドシー・ラボラトリーズ

写真:松田 朝子

死海のウォーターフロントに工場と店舗をもつアハヴァ・デッドシー・ラボラトリーズは、1988年創業の死海で原料を採掘することが法的に許可されている唯一の化粧品会社です。
アハヴァ(ヘブライ語の意味は「愛」)は、死海から直接抽出した強力なミネラルをブレンドしたOsmoterを開発。これは死海の水を太陽熱で自然蒸発させたもので、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、カルシウムなど、人間の肌に不可欠なミネラルを独自のバランスで含んでいます。それにより肌の深層から表面に水分をもたらし、肌を内側から活性化させる働きがあります。Osmoterはすべてのアハヴァ製品の主要成分となっています。
全ての商品はビーガン、無農薬、有害物質やその可能性のある物質を含まないなど、環境にも人にも優しく作られています。
<基本情報>
住所:59X7+PJ エン・ボケック,
電話番号:+972-8-6193760

古代にタイムスリップ!

ユダヤ砂漠は、古代から様々な文化や宗教の地として、重要な拠点となった場所。他では見ることのない大自然の妙と相まって、神々しいオーラを纏っているよう。死海の水で心身をリセットしたら、いにしえの時代に想いを馳せてみるのもいいですね。
2025年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
イスラエル大使館(外部リンク)
https://new.embassies.gov.il/japan/ja
マサダ(外部リンク)
https://whc.unesco.org/en/list/1040/
アハヴァ・デッドシー・ラボラトリーズ(外部リンク)
https://global.ahava.com
古都の歴史とイノベーションが融合するイスラエル
https://www.travel.co.jp/guide/article/48910/

【トラベルjp・ナビゲーター】
松田 朝子

関連記事

提供元:トラベルjp 旅行ガイド

Facebook
P R
お悩み調査実施中! アンケートモニター登録はコチラ

eltha(エルザ by オリコンニュース)

ページトップへ