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結局どこが凄いのか?京都「下鴨神社」本当の見所&パワースポット!

2021-07-01

世界遺産に登録され、上賀茂神社と並び京都最古の歴史を誇るとされる下鴨神社(賀茂御祖神社)。上下賀茂社は伊勢神宮以外の神社では唯一、かつて天皇家の斎王が奉仕した神社で、そのことからも古代より非常に重要視されていた神社であることがわかります。
近年はパワースポットとしての人気が高い下鴨神社ですが、一般的にはあまり知られない神域、パワースポットも存在します。重要な見所とその古代史的背景等をご紹介します!

遥か有史以前に遡る!下鴨神社の歴史

写真:小々石 曲允子

下鴨神社の創建年は不詳ですが、紀元前90年に神社の瑞垣の修造が行われた記録があり、少なくともそれ以前から神社祭祀という形態がなされていたと考えられます。
また、参道である糺(ただす)の森周辺から縄文時代の祭祀遺跡が発掘されていること等から、創祀としては縄文時代晩期から始まった可能性が高い、太古からの神祀りの地と推測されています。

写真:小々石 曲允子

国宝である現在の御本殿は江戸時代末期の建立で、東西の両本殿には主祭神である玉依媛命(たまよりひめのみこと)と賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)が奉斎されています。
賀茂建角身命は八咫烏(ヤタガラス)として神武東征を先導したとされる神で、玉依媛命はその娘神です。
下鴨神社は元来、古代の祭祀氏族である賀茂氏が祖先を祀った神社と云われています。

実は出雲と縁が深い神社!「言社」と「出雲井於神社」

写真:小々石 曲允子

さて、東西の御本殿の手前に、「言社(ことしゃ)」という末社が鎮座しています。
言社は7つの御社からなり、それぞれに十二支の守り神が祀られていて、自分の干支の御社を参拝すると良いとされていますが、実は各社には同時に出雲の縁結び神として知られる大国主命の7つの別名が当てられています。

写真:小々石 曲允子

大国主命は別名の多い神様で、例えば、寅・戌年生まれを守護する三言社(中社)では、大己貴神(おおなむちのかみ)、午年生まれを守護する一言社(西社)では顕国魂神(うつしくにたまのかみ)としてお祀りされています。つまり、こちらの参拝者は皆、大国主命を拝んでいることにもなるわけです。
言社の前を通らないと御本殿前の拝殿に辿り着けない配置になっていることも、出雲神・大国主命との関係性の表れのように思えます。

写真:小々石 曲允子

御本殿から比較的近い場所には、「出雲井於(いずもいのへの)神社」という摂社も鎮座しています。下鴨神社周辺に出雲と名のつく町名が複数あることでもわかるように、この辺りや上京区周辺は古くは出雲族が多くいた地域で、その総社の一つがこちらの神社でした。事実、祀られている御祭神も出雲神・スサノオノミコトです。
下鴨神社で奉祀してきた賀茂氏は元々、出雲族の流れを汲む氏族とされ、そのこともこうした御社の存在と無縁ではないのでしょう。
下鴨神社は実は「出雲」と縁の深い神社なのです。

「相生社」は造化三神(サムハラ)の一柱が御祭神!

写真:小々石 曲允子

下鴨神社の中でパワースポットして有名なのが、糺の森を抜けた後の楼門手前に鎮座する末社「相生社(あいおいのやしろ)」でしょう。
御祭神は、造化三神(サムハラ三神としても最近は知られていますが)の一柱である神皇産霊神(かみむすびのかみ)。相生社は、ムスビの神の霊験により縁結びの御利益があるとされており、このムスビの神=神皇産霊神です。
神皇産霊神(神産巣日大神)は産巣(ムス)+日(ヒ)、つまり万物を生成し結びつける働きがあり、そこから縁結びの御利益で信仰されるようになったと考えられます。

写真:小々石 曲允子

なお、神皇産霊神は造化三神の中でも出雲と縁深く、出雲系の神を援助する祖神的存在で、神話では大国主命を蘇生させた神としても描かれています。大国主命の縁結びの御神徳はこんな所にもルーツがあるのかも?!
社殿の隣には御神木「連理の賢木」があり、2本の木が途中から1本になる姿は縁結びの象徴、神皇産霊神の霊験の現れと伝えられます。

その清らかなパワーが凄い!浦の廻廊〜大炊殿の神域

写真:小々石 曲允子

大炊殿(おおいどの)とは、神様の御食事を調理していた社殿。その大炊殿へと向かう路は「浦の廻廊」と呼ばれ、奥の神様への参道という意味があります。この廻廊を境に空気感が変わり、より静謐で清澄な空間へと誘われていくようです。
因みに、浦の廻廊の途中には実は御本殿の背面が見える場所があります。正面からは見えない御本殿の姿をこちらから拝ませて頂くことができます。

写真:小々石 曲允子

浦の廻廊を更に進むと、神社の御神紋となっている二葉葵がかつて自生していたという「葵の庭」が現れます。こちらには水にまつわる神事が行われる「水ごしらえ場」があり、結界が張られた岩の上に水の神、末刀社の御祭神が降臨されるとの伝承があります。
そしてこの水ごしらえ場の磐座周辺こそが、下鴨神社の中でも屈指のパワースポットとされる場所!清らかな気を感じてみましょう。
重要文化財である大炊殿は水ごしらえ場の傍にあります。古代からの調理道具等が中に展示され、見学可能です。大炊殿・浦の廻廊への入場口は御手洗社付近にあり、隣にある授与所で拝観料500円を納めて入場します。

「烏の縄手」には古代からの祭祀遺跡も!

写真:小々石 曲允子

最後に、糺の森の中にある復元された古参道「烏の縄手(からすのなわて)」にも触れておきます。
烏の縄手とは、広いメイン参道脇の、森の木の間を分けて通じる細い小径の参道で、古代にはこのような参道がこの辺りに幾筋もありました。主祭神の賀茂建角身命=八咫烏が名の由来です。

写真:小々石 曲允子

神が天鳥舩(あめのとりぶね)に乗って降臨したとの神話が残り、葵祭に先立つ祓いの神事や歴代の賀茂斎王による祭祀が行われていた奈良殿神地(ならどののかみのにわ)以外にも、この一帯では最初の概要で触れた縄文晩期のものと思われる祭祀遺跡が幾つも発掘・復元されています。考古学的にも貴重な一帯ですので、お見逃しなきように。
下鴨神社の見所をパワースポットと古代史、両方の観点からガイドして参りましたがいかがでしたか?
ポイントは出雲との繋がりと、磐座や遺跡など太古からの神祀りの痕跡でしょうか。他、摂社の河合神社等にもお参りしておきましょう!

下鴨神社(賀茂御祖神社)の基本情報

住所:京都府京都市左京区下鴨泉川町59
開閉門時間:6:30〜17:00
アクセス:
京阪電車・叡山電鉄出町柳駅より徒歩約7〜10分
市バス「下鴨神社前」もしくは「糺ノ森前」下車
2021年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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【トラベルjp・ナビゲーター】
小々石 曲允子

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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