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奈良・南朝の里「賀名生梅林」で2万本の梅の花を満喫!

2023-02-03

奈良県五條市西吉野町にある「賀名生(あのう)梅林」は、早春になると北曽木の丘陵から中腹まで覆い尽くすように約2万本の梅が咲き誇ります。梅林の中の名所では、一目千本・見返り千本・奥の千本など吉野山の桜になぞらえた名がつけられています。また、賀名生は足利尊氏に追われた後醍醐天皇が、吉野山に入る前に滞在したところでもあります。梅の香りに誘われて、南朝幕開けの舞台ともなった賀名生梅林を散策してみませんか?

南朝の幕開けの舞台となった「賀名生」

写真:モノホシ ダン

西吉野に春の訪れを告げる風物詩「賀名生梅林」。かつてこの地は穴生(あなう)と呼ばれていました。ところが南北朝時代になると、足利尊氏・直義の兄弟喧嘩に端を発した観応の擾乱(かんのうのじょうらん)により、尊氏が一時的に南朝に帰順してきました。
これを喜んだ南朝の後村上天皇が、南北統一の願いが叶ってめでたい、との思し召しから「加名生(かなう)」と名付けられたのが地名の語源です。のちに村人は下賜された地名は畏れ多いとして、現在の「賀名生(あのう)」に改められました。
南北朝時代、京の都を追われた後村上天皇や公家達は、この地の梅を愛でて栄華を偲んだ歌を詠んだといわれています。

写真:モノホシ ダン

写真は、賀名生梅林の麓にある賀名生皇居跡。足利尊氏に京を追われた後醍醐天皇が、吉野山に入る前に滞在したのが、国の重要文化財でもある「堀家住宅 賀名生皇居跡」です。
その後も、後村上・長慶・後亀山の3天皇の行宮となりました。樹齢約100年と言われる枝垂れ桜の背後にある大きな茅葺屋敷は当時の面影を今もとどめています。
入口の藁葺門には、明治維新の魁となった天誅組の吉村寅太郎の筆による「皇居」の扁額が掲げられています。

写真:モノホシ ダン

なお、堀家住宅はリノベーションされ、2019年(平成31年)4月にカフェレストラン&ホテル「賀名生旧皇居 KANAU」として生まれ変わりました。レストランは、イノシシやシカなどのジビエを本格イタリア料理として提供し観光客の人気を集めています。
ホテルは、一棟まるごと貸切プランや素泊まりプランなどがあり、国の重要文化財の中で、山や川の大自然に囲まれながら旅の疲れを癒すことができます。写真は、丹生川沿いに佇む賀名生皇居跡と「幻の五新線」の鉄橋です。
<賀名生旧皇居 KANAUの基本情報>
住所:奈良県五條市西吉野町賀名生1番
電話番号:0747-32-0080
レストラン営業日:水曜日・土曜日・日曜日・祝日
レストラン営業時間:11:00〜16:00
アクセス:京奈和自動車道 五條ICから約20分、専用駐車場利用

奈良三大梅林の一つ「賀名生梅林」とは

写真:モノホシ ダン

賀名生皇居跡の近くには「賀名生の里 歴史民俗資料館」があります。ここでは、賀名生梅林の案内図を頂けます。梅林内には仮設トイレしかありませんので、ここでトイレを済ませておくと安心でしょう。なお、賀名生梅林の見学所要時間は徒歩で約3時間です。
<賀名生の里 歴史民俗資料館の基本情報>
住所:奈良県五條市西吉野町賀名生5
電話番号:0747-32-9010
開館時間:9:00〜17:00 入館は16:30まで
休館日:毎週月曜日と祝日の翌日及び年末年始

写真:モノホシ ダン

歴史民俗資料館で案内図を入手したら、国道168号線を横断して賀名生梅林の散策に向かいましょう。坂道を登っていくと「口の千本」という梅林を見上げる展望所があります(写真)。いきなり雲海のごとく広がる梅林の光景には、思わず感嘆の声を上げざるを得ないでしょう。

写真:モノホシ ダン

賀名生梅林は、月ヶ瀬梅林、広橋梅林とともに「奈良三大梅林」の一つです。現在のような広大な梅林になったのは、明治の初めに果実の収穫を目的として栽培が始められ、戦後さらに拡大されてからです。
梅の品種としては白加賀(しろかが)、鶯宿(おうしゅく)、南高(なんこう)、林州(りんしゅう)などが栽培されていて、中でも賀名生梅林を象徴する梅が「林州」です。
別名「北曽木梅」と呼ばれるほど、この地方独特の品種です。果実は25g前後で梅酒、梅干し用として利用されています。

賀名生梅林随一の眺望「弓箭堂売店」からの絶景

写真:モノホシ ダン

賀名生梅林で随一の眺めといわれているのが「弓箭堂売店」からの風景です。「見返り千本」と呼ばれる見事な眺望が楽しめます。手前の山の背後に見えている山は金剛山です。

写真:モノホシ ダン

賀名生梅林では、梅のほかにも様々な花が楽しめます。写真は、マンサク。黄色いリボン状の花で、梅とともにいち早く春の訪れを告げる花木です

写真:モノホシ ダン

ほかに有名なのが、啓翁桜(けいおうざくら)です。啓翁桜は、中国系の「支那桜桃」と他の桜よりも早期に咲く「彼岸桜」を交配して作られた桜です。ボリューム感のある薄紅色の花と梅の花のコラボを楽しんでください。

賀名生梅林のクライマックス「奥の千本」

写真:モノホシ ダン

賀名生梅林では、農園のガレージを利用した売店で、名物の「よもぎ餅」などをいただくことができます。散策に疲れたら、梅の花を愛でながら一休みするのもおすすめです。

写真:モノホシ ダン

賀名生梅林のクライマックスとなるのが「奥の千本」。咲き誇る啓翁桜と梅の花のコラボは爽やかで壮観な風景です。

写真:モノホシ ダン

奥の千本からは、はるか遠く雪を被った大台山系までを見渡すことができます。賀名生梅林の広大さをいちばん実感できる場所でもあります。

「西の千本」「見返り千本」を眺めながら下って行こう

写真:モノホシ ダン

奥の千本を過ぎると、道は下り坂になり「西の千本」「見返り千本」などを眺めながら国道168号線に合流します。あとは麓の農園や商店で買い物や食事をして帰路につきましょう。

写真:モノホシ ダン

このように賀名生梅林は、南朝の悲史を知ると同時に、雅やかな梅の花を楽しめるところです。赤や白の梅の花が斜面を彩る梅林で、南朝のロマンと、一足早い春の訪れを感じてみてください。

賀名生梅林の基本情報

住所:奈良県五條市西吉野町北曽木
電話番号:0747-22-4001(五條市役所観光課)
開花時期:2月下旬〜3月下旬
アクセス:JR五條駅から奈良交通バスで、西日裏行、十津川行、新宮行、湯ノ峰行のどれかに乗り「賀名生和田北口」下車
車利用の場合は、国道168号線を南へ「賀名生トンネル」をくぐって1ツ目信号過ぎてすぐ右側の臨時駐車場を利用
2023年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
なら旅ネット賀名生梅林(外部リンク)
http://yamatoji.nara-kankou.or.jp/02nature/06forest-tree/04south_area/anobairin/
賀名生旧皇居 KANAU(外部リンク)
https://www.kanau1318.jp/

【トラベルjp・ナビゲーター】
モノホシ ダン

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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