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地球の丸さを実感!和歌山・串本「潮岬灯台」と「樫野埼灯台」

2022-09-07

和歌山県・串本町にある「潮岬灯台」と「樫野埼灯台」は、ともに明治時代の初期に、イギリス人技師によって造られた日本最古級の洋式灯台です。どちらの灯台からも茫洋たる太平洋が眺められ、地球の丸さを実感できます。また、紀伊大島の樫野埼灯台は、日本とトルコが交わるきっかけとなった歴史的な場所としても知られています。大海原の絶景を堪能しながら、歴史体験の旅も楽しんでみませんか?

海上交通の要所として船を照らし続ける「潮岬灯台」

写真:モノホシ ダン

和歌山県串本町の「潮岬」は、紀伊半島の先端に位置する本州最南端の岬です。熊野灘を見下ろす約30mの断崖上には、約150年もの間、沖往く船を見守り続けてきた白亜の「潮岬灯台」が立っています。

写真:モノホシ ダン

潮岬灯台は、江戸時代末期の1866年(慶応2年)、幕府がアメリカやイギリスなど4か国と結んだ江戸条約で建設が決まった8か所の灯台の一つです。
「日本灯台の父」と呼ばれたイギリス人技師、リチャード・ヘンリー・ブラントンが手がけ、我が国最初の洋式木造灯台として1870年(明治3年)完成しました。その後、1878年(明治11年)に現在の石造り灯台に改修されました。

写真:モノホシ ダン

入口には、灯台資料展示室が併設されており、2代目潮岬灯台レンズ(第2等フレネル不動レンズ)をはじめ、貴重な資料が多数展示されています。

潮岬灯台から360度の大パノラマを満喫!

写真:モノホシ ダン

潮岬灯台は、内部が常時一般公開されている「参観灯台」の一つで、地上20メートルの灯塔へは、68段のらせん階段を利用します。眼下には360度の大パノラマが広がり、大海原の向こうに見える水平線は緩やかな弧を描き、地球の丸さを実感できます。

写真:モノホシ ダン

灯台の右手には、緑に囲まれた「潮御崎(しおのみさき)神社」が。 潮岬の突端に鎮座する本州最南端の神社です。

写真:モノホシ ダン

さらに灯台の左側に目を向けると、河岸段丘の上に白いタワーが立っているのが見えます。「潮岬観光タワー」で、海抜100mの展望台からは、潮岬灯台・紀伊大島・望楼 (ぼうろう)の芝など、潮岬灯台と同じく本州最南端の景色を一望できます。時間があれば、灯台と併せて訪れてみましょう。
<潮岬灯台の基本情報>
住所:和歌山県東牟婁郡串本町潮岬2877
電話番号:0735-62-0141
参観時間:9:00〜16:30(入場は参観終了15分前まで)
参観寄付金:300円(中学生以上)
アクセス:JR紀勢本線串本駅より潮岬線バスで約15分「潮岬灯台前」下車、徒歩約3分。車利用の場合は、気勢自動車道すさみ南ICより約40分、有料駐車場利用

紀伊大島へのアクセス「くしもと大橋」とは

写真:モノホシ ダン

潮岬灯台で、地球の丸さを実感したら、串本の町と橋で結ばれている紀伊大島の「樫野埼灯台」へ行ってみましょう。紀伊大島へは、1999年(平成11年)9月8日に開通した「くしもと大橋」を渡って向かいます。
串本本土と紀伊大島の間には、苗我島(みょうがじま)があって、くしもと大橋は、苗我島に架かる386mのループ橋と、苗我島から紀伊大島に架かる290mのアーチ橋からなっています。橋には歩道も設けられていますので、歩いて渡ることもできます。

写真:モノホシ ダン

くしもと大橋の、紀伊大島側には「ポケットパーク」があって、橋のアーチ橋部分の景観を楽しめます。さらに、ポケットパークには有名な民謡『串本節』の歌碑があります。
橋が開通するまでは、「ここは串本向かいは大島仲をとりもつ巡航船……」と串本節にも歌われた巡航船が、串本と紀伊大島の間を約20分で結んでいました。巡航船は、橋の開通と同時に廃止されました。
ポケットパークから見た、くしもと大橋のアーチ橋は、とても力強さを感じさせます。橋の開通により、紀伊大島へのアクセスは飛躍的に向上しました。
<くしもと大橋の基本情報>
住所:和歌山県東牟婁郡串本町大島
電話番号:0735-62-3171(串本町観光協会)
アクセス:JR紀勢本線串本駅より「樫野灯台口」行きバスで約10分。車利用の場合は、気勢自動車道すさみ南ICより約50分 ポケットパーク駐車場利用

紀伊大島「トルコ記念館」はトルコ軍艦救助の友好のともしび

写真:モノホシ ダン

紀伊大島の必見スポットは、「樫野埼灯台」と日本とトルコの友好のシンボルである「トルコ記念館」です。記念館は、1974年(昭和49年)12月に建設されました。
建設の由来は、明治時代に、オスマン帝国(現在のトルコ共和国)の訪日使節団を乗せた軍艦エルトゥールル号が帰国の途中、この記念館の沖で台風のために遭難、島民たちが総出で献身的な救助活動を行ったからです。
トルコ記念館には、エルトゥールル号の模型や遺品、写真などが展示され、当時の様子が解説されています。

