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大阪市・大正区の「巨大橋」を“徒歩”と“渡し船”で空中散歩!

2022-09-02

大阪市の大正区は、区全体が運河に囲まれた島のような地形になっています。そのため区民の足として、いまも「渡し船」が数多く運航されています。また、工業地帯の木津川沿いには、「千本松大橋」と「新木津川大橋」という2本の巨大橋が架けられています。スリル満点の、巨大橋めぐりの旅に、徒歩と渡し船で出かけてみませんか?

大阪初のらせん橋「千本松大橋」とは

写真:モノホシ ダン

まずは、木津川に架かる「千本松大橋」に行ってみましょう。この橋は、アプローチ部分の両側が、2段のらせん形状になっているため“めがね橋”とも呼ばれています。
千本松大橋の両サイドは、江戸時代に開墾された新田地帯でしたが、水運に恵まれていたために、明治時代の終わりごろから工場地帯に変貌し、製鉄所や造船所などが相次いで建設されることになりました。
しかし、陸上交通は不便なままだったため、利便を図るために、1973年(昭和48年)木津川河口の大正区南部と西成区を結ぶ千本松大橋が建設されました。

写真:モノホシ ダン

「千本松大橋」は大阪では最初の“らせん橋”で、長さ323.5m、高さ36m、らせん高架部分の長さは大正区側で、452.4mです。総延長は、1228.3mに及びます。
橋には、車道のほかに、歩道も設けられているので、歩いて渡ることができます。グルグル回りながら歩いていると、どんどん高度が上がってくるので、高いところが苦手な方は恐怖を覚えるかも知れません。

写真:モノホシ ダン

千本松大橋からは、もう一つ木津川の下流に架かる「新木津川大橋」のアーチ部分か見えます。橋上から至近距離で眺める工場と近代的な橋のコラボは迫力満点です。

千本松大橋からの超絶景を楽しもう

写真:モノホシ ダン

大正区は「ものづくりの街」としても有名です。木津川の両岸には、びっしりと工場群が並んでいる光景はまさに壮観。橋の最高地点は、繰り返しますが、高さ36mで、これは12階建てのビルの高さに相当します。
これだけ高いのは、木津川を大型船が安全に航行できるよう、桁下を水面から33mの高さに確保する必要があったからです。

写真:モノホシ ダン

さらに橋上からは、高さ300m、日本一の高層ビルで、大阪のランドマークタワーでもある「あへのハルカス」の威容も。人によっては、懐かしのロックバンド、クリスタルキングの『大都会』のテーマが思い出される光景かも知れませんね。

写真:モノホシ ダン

木津川の左岸には、「大鋼商運 津守工場」をはじめとするの工場地帯が眼下に見えます。千本松大橋からの風景は、“工場萌え”の方も満足する絶景といえるでしょう。

渡し船からの千本松大橋の眺めも見逃せない

写真:モノホシ ダン

橋の空中散歩を楽しんだなら、西成区の南津守側の「千本松渡船場」から船に乗って、大正区の南恩加島側に戻りましょう。渡し船は、毎日6時から21時まで約15分間隔で運航されていて、乗船時間は約2分です。しかも、乗船料は無料。
運用される船は1隻で、大正区の南恩加島側の「千本松渡船場」からやってきた船が、着後、すぐにとんぼ返りする運航形態になっています。

写真:モノホシ ダン

橋ができても、渡し船が残ったのは、歩行者や自転車にとって体力・所要時間に大きな負担になるからです。ビルの12階建ての高さに相当する総延長約1.2kmの長大橋の渡橋は、ふつうに歩いても片道約20〜30分は必要です。
その間を、渡し船は約2分で結びます。ちなみに、2021年現在の利用者は、1日平均約891人となっています。渡し船からも、千本松大橋の眺めを楽しみましょう。
<千本松渡船場の基本情報>
渡し船所在地(南恩加島側):大阪市大正区南恩加島1丁目11-1
アクセス:JR・大阪メトロ「大正駅」から大阪シティバス(鶴町四丁目行き)「大運橋通」下車、東へ徒歩約10分、または、大阪シティバス76系統(住之江公園行き)「千本松西詰」下車、東へ徒歩約2分

