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8月しか見られない蝶が乱舞する!山形蔵王プチ避暑ハイク

2023-04-17

蔵王温泉街からロープウェイで約7分。標高1400メートルの山上に広がる蔵王中央高原は、麓とは気温が10度以上違うほど、夏もひんやりとした空気が漂う避暑地です。さらに8月の約1か月間は、「旅する蝶」と呼ばれるアサギマダラの乱舞が見られる絶好のチャンス。家族いっしょにお散歩気分で楽しめる散策路の見どころと、美しい蝶・アサギマダラに会えるポイントをご紹介します。

約7分間の空中散歩で絶景の山上高原へ

写真:野水 綾乃

蔵王中央高原へは、蔵王温泉街の中心部にある「温泉」駅から出ている「蔵王中央ロープウェイ」を利用します。101人乗りの大型ゴンドラで、およそ20分間隔で運行しています。「温泉」駅から蔵王連峰の鳥兜山山頂にある「鳥兜」駅まで、所要時間は約7分30秒。眼下には温泉街、そして間近に蔵王の雄大な大自然を見ることができます。

写真:野水 綾乃

「鳥兜」駅に着くとすぐに、麓とは違う、ひんやりとした空気が感じられます。夏の鳥兜山山頂の平均気温は20度。トレッキングすると少し汗ばむのでちょうどよいですが、あまり歩かずにのんびり過ごす人は羽織るものを持参するとよいかもしれません。それぐらい街なかとは別世界の涼しさです。

蔵王中央高原散策路の見どころ

写真:野水 綾乃

蔵王中央ロープウェイ「鳥兜」駅から徒歩1分。階段を少し登ったところに鳥兜山山頂の展望台があります。まずはこちらに立ち寄り、眺望を堪能しましょう。吾妻連峰、飯豊連峰、朝日連峰と山形盆地を取り囲む山々を見渡すことができ、晴れていれば遠くの月山や鳥海山まで見ることができます。

写真:野水 綾乃

蔵王中央高原散策路は1周であれば約3qのコース。これに往復30分の五郎岳登山や、健脚向きの不動滝コースをプラスしたり、途中でショートカットしたり、体力に合わせてコースを組み立てることができます。
おすすめは、鳥兜駅からトニー・ザイラー顕彰碑(写真)をめざし、片貝沼、目玉沼などを経由してドッコ沼に向かう反時計回りのコース。ほとんどが下りとなるので楽です。
トニー・ザイラーとはオーストリアのスキー名選手で、引退後、俳優として活躍した人物。蔵王温泉スキー場の魅力を世界に広めた功績に感謝して、この碑が建立されました。アーチの空間から三宝荒神山の夫婦岩を眺めることができ、恋愛のパワースポットになっています。

写真:野水 綾乃

蔵王はブナの木が多く、散策路の多くもブナ林の中の「緑のトンネル」を通ります。ブナの落ち葉が積もった道がフカフカとして歩きやすく、直射日光が当たらないので夏も快適です。途中には大小の沼のほか、鳴らすと幸せになれる鐘、蔵王大黒天・蔵王大権現といった開運スポットが点在しています。

出現するのは8月だけ!旅する蝶・アサギマダラに会おう

写真:野水 綾乃

アサギマダラという蝶をご存知でしょうか。20度台前半の気温と好みの花の蜜を求めて、渡りをする蝶として知られています。アサギマダラが蔵王にやってくるのが8月上旬〜9月上旬。その後日本列島を南下し、冬は九州や沖縄、台湾などで越冬します。
アサギマダラは、ヨツバヒヨドリというキク科の花の蜜が大好きですので、花のそばを探すと見つけられます。蔵王中央ゲレンデの草原にヨツバヒヨドリの群生があり、時期になるとたくさんのアサギマダラが集まります。
アサギマダラの名前の由来にもなった浅葱色(薄い藍色)の羽が美しく、優雅に花の周囲を舞う姿に魅せられます。

写真:野水 綾乃

五郎岳登り口近くでもヨツバヒヨドリの花に群がるアサギマダラを見ることができます。
蔵王中央高原は国定公園特別保護地区内です。捕獲行為は禁止されていますので、観察するだけにしましょう。

自由研究のヒントになりそうな自然の宝庫

写真:野水 綾乃

蔵王中央高原散策路のブナ林を歩いていると、縦にナイフで傷を付けたようなブナが見つかります。これは「凍裂(とうれつ)」という現象。
ブナは「緑のダム」と呼ばれるほど保水力の高い木です。凍裂とは、ブナの幹に含まれた水分が冬の厳しい寒さで凍り、膨張した氷が木を切り裂いて割れる現象です。

写真:野水 綾乃

こちらは蔵王中央高原散策路にいくつかある沼のひとつ、目玉沼。緑に覆われた笹原の奥に見える窪みのような小さな沼で、形状が目玉焼きのように見えることからその名が付いたとか。
雪解けの季節を迎えても最後まで雪が残っているのが、笹原の部分です。地盤が低く、長い間、雪で埋もれる部分には高い木がなく、笹が生えます。
その周囲にはアオモリトドマツ(オオシラビソ)が見えます。有名な蔵王の樹氷を形作る木です。雪に埋もれる下枝とくらべ、上枝は極寒の風雪にさらされるため成長せず、白く枯れたようになっています。
旅する蝶「アサギマダラ」の生態も不思議ですが、蔵王中央高原散策路の大自然にはいろんな不思議が隠れています。夏休みの自由研究のテーマを探しに訪れてみるのもいいのでは?

エメラルドグリーンの湖水が美しい「ドッコ沼」へ

写真:野水 綾乃

最後に立ち寄りたいのが、エメラルドグリーンの湖水が神秘的な「ドッコ沼」。周囲のブナ林が蓄えた水が湧き出た池で、湧き水が冷たいので、周囲一帯もひんやりとした空気に包まれています。
ドッコ沼までは車で来ることができるので、地元の人も夏の暑い日に避暑で訪れます。お弁当を食べたり、木陰で読書を楽しんだり、思い思いに過ごしましょう。

蔵王中央高原散策路の基本情報

住所:山形県山形市蔵王温泉
アクセス:山形新幹線山形駅から蔵王温泉行きバスで約45分、終点「蔵王温泉バスターミナル」より徒歩5分。蔵王中央ロープウェイ「温泉」駅からロープウェイで約7分
初めての人や蔵王の自然について深く知りたい人は、取材でも同行いただいた蔵王山岳インストラクター協会のトレッキングガイドに案内してもらいましょう。ガイド1名につき1万5000円〜で、5日前までに要予約。問い合わせは蔵王温泉観光協会内 蔵王トレッキング係(電話番号:023-694-9328)まで。
2019年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
蔵王中央ロープウェイ
http://zaochuoropeway.co.jp/jp/summer/index.php
蔵王山岳インストラクター協会
http://zaosangakuinstructor.web.fc2.com/
森の奥にワイルドな温泉が!山形蔵王「ヴァルトベルク」夏季限定野天風呂に入ろう
https://www.travel.co.jp/guide/article/17657/

【トラベルjp・ナビゲーター】
野水 綾乃

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提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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