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シェンゲン協定ってなんだろう?EUとの違いを解説

2024-05-16

ヨーロッパを旅行する際によく耳にする「シェンゲン協定」。加盟している国家間において出入国審査なしで国境を越えることを許可する協定です。
短期の旅行であまり気にする必要はありませんが、数ヶ月かけてヨーロッパを周遊する場合や、短い期間に何度も加盟国を訪問する機会がある場合は計画段階で頭に入れておくことが必須!
今回はシェンゲン協定の概要およびEU加盟国との違いなどを紹介します。

シェンゲン協定とは?

シェンゲン協定とは、加盟しているヨーロッパの国家間において、出入国検査(国境検査)なしで国境を越えることを許可する協定のこと。ヨーロッパ内の人やモノの移動を自由にするため1985年6月に調印され、2024年5月現在、29ヶ国が加盟しています。シェンゲン協定にはドイツ、フランス、イタリアなどヨーロッパの主要国が加盟しています。

シェンゲン協定では加盟国への外国人の入国条件を統一しており、入国審査は最初に上陸した加盟国で行われます。例えばヘルシンキ(フィンランド)経由でベルリン(ドイツ)に向かう場合、フィンランドもドイツもシェンゲン協定に加盟しているため、入国審査は経由地のヘルシンキで行われ、ベルリン到着時には行われずにそのままゲートを出ることになります。
また加盟国内だけを周遊する場合、空路であっても陸路であっても、原則パスポートのチェックは行われません(テロ対策等で稀にチェックが行われる場合もあります)。飛行機の場合は搭乗時に身分証明が必要となるため、パスポートは常に携帯しておきましょう。もちろん周遊中に非加盟国を訪れる場合は出入国時に審査が必要となります。

シェンゲン協定加盟国を旅行する際の注意点

シェンゲン協定加盟国を観光目的で訪れる際、日本国籍のパスポートであれば、過去10年以内に発行され、出国予定日から3ヶ月以上の残存有効期間がある場合に限り、ビザなしで入国することができます。また滞在期間は、原則「あらゆる180日間における最長90日まで」と決められています。

このあらゆる180日間とは、最初のシェンゲン協定国に入国した日を指し「直近の旅行で入国した日から90日間」ではありません。例えば4月から3ヶ月かけてヨーロッパ(加盟国内)を周遊するとします。過去180日以内にシェンゲン協定加盟国を訪れていなければまるまる90日間滞在できますが、同年1月に一週間のイタリア(加盟国)旅行をしていた場合、その一週間が過去180日間に該当するため、4月の旅行ではその一週間分を差し引いた日数しか滞在できず、90日を超えた分はオーバーステイ(不法滞在)となってしまいます。
周遊中に一旦シェンゲン協定非加盟国へ移動した場合も、180日間以内の場合は90日間はリセットされません。滞在期間を超過しないよう、頻繁にヨーロッパを訪れる方は、必ず滞在可能な日数を調べておきましょう。関連MEMOの「Short-stay Visa Calculator」では滞在可能な日数を計算することができます。

なおオーストリアなど日本との二国間協定によって、シェンゲン協定で定められた90日を超えて滞在できる国もあります。入国・出国審査をオーストリア内で行うため、往復直行便を利用する、など一定の条件をクリアする必要があります。必ず事前に滞在予定国の大使館や領事館に確認しておきましょう。

シェンゲン協定とEUの違いは?

シェンゲン協定以上に日常で耳にするEU(欧州連合)。一見シェンゲン協定と似ているようですが、こちらは第2次世界大戦終了後、もう二度とヨーロッパを戦場としないこと、またヨーロッパ全体の政治経済の統合を目指して、設立されたものです(前身はEC)。加盟国もシェンゲン協定とは異なり、アイスランド、スイス、ノルウェー、リヒテンシュタインはシェンゲン協定に加盟している一方、EUには加盟していません。

EUでは通貨の統一(採用は一部の国のみ)、関税の撤廃、加盟国間のパスポートが不要といった特徴がありますが、これはあくまでEU加盟国民に適用されるもの。例えばドイツ人と日本人のカップルがアイルランドを訪れる場合、EU加盟国同士なのでドイツ人は入国時にパスポートチェックが不要(身分証のみ提示)ですが、日本はEU加盟国ではないので日本人はパスポートのチェックが必要となります。

ルールに気をつけて楽しい旅行を!

シェンゲン協定には加盟国間の移動時にパスポートチェックがない、といったメリットがある一方で、滞在期間のカウント方法が若干複雑、といった点もあります。不安のある方は、事前に渡航予定の大使館や領事館に確認しておきましょう。日本から距離のあるヨーロッパは、なるべく時間をかけて複数の国を周遊したいもの。ルールに気をつけて、ヨーロッパ旅行を楽しんでくださいね。
2024年5月現在の情報です。国によって規定が異なる場合があるため、渡航先の大使館HPなどで詳細をご確認下さい。また、最新情報は外務省HPなどを参照してください。

■関連MEMO
Short-stay Visa Calculator(外部リンク)
https://ec.europa.eu/home-affairs/content/visa-calculator_en

【トラベルjp・ナビゲーター】
トラベルjp 編集部

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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