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アール・ヌーヴォーの都!フランス・ナンシーの街歩きガイド

2025-03-17

19世紀末〜20世紀初め、進む工業化に危機感を感じたヨーロッパの芸術家達は、新しい素材を積極的に取り入れながら「アール・ヌーヴォー(新しい芸術)」という美しいデザイン様式を生み出しました。それは、絵画・工芸にとどまらず、建築、家具、工芸など多岐に渡ります。
パリから東へ電車で1時間30分のナンシーは、数多くのアール・ヌーヴォーの巨匠を輩出した街であり、今でも街歩きしながらその作品を堪能出来ます!

観光案内所は「スタニスラス広場」脇!

写真:成瀬 康子

駅から歩いて10分のところに「スタニスラス広場」があります。華やかなロココ様式の華麗な金属細工で彩られた広場は見応えがあり、1983年にはその景観の美しさから世界遺産に登録されました。
観光案内所はこの広場脇にあり、ここで日本語地図を入手出来ます!この地図は美術館を含めた67ものアール・ヌーヴォー建築を紹介しており、解説付きで街歩きにはとても便利!また、有料ですが地図に対応した日本語のオーディオガイドも借りられます。

写真:成瀬 康子

散歩していると気がつく建物に付いている小さな看板、ここにはその建物に関わった芸術家たちの情報が表記されており、地図の日本語解説に対応しています。
<観光案内所の基本情報>
住所:Place Stanislas-BP 810-F54011 Nancy
電話番号:+333-8-335-2241
アクセス:ナンシー駅から徒歩10分

まるごとアール・ヌーヴォー美しすぎる!「ナンシー派美術館」

写真:成瀬 康子

沢山あるお薦めポイントの中でどうしても外せないのがここ、「ナンシー派美術館」です。ナンシーから生まれた植物模様を多用した様式は特に「ナンシー派アール・ヌーヴォー」と呼ばれているのです。
ご覧ください!この豪華な室内。美術館というより邸宅のサロンのようですね。そう、ここはアール・ヌーヴォーのパトロンだったユージェン・コルバン(1867-1952)の家です。市が買い取り、当時の様子を再現するかたちでオープンしました。家具なども当時のままです。
更に、家具にとどまらず、照明、天井、壁に至るまで当時を代表する作家の手によるもの!総合芸術を目指したアール・ヌーヴォーをまるごと体験できる空間です!

写真:成瀬 康子

こちらはナンシー派の会長も務めた、エミール・ガレ(1846-1904)の作品です。彼は、工芸家であると共に植物学者であり、園芸家でもありました。植物や昆虫で溢れる彼の作品のモチーフにどこか親しみを覚えませんか?
実は彼は、役人としてナンシー に留学していた日本人、高島北海(1850-1931)と交流がありました。高島は、水墨画が得意だったので、ガレは高島を通して日本の美意識を学び、影響を受けたと言われています。

写真:成瀬 康子

広い敷地には当時の庭の様子を再現した美しい庭が広がっています。小さな建物には水槽が設置されており、ドアや窓のジャック・グリューベル(1870-1936)によるステンドグラスがとても綺麗なので、こちらに立寄るのも忘れないで!
<ナンシー派美術館の基本情報>
住所:36-38 rue du Sergent Blandan 54000 Nancy
電話番号:+333-8-340-1486
アクセス:ナンシー駅から徒歩20分
営業時間:水〜日の10:30~6:00

街は巨大な美術館!

写真:成瀬 康子

いよいよ街歩きです。「ナンシー派美術館」にほど近いフェリックス=フォール通りには、植物モチーフで彩られたとても可愛らしい外観の家々が並んでいます。
写真は今でも使われているその中の1つ、セザール・パン(1872-1946)設計の分譲住宅(1900-1910)です。焼き物や石、ペインティングなどで施された模様は思わず声を上げてしまう美しさです!