写真:モノホシ ダン

記念館の2階の展望台からは、エルトゥールル号の遭難現場を見ることができます。船は、明治天皇への謁見を終え、帰国途中の1890年(明治23年)9月16日の夜、台風に遭遇し、トルコ記念館沖の「船甲羅(ふなごうら)」と呼ばれる岩礁に乗り上げ沈没しました。
沈没時に、船のボイラーが大爆発を起こした音を、多くの島民が聞いています。島民の献身的な救助活動により、乗員約650名のうち、69名が救助されました。救助された乗員たちは、手厚い看護を受け、のちに日本の軍艦によって無事トルコに送り届けられました。
<トルコ記念館の基本情報>
住所:和歌山県東牟婁郡串本町樫野1025-25
電話番号:0735-65-0628
営業時間:年中無休 9:00〜17:00
入場料:500円(高校生以下250円)
アクセス:JR紀勢本線串本駅より「樫野灯台口」行きバスで約37分 「樫野灯台口」下車すぐ。車利用の場合は、樫野灯台口駐車場利用

写真:モノホシ ダン

記念館の近くの樫野埼の丘には、エルトゥールル号の遭難慰霊碑が建っていて、沈没時に犠牲となった580余名の乗員の遺体が埋葬されています。
慰霊碑は、トルコ共和国のケマル・アタテュルク初代大統領か建設を決定、1937年(昭和12年)に完成したものです。この遭難事件の史実は、トルコの教科書に掲載され、2015年(平成27年)に両国の合作映画『海難1890』にもなりました。

「樫野埼灯台」は、日本最古の石造りの洋式灯台

写真:モノホシ ダン

樫野埼の丘には、トルコ共和国のケマル・アタテュルク初代大統領の騎馬像が。この騎馬像は、日本とトルコ友好の礎を築いた軍艦エルトゥールル号の遭難120年にあたる年に、更なる両国の発展を祈って、駐日トルコ共和国大使館より串本町に寄贈されたものです。
後方に見える灯台は、日本最古の洋式石造灯台である「樫野埼灯台」。映画『海難1890』のロケは、この紀伊大島でも行われ、エルトゥールル号の遭難シーンでは、樫野埼灯台も登場します。

写真:モノホシ ダン

樫野埼灯台は、1870年(明治3年)に初点灯した日本最古の石造りの洋式灯台です。潮岬灯台と同じくイギリス人技師、ブラントンの設計によるもので、併設された平屋の旧官舎(国登録有形文化財)もブラントンが手がけました。
1970年(昭和45年)まで灯台守が常駐していた旧官舎は内部の見学が可能です。灯台は内部には入れませんが、外部のらせん階段から灯台に上ることができます。
<樫野埼灯台旧官舎の基本情報>
住所:和歌山県東牟婁郡串本町樫野1006-1
電話番号:0735-65-8515
入場料:100円(小・中・高校生を除く)
開館時間:9:00〜17:00
アクセス:JR紀勢本線串本駅より「樫野灯台口」行きバスで約37分「樫野灯台口」下車、徒歩約5分。車利用の場合は、樫野灯台口駐車場利用

写真:モノホシ ダン

灯台の展望デッキからは、目の前の広がるコバルトブルーの太平洋、絶景が続く海岸線を眺めることができます。また、この灯台から見る夕陽は、格別の美しさです。潮騒に耳を傾けながら、のんびりと夕景を楽しんでみてはいかがでしょうか。

「本州最南端訪問証明書」にトルコアイス「ドンドゥルマ」も

いかがでしたか。本州最南端の串本町は、ほかにも観光スポットが目白押しです。
本文でも少し触れましたが、潮岬灯台から東へ約500mのところにある「潮岬観光タワー」からは、天気のいい日には遠く那智山まで見渡せます。またタワーに入館すれば、潮岬を訪れた証しとして「本州最南端訪問証明書」を発行してもらえ、素敵な旅の思い出にも。
さらに、樫野埼灯台付近の売店では、トルコの名物の一つである伸びるアイスクリーム「ドンドゥルマ」を味わうこともできます。この機会にあわせて味わってみてはいかがでしょうか。
2022年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
潮岬灯台(外部リンク)
https://kankou-kushimoto.jp/spots/%E6%BD%AE%E5%B2%AC%E7%81%AF%E5%8F%B0
樫野埼灯台(外部リンク)
https://kankou-kushimoto.jp/spots/%E6%A8%AB%E9%87%8E%E5%9F%BC%E7%81%AF%E5%8F%B0
映画『海難1890』(外部リンク)
http://www.toei.co.jp/movie/details/1204606_951.html
和歌山県・串本町で色々な「本州最南端」を探そう!
https://www.travel.co.jp/guide/article/31185/

【トラベルjp・ナビゲーター】
モノホシ ダン

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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