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小泉八雲が愛した古民家「小泉八雲旧居(ヘルン旧居)」で、古き良き松江に触れる

2024-09-24

小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)は、ギリシャ生まれながら日本国籍を取得した学者、小説家です。1890年に学校の英語教師に任命されたことを機に島根県松江市へ移り住みました。1891年に熊本へと転任するまで、約半年間暮らしていた旧居は国の史跡に定められ、現在一般公開されています。
彼がどのように暮らし、執筆活動をしていたのかが分かる小泉八雲旧居を、覗いてみましょう。

伝統美観指定地区の「塩見縄手」に居を構える

写真:カジヤマ シオリ

小泉八雲が1891年から暮らした屋敷は、旧松江藩士根岸家の持ち家でした。彼自身が武家屋敷での暮らしを切望していたことと、屋敷の主・根岸干夫が簸川郡(現出雲市)におり空き家だったことが重なり、この屋敷で暮らすこととなったのです。
旧居のある塩見縄手は、風情のある古い建物が並ぶ通りです。17世紀からの武家屋敷や長屋門が残されており、松江市伝統美観指定地区にもなっています。

写真:カジヤマ シオリ

小泉八雲がこの屋敷に住んでいたのは、まだ日本に帰化しておらず、ラフカディオ・ハーンと名乗っていた時期のことでした。
そのため「ヘルン旧居」と呼ばれることもあります。これは島根の学校へ任命された際の辞令に、Hearn(ハーン)というファミリーネームが「ヘルン」と表記されたことが由来です。本人もそれを気に入っていたといわれています。

古き良き日本の姿を見る

写真:カジヤマ シオリ

ギリシャ生まれでイギリス人でありながら、小泉八雲は何事も日本風にこだわっていたといわれています。
天井は低く、古き良き日本を感じさせるような雰囲気が漂う空間です。

小泉八雲が愛用した品を再現

写真:カジヤマ シオリ

小泉八雲は、少年時代の事故がきっかけで隻眼となりました。彼自身、左目の色が右目と違うように見えることをコンプレックスと感じ、左を向いて写真に映るようになりました。
彼は左目の視力がないうえ、右目が極度の近視でした。原稿の執筆中にはメガネをかけることも好まなかったため、原稿用紙にこすりつけるような距離まで右目を近づけて執筆していたといわれています。このスタイルに合わせて、彼は背の高い机を使っていました。彼が使っていた机のレプリカが、居間に展示されています。

写真:カジヤマ シオリ

1891年にここで半年間暮らしたあと、熊本、神戸と転居し、1894年に東京に移り住んだ際、妻のセツが江の島でホラ貝を購入しました。そのホラ貝は、小泉八雲が家族を呼ぶ際に吹いていたといわれています。実際のものは隣接する小泉八雲記念館にありますが、ここにはレプリカも置かれています。
ほかにも、展示されている燈籠やしゃちほこ等は、八雲の作品にも登場するモチーフです。

必見!小泉八雲の愛した庭園

写真:カジヤマ シオリ

小泉八雲の暮らしを想像できたら、旧居をぐるりと囲む日本庭園を鑑賞してみましょう。この庭園も、旧居を訪れたら見逃せないポイントです。縁側に腰をかけて鑑賞するのがおすすめです。
これは屋敷の主だった根岸干夫の先代、根岸小石の手による日本庭園です。松江市の中心部にありながら、都会の喧騒を感じさせない、ゆったりとした時間が流れています。決して広くはありませんが、手入れのいきとどいた庭園です。

写真:カジヤマ シオリ

小泉八雲が使っていた9畳の居間からは、三方に日本庭園を望むことができます。実際に「床を背にして座ると、三方の庭が眺められる」と満足そうだった様子が伝えられています。再現された椅子に座って、彼が実際に見ていた風景を眺めてみましょう。
実際に小泉八雲は、島根の情景についてつづった著書「知られざる日本の面影」の中で、この日本庭園の魅力をあますことなく語っています。彼が愛してやまなかった庭園を眺めながら、思い思いに過ごしてみましょう。

小泉八雲旧居(ヘルン旧居)の基本情報

住所:島根県松江市北堀町315
電話番号:0852-23-0714
開館時間:8:30〜18:30(10月から3月は〜17:30)
入館料:大人300円、小人150円
アクセス:「小泉八雲記念館前」バス停より徒歩1分
2017年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
小泉八雲旧居 公式ホームページ
http://www.matsue-tourism.or.jp/kyukyo/index.html

【トラベルjp・ナビゲーター】
カジヤマ シオリ

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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