息子きったん、5歳である。

何を話しても「NO!」でしか返事がない
魔の2歳児。
ダメと言われることを分かっているのに、自分の主張をダンプカーのごとくゴリ押そうとする
悪魔の3歳児。
ようやく息子から「いいよ〜」という穏やかな返事が返ってくるようになったかと思いきや、いきなりフェイントをかまされ、結局強制的に戦争を巻き起こす
大魔王の4歳児。
魔界の住人とは戦争が絶えない日々である。
さて。そんな成れの果て、5歳の現在は一体どうなったのか?


ふん。
せっかくこちらがくたびれた三十路の脳を瞬時に回転させて出した良案も即却下ですかい。
母、少々ムッとする。
でも。
今ここで怒りに任せ
「ダメなもんはダメ!!」と声を荒げては余計に事態がこじれる。
息子は爆泣き、私はぐったり…の修羅場となることは目に見えている。
よって良案とはいえない。
ちなみに息子きったんの性格は、「ダメなもんはダメ!」とガツン!と一発!!より
とことん話し合い、本人が納得することが一番望ましいということが、5年間毎日一緒にいる私の見解である。
理屈で説得する方が穏やかに事が収まる。
そして何より、その話し合いで出した結果に本人が納得できれば、それが彼の血肉となる。
次から同じことをやらかさないのだ。
よし。
ならば…


疲れた…。
一歩も譲る気がない5歳児相手に、お互いの意見の中間点を見つけるのも一苦労。
大人の考えを子どもが理解できるようにかみ砕いて説明するのも一苦労。
そしてこれを一日の終わりという、疲労も眠気もMAXの中で行う一苦労。
なんなら、これからまだ寝かしつけというラスト一苦労も控えてる。
一苦労のトライアスロンである。さて。そんなトライアスロンを無事ゴールし、納得いく答えが見つかった息子は気分上々。
そんな息子を見て私も一安心。
よし、これでやっと寝れる…

は?
納得…?
したんじゃなかったの?
おいおいおいおい、蒸し返してきましたよ。
あの話し合った数十分はなんだったのか。
あんな労力を使ったというのに、一瞬にして水の泡になったこちらの気持ち、どうしてくれるのか。
そしてこの後
「ブロックで作ったベルトをつけて寝たい事件」
どうなったかというと、だ。
気力体力ともに底をつき、息子と今一度話し合いなんかする余裕ゼロな母の
「ダメなものはダメ!!」
のガツンと一発により強制的に幕を閉じた。
結局これ。
(もちろん息子は爆泣きでした)
だって寝てる時にバラバラになるの困るし
バラバラになったブロックに当たったら痛いもんね、嫌だ。
しかし疲れた…。
“魔”の2歳児、“悪魔”の3歳児、“大魔王”の4歳児ときて…5歳…。
5歳も“大魔王”だわ、ちくしょうめ。いや、一見「4歳の時より聞く耳を持ってるからなんか楽になった?」なんて気をこちらに起こさせる分、力づくでぶつかられていた時期よりちょっとたち悪いで。
頭が働く分、小悪魔か。
“小悪魔”の5歳児か。
…。
結局この話で何が言いたかったかっていうと、子の基本の性格は変わらん、ってことです。
頭に“魔”がつく幼少期を過ごした息子は、結局
5歳になっても魔界の住人である。よく巷で聞く「天使の〇歳児」なんて我が家には都市伝説。
しかし。
家では魔界の住人な息子も幼稚園へ行くと、お友達と仲良く遊び、取り合いになった場合はおもちゃも譲り、女の子や年下の子には率先して親切にするという“天使”っぷりを見せているらしい。
おやおや?
この辺りの使い分けも小悪魔っぽいなぁ…と思った。
魔の2歳児。
悪魔の3歳児。
大魔王の4歳児。
そして
小悪魔の5歳児になりました。さぁ。6歳はどうなるんだろう。
多分まだ魔界の住人であることには間違いない。
(ユキミ)