写真:成瀬 康子

街の中心地、サン=ジャン通りに建つ「ジェナン穀物商」(1900-1901)は現在のフランス商業信用銀行。アンリ・ギュットン(1851-1933)の設計で、当時のままの姿の金属で作られた装飾は驚くほど繊細!

写真:成瀬 康子

疲れたら1911年創業のカフェレストラン「ブラッスリー・エクシオール」で休憩はいかがですか?ナンシー出身のリュシアン・ヴァイセンビュルガー(1860-1929)とアレクサンドル・ミエンヴィル(1876-1959)による設計で、ステンドグラスや調度品も全てナンシー派アール・ヌーヴォーの巨匠によるとても贅沢な環境となっています。
お値段は安くはありませんが、サービスもいいですし混み合っていなければ予約なしで入れるのも嬉しいところ。食事とアール・ヌーヴォーの建物探訪が同時にできて一石二鳥、気持ちも削がれないのでいいですね。
<ブラッスリー・エクシオールの基本情報>
住所:50 rue Henri Poincare 54000 Nancy
電話番号:+333-8-317-8677
アクセス:ナンシー 駅から徒歩5分
営業時間:毎日8:00~23:00

「マジョレル邸」は要予約!

写真:成瀬 康子

家の中に入ってみたい!という人にはルイ・マジョレル(1859-1926)の家がお薦め。「マジョレル邸」はナンシー 派アール・ヌーヴォーの集大成と言わており、アンリ・リヴァージュ(1873-1932)による設計で1901年に建てられました。
内部の見学には予約が必要ですが、その圧倒的な迫力は訪れる価値が充分あります。予約はナンシー派美術館、または観光案内所で。定員に達していなければ当日でも見学可能です。

写真:成瀬 康子

家具デザイナーとしてトップのポジションにあったマジョレルの家ですから、そのこだわりは相当なもの。ジャック・グルーバー(1870-1936)によるステンドグラスなど、その美しさにはため息が出ます。中に入ると外観だけからでは分らなかったダイナミックなデザインにも気が付きます。
2018年12月現在メンテナンスの為休館中、2019年末に再オープン予定です。

写真:成瀬 康子

<マジョレル邸の基本情報>
住所:1,rue Louis Majorelle F54000 Nancy
電話番号:+333-8-375-3040
アクセス:ナンシー駅から徒歩15分

マカロン・ド・ナンシーもお忘れなく!

写真:成瀬 康子

そして忘れてはいけないのが18世紀からこの地方に伝わるお菓子、「マカロン・ド・ナンシー」です。特に「メゾン・デ・スール・マカロン」のものがお薦め!18世紀から同じ方法で作り続けているこのお店のレシピは門外不出!お土産に最適です。
ちなみに、クリームを挟んだツルッとした表面のマカロンは「マカロン・パリジャン」というお菓子で、マカロン・ド・ナンシーのようなお菓子を原型として19世紀にパリで生まれたものです。
<Maison des soeurs Macaronsの基本情報>
住所:21 rue Gambetta 54000 Nancy
電話番号:+333-8-332-2425
アクセス:ナンシー駅から徒歩10分
営業時間:月14:00~19:00, 火〜土の9:30~19:00(昼休みあり)

ナンシーでアール・ヌーヴォーにどっぷり浸かる!

ナンシーの街を歩いていると特に看板がなくても、豪華で上品な家や森の妖精の住処かと思える可愛らしい家々に遭遇できるので、歩いても歩いても飽きることはありません。また、ひと休みするのに便利な美しい公園が多いのも嬉しいところ。
是非、地図を片手にアール・ヌーヴォーの世界にどっぷり浸かってその魅力を堪能して下さいね。
2018年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
ナンシー派美術館(外部リンク)
http://www.ecole-de-nancy.com/web/
ナンシー ツーリズム(外部リンク)
https://www.nancy-tourisme.fr

【トラベルjp・ナビゲーター】
成瀬 康子

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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