写真:モノホシ ダン

渡し船で、大正区に戻ったら、木津川に架かるもうひとつの長大橋である「新木津川大橋」に向かいましょう。橋の入り口までは、徒歩で約20分ほどです。
「新木津川大橋」のアプローチ部分は、俳優「松田優作」の遺作となった映画『ブラックレイン』のロケ地の一つ、船町工場群の一角にあります。大正区側のアプローチ部分のみ用地の関係で、先の千本松大橋と同じく“らせん構造”になっています。しかもこちらのらせん形式は、さらに1段多い3段。
この橋は、木津川河口のさらに南の、大正区と住之江区を結ぶ、総延長2.4kmのアーチ橋で、完成したのは1994年(平成6年)です。千本松大橋と同じく、車道のほかに歩道が設けられていますので、ここでもスリルを体感しましょう。

力強さを感じさせるアーチ橋「新木津川大橋」とは

写真:モノホシ ダン

橋のらせん部分は、上るにつれて、新木津川大橋の全貌が少しずつ姿を現します。その堂々たる姿は、まるで肉食恐竜の骨格標本のような力強さを連想させます。

写真:モノホシ ダン

橋の最高地点は、先ほどの千本松大橋よりもさらに高く、水面上50mの高さになっています。キリンの首のようにそそり立つ工場群のクレーンと周囲の景観に、圧倒される思いがするでしょう。

写真:モノホシ ダン

新木津川大橋の右手、木津川の上流部の眺めも素晴らしいものがあります。ついさっき渡ってきた「千本松大橋」や「あべのハルカス」はもちろんのこと、大阪のもうひとつのランドマーク「通天閣」さえも望むことができます。高いところが苦手な方でも怖さを忘れてしまうほどの圧巻の大展望がここにはあります。

新木津川大橋からも言葉にできないほどの絶景が

写真:モノホシ ダン

橋の最高地点からの眺めは、まさに絶景の一言。左手には“大阪のベタ踏み坂”こと「なみはや大橋」が。さらにその向こうには「港大橋」「天保山大橋」と、これでもかというくらい長大橋のオンパレードが続きます。

写真:モノホシ ダン

さらに橋の南側には、港大橋とともに大阪港のシンボル「大阪府咲洲庁舎(さきしまコスモタワ-)」の姿も見ることができます。高さ256m、地上55階ての日本第4位の超高層ビルです。
この光景に誰もが、これだけの巨大建造物群を次々と出現させた日本人の情熱と叡智に感嘆せずにはいられないでしょう。

写真:モノホシ ダン

新木津川大橋からの素晴らしい眺望に満喫したら、住之江区の平林北側の「木津川渡船場」から、大正区の船町側に戻りましょう。
船の運航ダイヤは、毎日6時から20時まで1時間に1〜3本程度です。船町側からやってきた船がとんぼ帰りで、船町へ戻るという運航形態です。乗船時間は約3分です。船の詳しいダイヤは関連MEMOをご覧下さい。
<木津川渡船場の基本情報>
渡し船所在地(船町側):大阪市大正区船町1丁目1-4
アクセス:JR・大阪メトロ「大正駅」から大阪シティバス70系統(西船町行き)「中船町」下車、南へ徒歩約4分

大阪の「アイランド」大正区を楽しもう

いかがでしたか。大阪の「アイランド」ともいうべき大正区には、大阪市内にある8ケ所の渡船場のうち、じつに7ケ所が大正区に関係があります。前述のように乗船料は、すべて無料。この渡し船をうまく使えば、今回ご紹介した「千本松大橋」「新木津川大橋」を海と陸から上手に攻略できます。
さらに合わせて“工場萌え”も楽しめるという、大正区は、まるで水辺のテーマパークのようなところなのです。ぜひ、大正区の巨大橋めぐりと渡し船を楽しんでみてはいかがでしょうか。
2022年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
大阪渡し船時刻表(外部リンク)
http://www.city.osaka.lg.jp/kensetsu/cmsfiles/contents/0000011/11278/170627unkoujikoku.pdf
千本松大橋(外部リンク)
http://www.city.osaka.lg.jp/kensetsu/page/0000023565.html
大正区の橋(外部リンク)
http://www.city.osaka.lg.jp/taisho/page/0000000471.html
大阪シティバス停留所時刻表(外部リンク)
https://kensaku.osakametro.co.jp/timetable/bus/dia/busmap
大阪にもある“ベタ踏み坂”「なみはや大橋」でスリルと眺望を満喫
https://www.travel.co.jp/guide/article/27220/

【トラベルjp・ナビゲーター】
モノホシ ダン

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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